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カムパネルラ版 銀河鉄道の夜 の商品レビュー

3.4

27件のお客様レビュー

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2024/09/18

宮沢賢治の妹想いは元恋人とリンクしていると知り他著の本で何故妹に恋しているような文章、詩なのだろうとシスコンなのかもと疑っていた謎が解けた。史実かどうかはわからないし、詩の内容や表現はどの作品においても全然理解できないので著者の解説だけでは信用してはいけないだろうが。春と修羅から...

宮沢賢治の妹想いは元恋人とリンクしていると知り他著の本で何故妹に恋しているような文章、詩なのだろうとシスコンなのかもと疑っていた謎が解けた。史実かどうかはわからないし、詩の内容や表現はどの作品においても全然理解できないので著者の解説だけでは信用してはいけないだろうが。春と修羅から引用しての解説が多い。 そしてカムパネルラ側の銀河鉄道の話は面白く読めたがカムパネルラの恋は何を言いたいのか理解できず文章を追っているだけで内容も把握せず読了。 この本を読みながら当時学生だった頃に銀河鉄道の夜が家に置いてあり、暇さえあれば何度でも読んでいたけど、今では読み返しするより多作品を多く読みたいと貪欲に読んでいるけど、思い出す事がほとんどない。好きな本を何度も読んでいた当時を思い出しその当時の状況も一気に甦って読み返しによって得るものもある事を実感する。

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2024/01/01

もっともっと宮沢賢治さんについて知らないと、この本については語れないのだろうと思う。 カムパネルラの恋については、ちょっと余計な知識を入れてしまったという気持ちになってしまった。 でも銀河鉄道の夜まではとても楽しめたし、そういうものかとも思った。 宮沢賢治さんの宇宙や暗闇はとても...

もっともっと宮沢賢治さんについて知らないと、この本については語れないのだろうと思う。 カムパネルラの恋については、ちょっと余計な知識を入れてしまったという気持ちになってしまった。 でも銀河鉄道の夜まではとても楽しめたし、そういうものかとも思った。 宮沢賢治さんの宇宙や暗闇はとても広くて、天の川に流されそうになるけど、ジョバンニとカンパネルラのつながりはやっぱり胸が痛いほど、と痛切に思った。 知りたくないことまで書いてあることは、まあほぼ忘れてしまおうと思える。 ただもっと宮沢賢治さんの世界を旅したいと思った。 皆さん仰っているけど、装丁は宮沢賢治さんの世界を思い描くのに十分すぎるほどで最高だと思う。

Posted byブクログ

2023/11/08

題名と表紙のjunaidaに惑わされたかもしれない。 これは「カムパネルラ版」というよりは、「中原中也版」というべきだし、もっと言えば「長野まゆみ語りの」というべきだと思う。 大きな図書館を逍遥すれば承知すると思われるが、宮沢賢治研究書は、一つの棚を埋めるほどにはある。宮沢賢治...

