商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 草思社 |
発売年月日 | 2019/05/29 |
JAN | 9784794223944 |
- 書籍
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「うつ」は炎症で起きる
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「うつ」は炎症で起きる
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商品レビュー
3.6
9件のお客様レビュー
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本書では、従来考えられてきた「炎症による身体症状が精神に(不安を)働きかけて」鬱症状を引き起こすのではなく、「炎症が起きることで炎症物質(:サイトカイン)が血中に拡散され、それが脳に届く」ことで鬱症状が起きるという考えを紹介している。 従来の考え方であれ、本書で扱われている考え方であれ、どちらの経路をとっても「炎症→鬱症状」という観察結果は変わらないので、新しい考え方を示すには、途中の経路の解明や、細かく切り分けられた症例の統計、あるいは新たな検査結果(ex. うつ病患者を精密に検査したら炎症の値が必ず異常値)が必要になるが、その結果を示すまでが長く、冗長な感じがする。 免疫についてや、これまでの精神医学の発展についての内容を系統的に説明するのは重要なことなのだが、 その書かれている内容が余分なこと(長い間本書の考え方に至らなかった言い訳のようにすら感じてしまう)が多い気がして「それなら本題にページを割くべき。言い訳は序文や議論でしろ」と思ってしまう。 1章以降は蛇足で5章からが本番という感じを受ける。 また、オチも弱く、読み終えても「結局何が言いたいのか」と感じるかもしれない。 従来型の治療(抗うつ薬)が奏功するタイプの鬱もあれば、他の原因による鬱もある。"他の原因"の一つは体内の炎症に由来するようであり(他にもタイプがあるかもしれない)、その解明、コントロールに向けた研究を進めている。決定打は残念ながらまだ無い。 ということをお茶を濁しながら書いている。 洋の東西を問わず研究者は持って回ったように感じる言い回し(;滅多に断定口調では話さない)をする。これは、皆が支持する考え方であっても多くの不確定要素の上に成り立っていることを知っているからなのだが、この著者のわかりにくい書き方は研究者独特の語り口というよりも、「なんだか言い訳がましい文章だな」と感じることが多かった。よほどこれまでやってきた研究や治療に罪悪感や後悔があるのだろうか。 著者について「大丈夫か?」とちょっと不安になったので、 本書で取り扱う『炎症と鬱病の関係性』はどのくらいコンセンサスを得ているのか?の指標として、 本書の考えの根本である主要な文献4つ(いずれも本書の著者のものではない)を調べてみたが、どれもグーグルスカラーの簡易的な被引用件数だけで1千〜数千件の被引用があり、かなりのインパクトのある論文だった。 引用のされ方の善し悪しまで評価は出来ないが話題になっているのは間違いなさそう。 また、本書の目的とは別だが、 迷走神経を刺激することで脾臓からサイトカイン(あるいはマクロファージ)を抑制する物質を分泌させる方法は、自己炎症性症候群などでは効果がないのだろうか? ”炎症"が思っているより広い範囲で影響を与えているのは本書の内容だけでなく近年の医学の進歩で明らかになっていることなので、それを薬以外でコントロールする方法には興味がわいた。
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「鬱」が炎症で起きるのかどうかは、本当のところは分かっていないということでしたが、炎症が関与(増悪したり、きっかけになったり)するのは間違いなさそう。 C反応性タンパク(CRP)が上がっていて、統合失調症の人に炎症があるといわれても、医学の知識がないとCRPを改善すれば、すぐ薬になりそうじゃん、と誤解を与えそう。 著者もわかっているし、医薬品の開発を始め、医学に通じている人もわかっているはずですが、ちょっとしたことですぐ上昇してしまうものなので、あくまでも本書の後半に述べている通り、バイオマーカーの事例として読むべきでしょう。 ブロックバスターのビジネスモデルが崩壊してしまったのも、医薬品業界にいるとすごくうなづけますし、案外といか結構、面白かったなぁ~という感じでした。 本書を読んでも、統合失調症の対処はわかりません。あくまでも医者が、進んでいない精神科の治療に対して、神経免疫学のアプローチが「鬱」が炎症で起きるのかどうかは、本当のところは分かっていないということでしたが、炎症が関与(増悪したり、きっかけになったり)するのは間違いなさそう。 C反応性タンパク(CRP)が上がっていて、統合失調症の人に炎症があるといわれても、医学の知識がないとCRPを改善すれば、すぐ薬になりそうじゃん、と誤解を与えそう。 著者もわかっているし、医薬品の開発を始め、医学に通じている人もわかっているはずですが、ちょっとしたことですぐ上昇してしまうものなので、あくまでも本書の後半に述べている通り、バイオマーカーの事例として読むべきでしょう。 ブロックバスターのビジネスモデルが崩壊してしまったのも、医薬品業界にいるとすごくうなづけますし、案外といか結構、面白かったなぁ~という感じでした。 本書を読んでも、統合失調症の対処はわかりません。あくまでも米国の医師が、進んでいない精神科の治療に対して、神経免疫学的アプローチが期待できる、という学術書でした。
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なんとなく、歯周病がうつの原因になるとかの話をきいていたが、そのメカニズムを解説した本。 非常に良書。今の最新の医療コンセンサスを理解できる。 翻訳もわかりやすい。 最近は翻訳がわかりやすい本が多くて良い。 つまり免疫系による炎症反応は、体でも脳でも変わらず、 体で起きれば、リ...
なんとなく、歯周病がうつの原因になるとかの話をきいていたが、そのメカニズムを解説した本。 非常に良書。今の最新の医療コンセンサスを理解できる。 翻訳もわかりやすい。 最近は翻訳がわかりやすい本が多くて良い。 つまり免疫系による炎症反応は、体でも脳でも変わらず、 体で起きれば、リウマチ、歯周病などを発病し、脳で起きれば、うつやアルツハイマー病・双極性障害などの精神的な症状を発症する。 つまり体と精神は分かれておらず、連動している。
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