商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 亜紀書房 |
発売年月日 | 2018/05/24 |
JAN | 9784750515328 |
- 書籍
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ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと
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ありがとうもごめんなさいもいらない森の民と暮らして人類学者が考えたこと
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商品レビュー
3.7
43件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
タイトルの通りの内容なので、「ルポルタージュ」ではないかも。何に分類したらいいのかわからない。エッセイでもないし。とにかくタイトルの通り、人類学者の著者が、プナンというボルネオ島に住む人々に密着して気づいたことを、ニーチェの哲学と織り交ぜて、そもそも人間とは、生きるとは何なのか、現代人の、文明的な生活が本来あるべき人間の姿なのか?と考察しながら書いている。 ちょっとニーチェの引用が難しすぎて読むのに時間がかかってしまったが全体的には面白かった。 プナンは定住することも、家や土地を所有することもなく、森のなかをうろつき、狩猟採集をして暮らす。子どもは学校に行かない。そもそも所有するという概念がなく、あるものはみんなで分かち合う。人よりも高い能力を獲得して優位に立つとか、豊かになりたいという欲求もない。 人間はいつからそのような欲求をもつようになったのか? プナンの生き方が文明的でないとか、人間らしくないと言えるのか? トイレで排泄するという習慣もない! 著者が何かを持って彼らのコミュニティーを訪問すれば、当然のようにそれをみんなのものとし、ありがとうもなく、壊してもごめんなさいもない。 とっても興味深いですな。 最後の方で、年に何度か訪問していたのにコロナで数年あいて再訪したとき、スマホとWi-Fiが導入されていたっていうくだりもかなり面白かった。 プナンはそんなものに興味をもたないかと思ったら、マレーシア政府の政策?で無料で配られたスマホとWi-Fiを駆使して、彼らはエロ動画を見ていた笑!文字の読み書きができないので、音声チャットで獲物がどこでとれるかという情報をやりとりしたり。 ニーチェは難しくても、知らない世界を覗き見られるという読書の楽しみを存分に与えてくれる一冊でした。
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文化人類学をイメージするのに最良の入門書かもしれない。著者の具体的な経験や観察と文化人類学の学問的知見が、内容的にも文章的にも無理なく接続・展開されていて、とても面白く読める。プナンの人々の暮らしを経験することで、今の自分たちの暮らしの常識や価値観が相対化される様を、ニーチェの思...
文化人類学をイメージするのに最良の入門書かもしれない。著者の具体的な経験や観察と文化人類学の学問的知見が、内容的にも文章的にも無理なく接続・展開されていて、とても面白く読める。プナンの人々の暮らしを経験することで、今の自分たちの暮らしの常識や価値観が相対化される様を、ニーチェの思想と結びつけて語るのも新鮮で、それはそれでなるほどと思わされる。「所有」「自我」「言語」等について思考実験でなくフィールドワークによってラディカルに探究していくことの面白さといったらない。
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プナンの生活を通じて、すべての価値観・すべての常識・すべての当たり前を問い直すきっかけになる本。 「大いなる正午」に出くわす経験。
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