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家族シアター 講談社文庫
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家族シアター 講談社文庫

辻村深月(著者)

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家族シアター 講談社文庫

814

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 講談社
発売年月日 2018/04/13
JAN 9784062938488

家族シアター

¥814

商品レビュー

3.9

253件のお客様レビュー

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2024/06/26

作者の辻村さんは、人のいろいろな「だめな部分」をうまく描いています。まるで隠さず、ときにぶちまけられているように感じもするくらいなときがあります。そういった「だめな部分」を起点に人間関係のトラブルなんかがおきるのだけれど、だからといって、その欠点を直してよくなろうよ、と啓発的には...

作者の辻村さんは、人のいろいろな「だめな部分」をうまく描いています。まるで隠さず、ときにぶちまけられているように感じもするくらいなときがあります。そういった「だめな部分」を起点に人間関係のトラブルなんかがおきるのだけれど、だからといって、その欠点を直してよくなろうよ、と啓発的にはなっていない。「しょうがないもんだよねえ」、とため息をつきつつ、その上でなんとかする、みたいな話の数々でした。 相田みつをさんじゃないですが、「だって、『にんげんだもの』」。そういう前提があってこその作品群だよなあ、と感じました。それはある意味で、人に対して肩の力が抜けていると言えるのです。ただ、「やっぱり優れている!」と思うのは、そうやってゆるく構えたその背後に分析的な思考が隠れているところです。だからこその、ドスッと効いてくる一文やセリフが要所で出てくるんです。 また、「キャラクターが立っている」とはこういう作家のワザのことを言うのだろう、という気がしてきました。キャラクターがしっかり立っていて、読み始めてすぐにとてもそのお話の現場との距離感が近く感じられる。なんていうか、読んでいてわりとすぐに、キャラが溶け込むかのようにこっちになじんできますし、その結果、物語に入り込みやすいのです。 といったところで、三つほど本文から引用して終わります。 『私のディアマンテ』で娘が、主人公の「母」に言うキツイ一言↓ __________ 『自分は親だから、謝らなくてもいいって思ってるよね。そんなふうに血のつながりは絶対って思ってると、いつか、痛い目見るよ』(p120) __________ 『タイムカプセルの八年』のなかでの、主人公である「父」が開き直るかのように得る気づきの一文↓ __________ 実在しないヒーローの抗力は、放っておいてもいつか切れる。子供がいつの間にかサンタの真実を知るように。一年きりで終わってしまう戦隊物のおもちゃを欲しがらなくなるように。効力は一時的で、しかもまやかしかもしれない。けれど、まやかしでいけない道理がどこにある。大人が作り出したたくさんのまやかしに支えられて、子供はどうせ大人になるのだ。(p206) __________ 『1992年の秋空』から。主人公である「姉」が、年子の妹の逆上がりの練習を手伝った放課後に感じたこと。これは、この物語全体を表す一文でもありましたし、そもそもこの一文が意味することをテーマとしている小説ってたくさんあるでしょうし、書き手としては扱いやすく、でも作り上げるには深いテーマなのかもしれないです↓ __________ 誰かが何かできるようになる瞬間に立ち会うのが、こんなに楽しいとは思わなかった。(p250) __________ 辻村深月さんの作品は四つ目ではないかと思いますが、だんだん作風がわかってきました。どこまでも底が知れない感じがしていたのですが、ちょっと輪郭がつかめてきたような気がしています。彼女の作品、また少し空けてからですが、さらに読んでいきたいです。

Posted by ブクログ

2024/06/23

どのお話も良かったです。 1992年の秋空、 孫と誕生会、 タマシイム・マシンの永遠がとくに好きです。

Posted by ブクログ

2024/06/15

さまざまな距離感での家族の物語を読み、共感するところもあれば、なるほど!こういうふうに感じてるのかもしれないと思いました。 個人的に、孫とおじいちゃんの物語が好きでした。

Posted by ブクログ

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