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カムパネルラ版 銀河鉄道の夜
1,650円
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 河出書房新社 |
発売年月日 | 2018/12/14 |
JAN | 9784309027678 |
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カムパネルラ版 銀河鉄道の夜
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商品レビュー
3.4
27件のお客様レビュー
宮沢賢治の妹想いは元恋人とリンクしていると知り他著の本で何故妹に恋しているような文章、詩なのだろうとシスコンなのかもと疑っていた謎が解けた。史実かどうかはわからないし、詩の内容や表現はどの作品においても全然理解できないので著者の解説だけでは信用してはいけないだろうが。春と修羅から...
宮沢賢治の妹想いは元恋人とリンクしていると知り他著の本で何故妹に恋しているような文章、詩なのだろうとシスコンなのかもと疑っていた謎が解けた。史実かどうかはわからないし、詩の内容や表現はどの作品においても全然理解できないので著者の解説だけでは信用してはいけないだろうが。春と修羅から引用しての解説が多い。 そしてカムパネルラ側の銀河鉄道の話は面白く読めたがカムパネルラの恋は何を言いたいのか理解できず文章を追っているだけで内容も把握せず読了。 この本を読みながら当時学生だった頃に銀河鉄道の夜が家に置いてあり、暇さえあれば何度でも読んでいたけど、今では読み返しするより多作品を多く読みたいと貪欲に読んでいるけど、思い出す事がほとんどない。好きな本を何度も読んでいた当時を思い出しその当時の状況も一気に甦って読み返しによって得るものもある事を実感する。
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もっともっと宮沢賢治さんについて知らないと、この本については語れないのだろうと思う。 カムパネルラの恋については、ちょっと余計な知識を入れてしまったという気持ちになってしまった。 でも銀河鉄道の夜まではとても楽しめたし、そういうものかとも思った。 宮沢賢治さんの宇宙や暗闇はとても...
もっともっと宮沢賢治さんについて知らないと、この本については語れないのだろうと思う。 カムパネルラの恋については、ちょっと余計な知識を入れてしまったという気持ちになってしまった。 でも銀河鉄道の夜まではとても楽しめたし、そういうものかとも思った。 宮沢賢治さんの宇宙や暗闇はとても広くて、天の川に流されそうになるけど、ジョバンニとカンパネルラのつながりはやっぱり胸が痛いほど、と痛切に思った。 知りたくないことまで書いてあることは、まあほぼ忘れてしまおうと思える。 ただもっと宮沢賢治さんの世界を旅したいと思った。 皆さん仰っているけど、装丁は宮沢賢治さんの世界を思い描くのに十分すぎるほどで最高だと思う。
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題名と表紙のjunaidaに惑わされたかもしれない。 これは「カムパネルラ版」というよりは、「中原中也版」というべきだし、もっと言えば「長野まゆみ語りの」というべきだと思う。 大きな図書館を逍遥すれば承知すると思われるが、宮沢賢治研究書は、一つの棚を埋めるほどにはある。宮沢賢治...
題名と表紙のjunaidaに惑わされたかもしれない。 これは「カムパネルラ版」というよりは、「中原中也版」というべきだし、もっと言えば「長野まゆみ語りの」というべきだと思う。 大きな図書館を逍遥すれば承知すると思われるが、宮沢賢治研究書は、一つの棚を埋めるほどにはある。宮沢賢治大好き文学者の草分けの長野まゆみ著書を初めて読んだけど、正に最新の読者が食いつきそうな話題を、「銀河通信記者」として変化球を使いながら綴った本だった。 カンパネルラ主観の文章がほとんどないのである。もしあったとしても、カンパネルラの気持ちの描写が極端に少ないのである。 賢治先生の〔カンパネルラの恋〕という鉛筆の走り書きは、ぼくに託された遺言に違いないと思う(74p) そう呟くカンパネルラは、ほとんど長野まゆみ自身の呟きだ。あの夜に、お父さんをどう思っていたのか、ザネリをどう思っていたのか、一緒に座っているジョンバンニの事さえ、まるで他人事のように解説している。一応、目新しい「カムパネルラの恋」についての種明かしをしているけれども、少年らしいドキドキする恋心なんて一言も描かれていない。 しかも、全体220ページの1/3は中原中也の語りだった。こちらの言葉は生き生きしている。彼の詩は好きだけれども、私は彼のことをそれほど詳しくはないので、本来カンパネルラが主人公のこの本で「通信障害」をたびたび度々起こしてまで介入するような「性格」だったかは自信がない。 結局ネタバレになるけど、この本は、宮沢賢治の四度の恋のうち(私の知っているのは最初の恋だけだったけど)、ストーカー行為まで起こして引きずった二番目の恋の顛末が、銀河鉄道の夜にまで色濃く影響させているということを述べた長野まゆみの「解説書」だった。 確かに「春と修羅」の「よくわからない部分」を読み解けば、そう思えるのかもしれない。だけど、鬼の首を取ったように「恋」と言ってしまって良いんだろうか?などとぼくは思う。異様に賢治に詳しい中也さんでさえ、失恋するまでの賢治の恋がどのように始まり、どう展開したのか、具体的には述べていないじゃないか。せっかく霊界から中也を召喚したんだから、もっと想像を膨らませてもよかったんじゃないか? ここでも言及されているように、賢治に女心はわからない(←キッパリ)。「現代的な恋」じゃないと思う。私は手も握ってはないと思う。中原中也を召喚するのはやりすぎだし、カンパネルラには謝ってほしぐらいだった。 ところどころ、最新研究成果が出ていて、正否はとも角、メモしておきたい。 ◯「春と修羅 一本木野」より 三日月がたのくちびるのあとで 肘やずぼんがいっぱいになる ←一昨年に「美しき小さな雑草の花図鑑」レビューで取り上げた「あれちのぬすびとはぎ」のことを「三日月型の唇」の表現した賢治にビックリ!大正年間に既に東北の荒地に蔓延していたのか。 ◯「春と修羅 補遺 青森挽歌」より その藍いろの夕方の雪のけむりの中で 黒いマントの女の人に遭った 白い顎ときれいな歯 ←これは賢治の妹のトシさんだそうです。 ◯椋鳥をモズと間違えて書いたり、ところどころ、賢治さんのうっかりミスも、今では全部わかってるようだ。でも清書前のメモみたいな詩に赤線をいれるなんて、研究者はなんて酷いやつなんだろ。 ◯中原中也(長野まゆみ)は、賢治の農学校時代に、恋した彼女とイギリス海岸まで歩いて行ったと推理している。(「春と修羅 林と思想」「冬のスケッチ」「春と修羅第二集158北上川は英気をながしぃ」)←そう読めば読めなくもない。というぐらいの読解。 ◯「さすがカムパネルラは賢い少年だ。宮沢の分身だけある」(157p)←つまり中原中也(長野まゆみ)は、カムパネルラを宮沢賢治の分身と見ている(後半ではジョバンニと一体だとも言っている)。カムパネルラ=妹のトシ、或いは親友の保坂嘉内説は、本書には一顧だにもされていない。その根拠についての説明もない。私はどちらかと言うと、後者の方が現実味があるとおもっていたのだが。 ◯昭和6年頃、賢治には友だちの妹とお見合い話があった。そのためにわざわざ東京まで行ったようだけど、見事に断られたぽい。これは初めて知った。けれども友だちの佐藤隆房の話が真実ならば事実なんだろ。でも、これも普通にある友だち紹介彼女の話に過ぎない。 かなさんのレビューで本書の存在知りました。賢治研究の現在地がわかった気がします。
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