題名と表紙のjunaidaに惑わされたかもしれない。 これは「カムパネルラ版」というよりは、「中原中也版」というべきだし、もっと言えば「長野まゆみ語りの」というべきだと思う。 大きな図書館を逍遥すれば承知すると思われるが、宮沢賢治研究書は、一つの棚を埋めるほどにはある。宮沢賢治大好き文学者の草分けの長野まゆみ著書を初めて読んだけど、正に最新の読者が食いつきそうな話題を、「銀河通信記者」として変化球を使いながら綴った本だった。 カンパネルラ主観の文章がほとんどないのである。もしあったとしても、カンパネルラの気持ちの描写が極端に少ないのである。 賢治先生の〔カンパネルラの恋〕という鉛筆の走り書きは、ぼくに託された遺言に違いないと思う(74p) そう呟くカンパネルラは、ほとんど長野まゆみ自身の呟きだ。あの夜に、お父さんをどう思っていたのか、ザネリをどう思っていたのか、一緒に座っているジョンバンニの事さえ、まるで他人事のように解説している。一応、目新しい「カムパネルラの恋」についての種明かしをしているけれども、少年らしいドキドキする恋心なんて一言も描かれていない。 しかも、全体220ページの1/3は中原中也の語りだった。こちらの言葉は生き生きしている。彼の詩は好きだけれども、私は彼のことをそれほど詳しくはないので、本来カンパネルラが主人公のこの本で「通信障害」をたびたび度々起こしてまで介入するような「性格」だったかは自信がない。 結局ネタバレになるけど、この本は、宮沢賢治の四度の恋のうち(私の知っているのは最初の恋だけだったけど)、ストーカー行為まで起こして引きずった二番目の恋の顛末が、銀河鉄道の夜にまで色濃く影響させているということを述べた長野まゆみの「解説書」だった。 確かに「春と修羅」の「よくわからない部分」を読み解けば、そう思えるのかもしれない。だけど、鬼の首を取ったように「恋」と言ってしまって良いんだろうか?などとぼくは思う。異様に賢治に詳しい中也さんでさえ、失恋するまでの賢治の恋がどのように始まり、どう展開したのか、具体的には述べていないじゃないか。せっかく霊界から中也を召喚したんだから、もっと想像を膨らませてもよかったんじゃないか? ここでも言及されているように、賢治に女心はわからない(←キッパリ)。「現代的な恋」じゃないと思う。私は手も握ってはないと思う。中原中也を召喚するのはやりすぎだし、カンパネルラには謝ってほしぐらいだった。 ところどころ、最新研究成果が出ていて、正否はとも角、メモしておきたい。 ◯「春と修羅 一本木野」より 三日月がたのくちびるのあとで 肘やずぼんがいっぱいになる ←一昨年に「美しき小さな雑草の花図鑑」レビューで取り上げた「あれちのぬすびとはぎ」のことを「三日月型の唇」の表現した賢治にビックリ!大正年間に既に東北の荒地に蔓延していたのか。 ◯「春と修羅 補遺 青森挽歌」より その藍いろの夕方の雪のけむりの中で 黒いマントの女の人に遭った 白い顎ときれいな歯 ←これは賢治の妹のトシさんだそうです。 ◯椋鳥をモズと間違えて書いたり、ところどころ、賢治さんのうっかりミスも、今では全部わかってるようだ。でも清書前のメモみたいな詩に赤線をいれるなんて、研究者はなんて酷いやつなんだろ。 ◯中原中也(長野まゆみ)は、賢治の農学校時代に、恋した彼女とイギリス海岸まで歩いて行ったと推理している。(「春と修羅 林と思想」「冬のスケッチ」「春と修羅第二集158北上川は英気をながしぃ」)←そう読めば読めなくもない。というぐらいの読解。 ◯「さすがカムパネルラは賢い少年だ。宮沢の分身だけある」(157p)←つまり中原中也(長野まゆみ)は、カムパネルラを宮沢賢治の分身と見ている(後半ではジョバンニと一体だとも言っている)。カムパネルラ=妹のトシ、或いは親友の保坂嘉内説は、本書には一顧だにもされていない。その根拠についての説明もない。私はどちらかと言うと、後者の方が現実味があるとおもっていたのだが。 ◯昭和6年頃、賢治には友だちの妹とお見合い話があった。そのためにわざわざ東京まで行ったようだけど、見事に断られたぽい。これは初めて知った。けれども友だちの佐藤隆房の話が真実ならば事実なんだろ。でも、これも普通にある友だち紹介彼女の話に過ぎない。 かなさんのレビューで本書の存在知りました。賢治研究の現在地がわかった気がします。

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2023/10/20

 この装丁…すごくよくないですか??さすが、junaidaさん!!あまりに美しくて見ているだけで、うっとりできます(*´▽`*)。で、裏表紙もきちんと見ましょう!ジョパンニとカンパネルラらしい少年が、シンメトリーチックに描かれてます。この作品の答えはここにありました!!  で、...

 この装丁…すごくよくないですか??さすが、junaidaさん!!あまりに美しくて見ているだけで、うっとりできます(*´▽`*)。で、裏表紙もきちんと見ましょう!ジョパンニとカンパネルラらしい少年が、シンメトリーチックに描かれてます。この作品の答えはここにありました!!  で、装丁に惹かれたこともあるけれど、せっかく宮沢賢治さんの「銀河鉄道の夜」を読んだので、この作品も読みたくなったんです。「銀河鉄道の夜」の主人公であるジョパンニではなく、その友人で一緒に銀河を旅することになったカンパネルラがこの作品を掘り下げて解説します。ここで、注意したいのは、カンパネルラが主人公のお話にした…ということではないんです。私はそれを期待してこの作品を手にしましたが、でももしそうなら、結局は別のお話になってしまうわけで…なら、このスタイルでよかったのかもと…考え直しました。  この作品は、カンパネルラとカンパネルラに取材する記者の視点、そして取材に割り込む(電波障害で)中原宙(中)也さんが、宮沢賢治さんの特に恋愛事情も絡めた解説をしてくれます。宮沢賢治さんが遺した別の作品をもとに、紐解くのですが、読み始めはちょっと混乱しましたねぇ…。でも、新たにわかったこととかもあったりもしました!そして後半は「カンパネルラの恋」なんですが、宮沢賢治さんの恋愛遍歴は、「銀河鉄道の夜」のこの部分にあらわれているのではないか…みたいな感じでした。この作品だけ読んでいたらすぐに図書館に返却していたかな…前もって宮沢賢治さんの「銀河鉄道の夜」を読んでからでよかったです。

