商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2018/06/29 |
JAN | 9784103519416 |
- 書籍
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星夜航行(上巻)
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星夜航行(上巻)
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沢瀬甚五郎は徳川家を出奔する。 家康の長男信康付の小姓となるも、家康の命により主君は自害。追腹を切った同朋追善の為に出家するが、後に商人となって堺、薩摩、博多へと変転の人生を送る。しかし、天下統一を成し遂げた秀吉の政略が、甚五郎のみならず日本中の人々を、やがて朝鮮やフィリピンの人...
沢瀬甚五郎は徳川家を出奔する。 家康の長男信康付の小姓となるも、家康の命により主君は自害。追腹を切った同朋追善の為に出家するが、後に商人となって堺、薩摩、博多へと変転の人生を送る。しかし、天下統一を成し遂げた秀吉の政略が、甚五郎のみならず日本中の人々を、やがて朝鮮やフィリピンの人々までも飲み込んでいく。 物語は、沢瀬甚五郎を主軸としつつ朝鮮と日本の間で翻弄される対馬島主宗氏や、阿蘇大宮司家を主君と仰ぐ肥後国人衆、日本との貿易で利益をあげるポルトガル人、ひたすら神の教えを伝えようとする修道士など、多彩な人々の生き様を描いていく。 絶対的な権力を手中にし、朝鮮と明を服属•支配するという秀吉の無謀な夢が、数多の命を死と荒廃の坩堝の中に投げ込む様はまるで悪夢だ。だがふと振り返れば、私たちは同じ悪夢をウクライナの地で見せられているのかもしれない。
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飯嶋和一の「星夜航行」を読み終えました。 ハードカバーの本をベッドで読むのは難しいですね。 でも、読み進めるうち、そんなこと言ってられないくらいひきづりこまれました。 会話部分も極端に少なく、硬い文章で森鷗外の読んでいるような気がしました。 舞台は戦国、徳川家康の長男・信康...
飯嶋和一の「星夜航行」を読み終えました。 ハードカバーの本をベッドで読むのは難しいですね。 でも、読み進めるうち、そんなこと言ってられないくらいひきづりこまれました。 会話部分も極端に少なく、硬い文章で森鷗外の読んでいるような気がしました。 舞台は戦国、徳川家康の長男・信康の小姓として側そばに仕えた沢瀬甚五郎は 罪無くして故郷を追われ、堺、薩摩、博多、呂宋の地を転々とする。 海商人として一家を成した頃、秀吉の朝鮮・明国への無謀な侵略に否応なく巻き込まれる。 この本ではかなりの部分をさいて小西行長、加藤清正ら秀吉軍の 傍若無人な侵略も様子が丁寧に描かれている。 『この戦乱で最も苦しんでいるのは、衆生、下々の民である。この朝鮮でも、日本でも、 恐らく明国でも、最も厄災をこうむるのは、いずこによらず民草なのだ。 この秀吉が起こした戦乱によって、親兄弟を殺され、夫や妻や子をうしない、 疫病は蔓延して皆飢餓に瀕している。』 九年の歳月を費やして書かれたこの小説は飯嶋和一の代表作になったことに間違いない。 近年の作家の中では出色の作家だと思う。
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歴史は勝者の視点で語られがちであり、大河ドラマやゲームだけで歴史を知ったつもりになってはいけない。謀反を企てたとして死んだ家康の嫡男に仕えていた主人公の甚五郎から見た、歴史の勝者による愚挙の数々がこの小説からは語られる。特に第二部での朝鮮出兵のきっかけからの下りには、こんなことで...
歴史は勝者の視点で語られがちであり、大河ドラマやゲームだけで歴史を知ったつもりになってはいけない。謀反を企てたとして死んだ家康の嫡男に仕えていた主人公の甚五郎から見た、歴史の勝者による愚挙の数々がこの小説からは語られる。特に第二部での朝鮮出兵のきっかけからの下りには、こんなことでいいのかと頭を抱えたくなる。ボリュームのある物語の半分が終わったばかりで、この後は一体何が語られるというのか。頑張って読もう。
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