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B.C.1177 古代グローバル文明の崩壊
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B.C.1177 古代グローバル文明の崩壊

エリック・H・クライン(著者), 安原和見(訳者)

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B.C.1177 古代グローバル文明の崩壊

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 筑摩書房
発売年月日 2018/01/26
JAN 9784480858160

商品レビュー

3.6

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2024/09/05

2000年近く続いた青銅器時代。 メソポタミア、ヒッタイト、エジプト、地中海などでは、 豊かでグローバルな文明が栄えていた。 だ、B.C.1200頃、それらの文明諸国は突如崩壊してしまう。 その原因について、最新考古学の知見等から、考察してゆく。 ・まえがき ・プロローグ 文明の...

2000年近く続いた青銅器時代。 メソポタミア、ヒッタイト、エジプト、地中海などでは、 豊かでグローバルな文明が栄えていた。 だ、B.C.1200頃、それらの文明諸国は突如崩壊してしまう。 その原因について、最新考古学の知見等から、考察してゆく。 ・まえがき ・プロローグ 文明の崩壊――前 1177年 第1章 武器と人について――前 15世紀 第2章 (エーゲ海版)めぐり逢い――前 14世紀 第3章 神々と国のための戦い――前 13世紀 第4章 ひとつの時代の終わり――前 12世紀 第5章 災厄の「パーフェクト・ストーム」? ・エピローグ 崩壊のあと ・訳者あとがき ・解説 ・参考文献 ・原注 ・索引 ・登場人物(アイウエオ順) 300年続いたグローバルな世界。 銅と錫の入手をメインに、通商関係、交易の協力、結婚、 贈物などの国際交流で大国が結びついていた時代。 粘土板の文書や書簡が頻繁に交わされ、船による貿易で 国家も商人も積極的に活動していた時代。 エジプトやヒッタイト、ミタンニ、アッシリア、キュプロス、 バビロニア、ウガリト、地中海のミノアやミュケナイなど、 幅広い地域での国際交流が盛んだった時代。 だが、少しずつ浸み込んだ水が突然の大雨や地震によって 地崩れを誘発するように、度重なる地震や自然災害、 気候変動、干ばつ、飢饉、内乱や戦争などが積み重なり、 国際交易ルートが分断され、未知の敵の襲来から、 これらの文明諸国は突如、崩壊・・・したかもしれない。 そう、推測と“かもしれない”で終始している。 様々な詩論への検証自体は面白かったし、 出土物や粘土板の解読などの最近の考古学上の発見は 興味深いものが多く、今後の進展が気になるところ。 それでもまだ、確実な“証拠”が出ていないんだな。 何故崩壊したのか?襲撃したのは何者だったのか? “海の民”の正体は?破壊され放棄した民の行方は? まだまだ“かもしれない”であり、真実に辿り着くのは 難解だろうと思われる。だって3000年以上の前のことなのだから。 だが、3000年も前の状況が現代にも通じていることが 気になってしまう。崩壊した文明の地は現代も不安定が進行中。

Posted by ブクログ

2023/12/10

崩壊前の後期青銅器時代は現代に近いグローバル社会だった。出土品や交易の遺物,粘土板などの情報から其のありようを明らかにする。 各地の支配者同士の書簡のやり取りが面白い。思ったよりも内容がくだけているというかカジュアルに感じた。 筆者はこの後期青銅器時代の崩壊の原因は自然災害や侵入...

崩壊前の後期青銅器時代は現代に近いグローバル社会だった。出土品や交易の遺物,粘土板などの情報から其のありようを明らかにする。 各地の支配者同士の書簡のやり取りが面白い。思ったよりも内容がくだけているというかカジュアルに感じた。 筆者はこの後期青銅器時代の崩壊の原因は自然災害や侵入者,飢饉など様々な要因を考慮し,複雑性の理論が新たな視座を与えてくれると言っているが同時にそのあいまいさについても言及している。結局のところ分からないことが多すぎて文明の崩壊を招いた諸原因として何を選択すればいいのかすら分からないのだ。 また筆者は高度にネットワーク化した社会はその構成要素が一つでも不安定になると構造全体が崩壊するという認識のもと,この時代の崩壊を語っているが,であるならばそのネットワークが実際にどのように機能し,なぜ連鎖的に崩壊が起こるのかについてもう少し具体的に説明が欲しかった。 例えば権力者同士のやり取りや交易の途絶と文明全体の崩壊には明らかに距離があると思う。食料や物資が当時の諸国家においてどれだけ自給されていたのか,あるいは貿易に頼りきりだったのか。といった統計的なデータがあればいいと思ったが,そんな情報はない。資料の乏しい時代の研究の難しさを感じる。

Posted by ブクログ

2023/09/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

後期青銅器時代、エーゲ海から東地中海に根ざしていた複数の文明が同時期に滅んだ。滅びは暗黒時代を呼び、それは300年ほど続き、再び立ち上がった文明は前時代を継承してはいなかった。 本書は、滅びを招いたものはなにかと問い、はっきりとはわかっていない、複合的な要因であろうと答えている。 主題はおそらく、グローバル化した経済圏をもつ現代と、後期青銅器時代に文明間に構築された経済圏の相似形を語ることであろう。相互に依存した経済圏は、目に見えぬ形で積算した幾つものきっかけが原因で、ゆるやかにだが復元できぬほどの崩壊に至ることがある。 現代においてもそれは起こりうると述べている。発刊年からするとリーマンショックを念頭に置いてのことか。 ミケーネ……ミュケナイ、ミノス、ヒッタイト、ミタンニ、バビロニア、カナン、エジプト。歴史に興味がなくとも耳にしたことのある文明または勢力圏。それらの間には定常的な交易網が存在した。 イリアスで語られるトロイア、聖書で語られる出エジプト。これらは時代の趨勢の変化――文明あるいは勢力圏の弱体化――が招いた出来事であったかもしれない。 これらについてはこれまでキーワードでしか認識していなかったきらいがある。同一時空に在ったことを認識させてくれた。

Posted by ブクログ

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