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ロシア正教古儀式派の歴史と文化 世界歴史叢書
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ロシア正教古儀式派の歴史と文化 世界歴史叢書

阪本秀昭(著者), 中澤敦夫(著者)

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ロシア正教古儀式派の歴史と文化 世界歴史叢書

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 明石書店
発売年月日 2019/01/31
JAN 9784750347868

ロシア正教古儀式派の歴史と文化

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2025/02/14

中世ロシアと古儀式派 - 古儀式派の起源: 16世紀初頭、ロシア正教会はモスクワを第三のローマと位置づけ、正教の盟主としての役割を果たすべきとの考えが広がった。 - 教会儀礼の変化: ロシアの教会儀礼は、正教の本家であるギリシアから大きく逸脱していく。改革の必要性を認識した結果、...

中世ロシアと古儀式派 - 古儀式派の起源: 16世紀初頭、ロシア正教会はモスクワを第三のローマと位置づけ、正教の盟主としての役割を果たすべきとの考えが広がった。 - 教会儀礼の変化: ロシアの教会儀礼は、正教の本家であるギリシアから大きく逸脱していく。改革の必要性を認識した結果、二つの方向性(モスクワの儀礼に従うか、ギリシア様式に戻すか)が生じた。 教会分裂の経緯 - ロシア正教会の分裂: 17世紀にロシア正教会の分裂が起こり、国家の再建の支柱としての役割を果たした。モスクワ総主教ゲルモゲンのリーダーシップにより、民衆が義勇軍を結成し、外国勢力の干渉を排除した。 - ニコニア改革: アレクセイ・ミハイロヴィチのもとで、教会改革が進められ、ニコニア派が形成された。 古儀式派の発展 - 古儀式派の組織化: 1849年以降、古儀式派の監督区が設立され、ベロクリニッキー派が最大の宗派となる。情勢の変化により、古儀式派は大資本の支援を受けることとなった。 - 政府との対立: 古儀式派の主教に対する弾圧は1850年代から始まり、革命後も続く。特にソビエト政権下での弾圧は厳しく、多くの主教が弾圧され、教会の数は激減した。 古儀式派と社会 - 禁欲主義と経済活動: 古儀式派の信徒は、外部世界との遮断を強固にし、共同体内での協力を重視した。商業活動は信徒間の信用供与によって展開され、結果的に経済的成功を収めた。 - 家庭制度と社会的背景: 古儀式派の家庭は大家族制を持ち、教育や商業的活動にも特徴が見られる。信徒は神によって選ばれた存在と考え、宗教的優位を意識する。 ロシア革命と古儀式派 - レーニンと古儀式派: ロシア社会民主労働党の分岐と古儀式派の関わりが深く、特にレーニンは古儀式派を民主化の同盟者と見なしていた。 - 教会弾圧の具体例: 一例として1922年のシューヤの事件があり、教会財産の没収を巡って信徒との衝突が起こった。 現代の古儀式派 - 移住と定住: 古儀式派信徒はアジアや南北アメリカ、オセアニアなどに移住し、コミュニティを形成している。 - 文化的アイデンティティ: 移住先でも伝統的な生活様式を保持しており、信徒同士の結束が強いことが特徴である。 結論 本書では、古儀式派の歴史的背景、国家との関係、社会における役割、現代における状況が詳細に論じられており、古儀式派の持つ独自の文化的アイデンティティとその変遷が強調されている。古儀式派は、ロシア正教会の中で特異な地位を占め、歴史を通じて様々な挑戦を受けながらも、その信仰を維持し続けてきたことが明らかにされている。

Posted by ブクログ

2024/08/15

ドストエフスキーの解説書などでも時折意味深げに登場する「分離派」という言葉。 「分離派」というのは「古儀式派」の法律的な用語としてロシアでは使われていたようで、「分離派」と「古儀式派」はほぼ同義として用いてもよさそうです。 そしてこの本によりますと、これまで古儀式派について詳...

ドストエフスキーの解説書などでも時折意味深げに登場する「分離派」という言葉。 「分離派」というのは「古儀式派」の法律的な用語としてロシアでは使われていたようで、「分離派」と「古儀式派」はほぼ同義として用いてもよさそうです。 そしてこの本によりますと、これまで古儀式派について詳しく書かれた参考書が日本を含めて世界的にもずっとなかったというのが現状だったようです。 というのもソ連政権下では宗教に関する研究はタブー視され、特にロシア正教会から異端視された古儀式派に対しては特にそのような風潮が強かったとこの本では述べられています。 しかしソ連の崩壊後、研究は急速に進み、今では多くの研究者が古儀式派についての研究成果を発表しています。 この本ではそんな近年急速に研究が進んだ古儀式派についてわかりやすく概説してくれます。 古儀式派とはそもそも何なのかを知るには最適な書です。 単に教義上の問題だけではなく、政治上の問題や歴史や文化の問題、そして何よりドストエフスキーら文学者への影響もこの本は解説してくれていますので非常に興味深いです。

Posted by ブクログ

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