商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新曜社 |
発売年月日 | 2019/05/15 |
JAN | 9784788516113 |
- 書籍
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「国語」から旅立って
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「国語」から旅立って
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商品レビュー
3.3
5件のお客様レビュー
これは「外国人児童生徒教育」に思いはあるけど何もできてないような気がして悩んでいる若い先生に読んでほしい! 温さんが小学校時代に出会う先生、教育実習生、の姿に、ちょっと励まされると思います
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まさに日本語、日本人という固定された環境で育った人間にとっては新鮮な内容だった。ここ最近の多様化社会においてもはや日本自体が日本人だけのものではないていう認識を持たねばならないなと。 中国や韓国の文化をもっと知りたいとも思った。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
もっと言語学的な見地からのお話と思っていたが、著者温又柔の幼少のころからの言語体験を綴ったエッセイだった。 台湾人の両親を持ちながら日本に育った著者。 年齢を経るごとに、親の日本語が不自由なことに気付いたり、台湾と中国の関係を学ぶにつれ、自分の立脚点の不安定さに気付いていく様子が丁寧に綴られる。 「台湾から日本。日本と中国。中国にとっての台湾・・・ 日本育ちの台湾人にとして中国にいるという自分を自覚すればするほど、三つの国々の間での自分の位置がわからなくなってきてしまう・・・」 漢字という共通の表記を用いるからこそ生じる混乱も、日台あるいは日中間特有の問題か。便利なようで複雑だ。 「「又柔」という漢字をはさんだこちら側には、”ユウジュウ”と呼ばれる自分がいて、あちら側には、”Yourou"として生きている彼女がいる。」 平野啓一郎ではないが、「分人」の発想を素直に取り入れて、割り切れる器用さがあればよかったのか? それでも容易に解決される問題でもないのだろう。最終的には、言葉を操る、作家という職業に就くことになる著者ゆえの、言語を軸にした様々な葛藤、見極め、苦悩、割り切りが、成長の過程に沿って語られていく。やがて、 「いろんな人がいるからいろいろな声があるのではなく、一人一人の中にいろいろな声があるのである。だから、祖国という幻想にしがみついても仕方がない。」 という所属に関しての呪縛は、「個」にとっては問題ではないという境地に達し、あとは己でどの言語を「母語」として普段使いしマスターしていくかということになる。それでも、 「わたしには、母語と母国語というふたつの言語の間でどちらの杖も掴み損ねて、一人うずくまっているかのような由ヒの姿が目に浮かび、他人事とは思えませんでした。」 と煩悶は続く。 読んでいて、母語だの母国語といった言葉の問題ではなく、己のIdentityを人は、如何にして獲得していくかの過程の物語なんだなと思った。やがて著者は、 「こんな名前だけれど、わたしは、中国語がへたな、日本語しかできない台湾人なんですよ」 と、「少しおどけながら」受け答えができるようになる。そして、言葉はあくまで道具、何語を語るかは己のIdentityではないと悟っていく(無関係ではないのだけどね)。 「あなたを育みつつあることばが、あなたのことを支えはしても、あたなを貶めるようなことが決してありませんように。ことばに縛られるのではなく、ことばによってあなたを解き放つことができますように。」
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