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ムーンナイト・ダイバー 文春文庫
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ムーンナイト・ダイバー 文春文庫

天童荒太(著者)

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ムーンナイト・ダイバー 文春文庫

704

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 文藝春秋
発売年月日 2019/01/04
JAN 9784167912055

ムーンナイト・ダイバー

¥704

商品レビュー

3.7

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2026/08/12

 東日本大震災後、立ち入ることすらできなくなった区域の海に潜るダイバーの話です。  主人公は、東日本大震災で両親と兄を亡くした男性。あの震災から四年半という時間が過ぎて、彼はダイビングショップでインストラクターとして働いている。ただ、彼は月に一度か二度、特殊な依頼を受けてとある...

 東日本大震災後、立ち入ることすらできなくなった区域の海に潜るダイバーの話です。  主人公は、東日本大震災で両親と兄を亡くした男性。あの震災から四年半という時間が過ぎて、彼はダイビングショップでインストラクターとして働いている。ただ、彼は月に一度か二度、特殊な依頼を受けてとある海に潜る。陸上では検問が設けられ、厳密に滞在時間も制限され、捜索も重機による片付けも行えず、周囲に置き去りにされた地域。月の明るい夜にだけ、彼は船に乗って海から近付き、そこに潜る。沈んだ家屋、ひっくり返った自動車、まるで誰かが集めたかのように同じ場所から見つかるたくさんの靴、そして指輪――数々の品を持ち帰り、時には写真に収め、そうして潜りながら彼は自らの中にある問いへの答えを探していく。  暗い夜の海の深淵を覗くような、静かな物語でした。あの震災の前と後では決定的に違ってしまった人生を、生き残った人たちが生きていくこれからを、考えさせられるお話でした。あの日ニュースで流れた光景は、忘れることはできません。あの時見た景色が、まだ海の中に残っている。そう思うと、静かな調子の文章が、ただ静かなだけではないように感じられて、ゆらめく深い海を覗いているようでした。  私はダイビングの経験もなく、海での漁がどういうものかもよくは知りません。ですが、丁寧な描写と細かな手順まで淡々と書いて下さっているため、人が海に潜るというのがどういうことなのか想像することができました。  身の竦む恐怖、身が引き裂かれんばかりの悲しみ、煮えくり返るような怒り、やみくもに叫びたくなるのに、その叫びがどこにも届かない虚しさに崩れ落ちそうになって、何故だ、何でだ、と思わず零れる言葉と涙。これは、あの海辺の町にいた人々の、リアルな感情なのだろうと思うと胸が苦しかったです。物語全体の文章は感情を揺さぶるような情動的な描き方がされていないからこそ、深く、重く、そのことが刻まれていることが伝わるようでした。  この物語の人物たちが、この後どういう終着点に向かっていくのかは多分に想像の余地がある終わり方でした。それでいいと思いますし、それがいいとも思います。生き残ってしまったことに罪悪感を覚えながら必死に毎日を生きている人がいる。それはきっと今でも。それでも目を逸らさずにいれば、いつか答えが見つかることもある。そんなことを思う一冊でした。  静かな月に照らされた夜の海で生きることについて考えさせられる物語でした。

Posted by ブクログ

2026/07/03

鎮魂の物語。面白い設定で、表紙買い。なぜどうして自分が?という生きている罪悪感といかに手に取り合い前を向いていけるかを震災の遺品を拾い集めることを通して、答えを見つけに行く話。明確な答えは見つけられないけれど、罪悪感を鎮めること、生を全うすることの両方を抱えて生きていくことしかで...

鎮魂の物語。面白い設定で、表紙買い。なぜどうして自分が?という生きている罪悪感といかに手に取り合い前を向いていけるかを震災の遺品を拾い集めることを通して、答えを見つけに行く話。明確な答えは見つけられないけれど、罪悪感を鎮めること、生を全うすることの両方を抱えて生きていくことしかできないと思わせてくれる物語でした。

Posted by ブクログ

2026/06/08

ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず。 人が生きるとはそういうことなんだろう ワクワク7 展開8 読後9 再読7 構成9 学び8 文表現9 人物8 深み9 余韻8 合計:82/100

Posted by ブクログ

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