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ロシア正教古儀式派の歴史と文化 の商品レビュー

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2024/08/15

ドストエフスキーの解説書などでも時折意味深げに登場する「分離派」という言葉。 「分離派」というのは「古儀式派」の法律的な用語としてロシアでは使われていたようで、「分離派」と「古儀式派」はほぼ同義として用いてもよさそうです。 そしてこの本によりますと、これまで古儀式派について詳...

ドストエフスキーの解説書などでも時折意味深げに登場する「分離派」という言葉。 「分離派」というのは「古儀式派」の法律的な用語としてロシアでは使われていたようで、「分離派」と「古儀式派」はほぼ同義として用いてもよさそうです。 そしてこの本によりますと、これまで古儀式派について詳しく書かれた参考書が日本を含めて世界的にもずっとなかったというのが現状だったようです。 というのもソ連政権下では宗教に関する研究はタブー視され、特にロシア正教会から異端視された古儀式派に対しては特にそのような風潮が強かったとこの本では述べられています。 しかしソ連の崩壊後、研究は急速に進み、今では多くの研究者が古儀式派についての研究成果を発表しています。 この本ではそんな近年急速に研究が進んだ古儀式派についてわかりやすく概説してくれます。 古儀式派とはそもそも何なのかを知るには最適な書です。 単に教義上の問題だけではなく、政治上の問題や歴史や文化の問題、そして何よりドストエフスキーら文学者への影響もこの本は解説してくれていますので非常に興味深いです。

Posted byブクログ