商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 日経BP社 |
発売年月日 | 2018/05/24 |
JAN | 9784822255732 |
- 書籍
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「イノベーターのジレンマ」の経済学的解明
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「イノベーターのジレンマ」の経済学的解明
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商品レビュー
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本書はイェール大学で教鞭を執る日本人経済学者が、経営学の泰斗であるクリステンセンの研究を、経済学的見地から定量的、理論的に深掘りした、という本になります。クリステンセンの書いた『イノベーションのジレンマ』は世界中でベストセラーになった本ですが、この著者が指摘しているように、書かれ...
本書はイェール大学で教鞭を執る日本人経済学者が、経営学の泰斗であるクリステンセンの研究を、経済学的見地から定量的、理論的に深掘りした、という本になります。クリステンセンの書いた『イノベーションのジレンマ』は世界中でベストセラーになった本ですが、この著者が指摘しているように、書かれている内容自体はかなり定性的で、他の経営学のフレームと比較しても科学性に乏しいというような批判はありました。 そのような背景のもと、著者は経済学の専門家として、クリステンセンの世界観をモデルに落とし込んだと言うことになります。内容は確かに経済学の知識がある方が望ましいですが、そうではなくとも理解できるように書かれていると思いました。また私自身経済学の論文を読むことはたまにあるのですが、この著者が述べているような構造になっていることをあらためて認識できました。その意味で非常に勉強になりました。 本書はクリステンセンのかなり抽象的な記述を具体的、科学的にしてくれているという点で有意義なのですが、インパクトというか一般の人々への訴求度合いについてはやはりクリステンセンの語り口の方が有効と言わざるを得ません。クリステンセンは最近では“How will you measure your life?”といった本も書かれていますが、文章力、表現力が非常に高い。ハーバードでは彼の授業はいまだに人気が高く、その理由は彼の語り口にあるといいます。普遍性、再現可能性という意味で経済学の役割は非常に高いですし、「数字に語らせる」ことは大事だと思うのですが、他の人間への訴求となると、最後は人間力が大事で、抽象的、個別的であったとしてもそういう語り口の方が人々の印象に残ってしまうのが、人間の難しさでもありおもしろさでもある、と本書を読んで感じました。
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イノベーションのジレンマの本。認識を深めるべく読書。本質的な構造を平易にわかりやすく紐解いてくれている良著。 メモ ・代替性がある場合、共食いの分だけメリットが減少する。 ・抜け駆け、守備的m&a。くいとめによって、そうしない場合に失われる分だけ、そこに投じるコストの価値が生じる。既存事業が大きく支配的である方が、既存側の取得インセンティブが、新規側の継続インセンティブを上回る。 ・
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イノベーターのジレンマはどうして起きるか。 共喰い現象=新しい製品が、既存のヒット商品のシェアを奪う。 置換効果=既存企業は、新商品によって失うものが大きいのでイノベーションに本気になれない。 競争効果=既存企業は、他社の新規参入によって失うものが大きいので、本気で独占的地位を守...
イノベーターのジレンマはどうして起きるか。 共喰い現象=新しい製品が、既存のヒット商品のシェアを奪う。 置換効果=既存企業は、新商品によって失うものが大きいのでイノベーションに本気になれない。 競争効果=既存企業は、他社の新規参入によって失うものが大きいので、本気で独占的地位を守ろうとする。 世の中の競争はほとんどは不完全競争なので、ゲーム理論でないと分析できない。 ライバル数は少ないほどいい。 近視眼的な判断をする理由=人や組織の惰性、過去の成功体験に引きずられがち。ビデオチェーン店のブロックバスターはオンライン配信化には成功した。しかし既存店を切れなかった。大企業の情報伝達効率の低下。 インテルはメモリ事業から撤退。メモリのインテルは死んで、CPUのインテルに生まれ変わった。 コダックはデジタル化には成功していたが、フィルム事業の利益率が高かったため、手放せなかった。 貯めるのに時間がかかる資源を資本と呼ぶ。人材、知識、ブランド、関係。、など。 1、新製品と旧製品の代替性が高いと、需要の共喰いが発生して新商品に切り替えずらい。 2、とはいっても、ライバルの参入を許すと、市場の独占度が下がるので、早く新技術を導入すべきである。 3、研究開発能力は既存企業も新規企業も優劣は付けがたい。 相関はデータの中に、因果は頭の中にある。 操作変数法(既出の変数以外の操作変数が存在すれば、それを操作することで、本当の因果関係がわかる)。 共喰いの度合いは、需要の代替性(弾力性)で測れる。 クールノー競争(生産力競争)とベルトラン競争(価格競争)。同質財で価格競争しているがそれなりの利益が出ている状態=生産力を競っている=クールノー競争。 イノベーションのジレンマを解決する方法 1、新事業部を分社化する。しかし、実際はうまくいかない。新規部門に移籍する社員がいない、など。 2、M&A。シスコシステムズはこの方法で成長した。しかしアメリカでも失敗のほうが多い。 3、成功しても旧部門を切れない。武田薬品はビタミン事業を2001年以降にやっと売却した。 4、生き延びるためには、いったん死ぬ必要がある。 5、株主と経営者の最適が違う。新世代の技術のために現在の有望事業をやめるのは、株主にとっては大損。 共喰いがあるのであれば、どこかで主力事業を切り捨てる必要がある。損切りと創業、の繰り返し。 政策でイノベーションを促進できるか。 官製ファンドは、ゾンビ企業を生き延びさせるだけ。 特許の制度を使えば可能か。知的財産権を保護してもイノベーションが促進できるとは限らない。ロダイムの3.5インチHDDの特許の件。最終的には認められなかったが、ライセンス料を支払う会社もあった。
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