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2023/01/04

カムパネルラが語りなおす、というよりも、中原宙也の電波妨害の方が気になった。 宮沢賢治の恋にはそれほど興味をひかれなかったし、もう少し「小説」であったらなあ、という読後感だった。

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2023/01/03

作者は「本」も好きなのでしょうが、その本の作者にすごく興味があるのでしょうね。 銀河鉄道の夜や宮沢賢治の研究をまとめた本という感じで、ストーリーとして楽しむのは少し難しいように感じましたが、興味深かったです。

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2022/08/31

本屋で表紙に一目惚れ しかし!中身が!めちゃめちゃに難しかったです!! 銀河鉄道の夜の解説本のような内容でした… 明治、大正時代の方の文章はまだ読みづらい、いつか理解できるかしら?

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2022/07/01

銀河鉄道の夜の別視点、というよりはカムパネルラというキャラクターを通じて、作者である宮沢賢治さんの人生、人物像を読み解くといった内容だった。 銀河鉄道の夜のスピンオフかと思ったが、それとはまた別物。スピンオフを期待して手に取った人にとっては少し残念かもしれないが、“宮沢賢治”とい...

銀河鉄道の夜の別視点、というよりはカムパネルラというキャラクターを通じて、作者である宮沢賢治さんの人生、人物像を読み解くといった内容だった。 銀河鉄道の夜のスピンオフかと思ったが、それとはまた別物。スピンオフを期待して手に取った人にとっては少し残念かもしれないが、“宮沢賢治”という人物が好きな人にとっては、興味深い文献だと思う。 何よりも長野まゆみさんの賢治さんへの愛を感じられて面白かった。

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2021/08/13

 中島京子の作品で、田山花袋の奥さんの視点から「蒲団」を書きなおした「futon」という傑作がある。ちょっとそれを期待した。視点が変わるだけで、全く別の世界が見えてくるから。  カバーが最近いろんな本の表紙になってるjunaidaで美しいし、銀河鉄道の夜は、夏になると繰り返し読む...

 中島京子の作品で、田山花袋の奥さんの視点から「蒲団」を書きなおした「futon」という傑作がある。ちょっとそれを期待した。視点が変わるだけで、全く別の世界が見えてくるから。  カバーが最近いろんな本の表紙になってるjunaidaで美しいし、銀河鉄道の夜は、夏になると繰り返し読むし。長野まゆみを読んだことないけど、これだけは興味をもって読んでみた。    全然違った。  確かにカムパネルラが語ってはいるけれど、ときどき中原中也が入りこんで邪魔するという、戸惑う設定。先行する小説があるのかな? なかなか物語に入りこみづらい。    銀河鉄道の夜の世界観を通して、作者である宮沢賢治の人間像に迫ろうとする小説みたいだ。中原中也がちょいとちょい挟んでくる宮沢賢治の人間臭さが面白かった。好きだった女性が結婚してしまったあとも、未練がましく新居まで押しかけるなんてエピソード、ただのストーカーじゃん!  面白いけど、なんだか自分がゴシップネタを喜んで読んでいる人みたいになってしまった。そこを期待してたわけじゃないんだけど…って感じ。    カムパネルラ版銀河鉄道の夜というよりは、中原中也版銀河鉄道の夜、だった。  カムパネルラが死なないバージョンがあるというのは有名な話で、伊与原新の「青ノ果テ」という高校生が主人公の青春小説でも、その辺の詳しい経緯はわかる。  どっちかというと、こっちの方がお薦め。

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2020/09/30

カムパネルラが「銀河鉄道の夜」について語りなおすのではなく、カムパネルラ、通信局、中原中也が、「銀河鉄道の夜」と他の作品(「春と修羅」)賢治の為人について考察する。という内容。 銀河鉄道の夜を深く解釈することや、宮沢賢治について理解することなどにつながる一冊。特に、中原中也(宙也...

カムパネルラが「銀河鉄道の夜」について語りなおすのではなく、カムパネルラ、通信局、中原中也が、「銀河鉄道の夜」と他の作品(「春と修羅」)賢治の為人について考察する。という内容。 銀河鉄道の夜を深く解釈することや、宮沢賢治について理解することなどにつながる一冊。特に、中原中也(宙也)の意見が面白い。

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