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エヴァの震える朝 15歳の少女が生き抜いたアウシュヴィッツ 朝日文庫
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 朝日新聞出版 |
発売年月日 | 2018/01/04 |
JAN | 9784022619112 |
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エヴァの震える朝 15歳の少女が生き抜いたアウシュヴィッツ
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エヴァの震える朝 15歳の少女が生き抜いたアウシュヴィッツ
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商品レビュー
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8件のお客様レビュー
アンネ・フランクは収容所で亡くなり、フランク家のうち唯一生き延びたのは父オットーだけだった。そのオットーが再婚し、義理の娘になったのが本書の著者エヴァである。 エヴァはアンネと同時期にアムステルダムに住んでおり、顔見知りだった。さらに、同時期に隠れ家へ潜伏し、同時期に逮捕連...
アンネ・フランクは収容所で亡くなり、フランク家のうち唯一生き延びたのは父オットーだけだった。そのオットーが再婚し、義理の娘になったのが本書の著者エヴァである。 エヴァはアンネと同時期にアムステルダムに住んでおり、顔見知りだった。さらに、同時期に隠れ家へ潜伏し、同時期に逮捕連行された。「アンネの日記」は隠れ家の生活とアンネの気持ちが吐露され、アンネの死により途中で途切れる。一方、エヴァは母とともにアウシュビッツを生き延びた。連行後の取り調べ、家族との別れ、アウシュビッツでの「生活」、解放時のこと、帰還までの道のりが語られている。それゆえ、本書は日記の続きの物語と呼ばれている。 アウシュビッツは「人間はここまでできるのだ」という事実を両方の極から示した。収容者は裸にされ、私物を没収され、頭髪を刈られ、入れ墨を入れられる。SSがガス室か労役かを適当に振り分ける。何度も他者による生死の選別がある。収容者を集め、立たせたまま、点呼を何度もやり直すような理不尽で理解を超える規則もある。寝床や食事は家畜以下で、飢えと疲労でばたばたと死んでいく。嗜虐的な管理体制、見せしめの暴行と処刑…。あげたらきりがないが、本に書かれていることはごく一部で、収容所とは何だったのか、体験した者にしか分からないのだろう。 それでも、収容者同士で身を案じ合い、懲罰を受ける仲間を励ましたり、母と離れた幼さの残るエヴァに慈しみをもって接した人たちがいた。希望を失わなかった人もいた。同じ収容者でありながら、「頑張って!みんな助かるわ」と衰弱する人たちを決然と鼓舞した看護婦もいた。 解放後、ソ連軍はじめ各地で心づくしの保護やもてなしを受け、ときには観光も楽しみ、読者の目には母娘がだんだんと立ち直るように見える。だが、父と兄を失ったエヴァはその後も後遺症に苦しんだとエピローグで明かされている。経験者にとっては戦争も収容もまだ終わっていないのだろうし、後遺症の影響が次世代に引き継がれていないとも限らない。爪痕は深く、未だうずいているのだと思う。 今も各地で戦争が起こり、国家や民族や宗教の対立が発生している。SNSでフェイク情報やうわさがまことしやかに広まっている。ばかばかしい嘘の動画も何回も見れば真実のように思えてくる。AIによる動画や画像の生成もかなり精巧だ。何が本当かも分からないまま、憎しみや恐れだけが煽られているように思う。 したり顔で差別を正当化したり、暴力や意地悪を扇動したりする連中がいるが、絶対に負けないという決意を新たにした。 本書とは関係ないが、ホロコーストに関する手記は少なからず残されているが、同じように悲惨だったはずの奴隷貿易に関するものはあまり残されていないことに思い至った。時代も違うし、ユダヤ人のなかの高等教育を受けた者は特に発言力もあったのだろうが、長期間奴隷にされた黒人やインディオはそうはいかなかったからだろう。こちらの方も人類の過ちとして知っておきたいと思った。
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アンネフランクの義姉による手記。 どういうこと?と思ったら、アンネの父親オットー・フランク氏と、筆者のお母さんが、戦後再婚されてたのだと。 義姉と言っても、生れは同じ1929年。昭和だと4年で、世界大恐慌の年でもある。 アンネの日記はアンネ達が隠れ家生活を終えるところで終わってい...
アンネフランクの義姉による手記。 どういうこと?と思ったら、アンネの父親オットー・フランク氏と、筆者のお母さんが、戦後再婚されてたのだと。 義姉と言っても、生れは同じ1929年。昭和だと4年で、世界大恐慌の年でもある。 アンネの日記はアンネ達が隠れ家生活を終えるところで終わっているが、このエヴァの手記はその後が綴られる。 ちょっとした偶然と奇跡が積み重なってその後の人生がつながった。 ホロコースト関係の本はあんまり読んだことがなかったけど、これを機に他の者も読んでみたい。
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同い歳のエヴァとアンネは、目の前の隠れ家に住んでいた。時同じくして密告により、別々のユダヤ人収容所に送られてしまう二つの家族。 アンネは15歳で亡くなる。その後『アンネの日記』は世界中で翻訳された。 エヴァは、収容所で何度も死にかけるが生き抜く気持ちと運とで生き残る。 思い出...
同い歳のエヴァとアンネは、目の前の隠れ家に住んでいた。時同じくして密告により、別々のユダヤ人収容所に送られてしまう二つの家族。 アンネは15歳で亡くなる。その後『アンネの日記』は世界中で翻訳された。 エヴァは、収容所で何度も死にかけるが生き抜く気持ちと運とで生き残る。 思い出したくない収容所での体験を1988年に手記として出版した。 本人のインタビューには以下のように書かれています。 「実際にどんなことが起こったのか、世の中の人々は学んでいないとはっきり感じたのです。私の経験をすべて書き表わすことによって、真実を知ってほしいと思いました。戦後、人々はこう言ったのではありませんか。「私たちはしっかりと学んだ。アウシュヴィッツは二度と起こらない」と。ところが1970年代、1980年代になる頃には、偏見や憎み合いが再び頭をもたげ、世界のあちこちで戦争やジェノサイド、民族浄化が起きるようになったのです。人種差別や特定のグループに対する偏見や暴力がどんなに危険をはらんでいるか、若い人たちに教えなければならない。それは自分たち生き残った者の義務であり、責任だと考えたのです。」
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