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資本主義リアリズム
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資本主義リアリズム

マーク・フィッシャー(著者), セバスチャン・ブロイ(訳者), 河南瑠莉(訳者)

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資本主義リアリズム

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 堀之内出版
発売年月日 2018/02/20
JAN 9784909237354

資本主義リアリズム

¥2,200

商品レビュー

3.8

16件のお客様レビュー

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2024/03/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

訳文の固さと前提知識不足もあり、たまらなく読みやすくはなかったが、それでも読み解ける端々を興味深く思いながら読んだ。 資本主義を「この道しかない」と諦め、それが常態化してしまっている「資本主義リアリズム」の現代。 資本主義は本当に効率的で「この道しかない」のか?組織の中でトップダウン的で形骸化した仕事はないか? そうした状況を諦め冷笑することによって、行動面ではそれらを受け入れてしまってはいないか? 存在しない中央に誰もが責任を押し付けてはいないか? 鬱病や倫理観は個人の責任ではなく構造的な問題ではないのか? .... 解決策をくれるような本ではないが、資本主義の行き詰まりの鬱屈とした状態を的確に表現し、諦めずに打開しなければならないと問題提起してくれる本。 2009年のものらしいが悲しいくらい色褪せていない。

Posted by ブクログ

2022/08/09
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

高橋ヨシキ氏がインスタでポストしていたのを見て読んだ。2009年にリリースされた論考集なんだけど全く古びていなくて現在の社会の在り方について理解が進んだ。2022年の今でも事態が大筋では変わっていないことがとにかく辛い。2008年ごろに始まったことが悪い方向へさらにシフトしているのかとネガティブ思考に陥る一方で著者はカウンターの出し方を提示してくれていて少しは勇気ももらえた気がする。  タイトルの「資本主義リアリズム」は資本主義が完全に世界をテイクオーバーし現実的には資本主義が最強でしょ?というネオリベ的世界観のことを言っている。本著では資本主義ひいては新自由主義が躍動する世界で何が起こっているのかを丁寧に紐解きながら、当たり前に受け入れている資本主義に対する懐疑的な姿勢を示すラディカルな本。こないだの参議院選しかり最近選挙に対するモチベーションが極端に落ちていて、それはあきらめの感情が渦巻いていることが原因だと思う。著者はそれを再帰的無能感と呼んでいてしっくりきた。 ----------------------------------------------------------------------------------------------------------- 彼らは事態がよくないとわかっているが、それ以上に、この事態に対してなす術がないということを了解してしまっているのだ。けれども、この「了解」、この再帰性とは、既成の状況に対する受け身の認識ではない。それは、自己達成的な予言なのだ。 -----------------------------------------------------------------------------------------------------------  著者の特徴としては語りの中にポップカルチャーを混ぜ込んでいる点だと思う。相当硬い話なんだけど、自分が知っているカルチャーが論考に混ぜ込まれていると理解が深まる。さらに著者のポップカルチャーへのそのまなざしの鋭さにうなりまくりだった。特に「ボーン」シリーズの記憶にまつわる取り扱いを引きながら、現在の社会における一種の記憶障害的事象(日本でいえば「記憶にございません」)を語っているパートは圧巻だった。  個人的に一番辛かったのは冷笑主義に対する論考。著者は官僚主義の中で隷属している人間は冷笑主義を身につけてやり過ごしているのであると喝破していて、それがまさに自分だなと思ったから。冒頭で話したあきらめは冷笑主義に近づいている気がして、どこかで変えなきゃいけないと思っていたのだけど、そもそも人生の大半を過ごしている会社でそんな態度取ってたら政治や社会に対して建設的な対応なんてできるはずないよなと。冒頭の諦めの気持ちの由来がわかって勉強になった。  本著で語られている内容を全部理解できたかといえばそれは難しい。けれど当たり前に受け入れているものが当たり前ではない可能性を信じる。オルタナティブがあるのでは?と模索し続ける姿勢を忘れないでいたい。

Posted by ブクログ

2022/04/09

現代人類の世界観、価値観、心理状況などを示した。こういった分析があるのに、今の日本での言説がどうしてこうまで視野が狭いのだろうと不思議に感じてしまう。この本を読めば、社会を考える時によく広められた話では、挙動できるといった意味合いでしかなく、テクノロジーの下部化からは何も逃れず、...

現代人類の世界観、価値観、心理状況などを示した。こういった分析があるのに、今の日本での言説がどうしてこうまで視野が狭いのだろうと不思議に感じてしまう。この本を読めば、社会を考える時によく広められた話では、挙動できるといった意味合いでしかなく、テクノロジーの下部化からは何も逃れず、かえって逆効果なものが返ってくることが理解できる。”その”気分よく納得している(させられている)ものを蹴飛ばすことが、変わっていく条件の一つだ。また、「未来」という言葉よりも「将来」と考えた方が良いのではないかと思うようになった。もう満ちた面があるのに、もっとよくなるという気でいると、社会はなにも変えられないだろうと思ったからだ。過剰なものに対して、ボトムアップもトップダウンも無効だ。理想を語り合うのもいいが、排水溝の掃除みたいな意識もなければ多分、無駄なカロリーになる。

Posted by ブクログ

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