商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2017/12/01 |
JAN | 9784062207324 |
- 書籍
- 児童書
満月の娘たち
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満月の娘たち
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3.7
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ヒグチユウコさんの表紙の絵は、まるで、せめて私たちだけでも共に繋がりあいましょうといった、確実に分かり合える者を得たい気持ちで満たされているような気もする。 いわゆる『親子問題』を扱った、安東みきえさんによるYA小説(2017年)で、梨木香歩さんはとても絶賛されているよう...
ヒグチユウコさんの表紙の絵は、まるで、せめて私たちだけでも共に繋がりあいましょうといった、確実に分かり合える者を得たい気持ちで満たされているような気もする。 いわゆる『親子問題』を扱った、安東みきえさんによるYA小説(2017年)で、梨木香歩さんはとても絶賛されているようだが、私はそこまでの神話的な印象を抱くまでには至らず、寧ろ、とても現実的なものが色濃く漂う物語に、中学1年生の女子とその母親にとって、「分かる」と肯けるものがありながらも耳の痛い話であったりするのだと感じられた、それくらいの生々しさがあった。 その根拠は、皆が生まれたときの事や名前の由来に対して、幼い頃のようにはしゃいだりしない物語の始まり方からして、少女達が既に何か満たされないものを抱えているような雰囲気を漂わせ、それは物語に登場する数々の文章からも感じられた。 例えば『ママはあたしじゃないんだから』や、『あたしの気持ちまでわかっているなんて思わないで』といった、少女の吐き出す言葉には、その時だけのものではなく、それ以前から少しずつカチンと来たことが積み重なった上で爆発したものであることが物語の展開からも分かり、よく反抗期とか言うけれども、それは一般的なものというよりは、ちゃんとした潜在的な理由が潜まれているのではないかと感じてしまう説得力があったのは、さすが安東さんだと思う。 やがて、それと同時に少女達も母について様々な一面を持つことを知っていき、そこには大人と子どもという、はっきりとした種別の異なるものとしての見方というよりは、『親が子どもをよその子と比べてはいけないように、子どももよその親と比べてはいけない』、『うつむくママは自信なさげで、いつもより小さく見えた』のように、それぞれの痛みを知ることの大切さも唱えていたのだと思われた、そこには憎しみとは対照的な愛しさも精いっぱい込められていた、多感な時期の少女の移ろいゆく様も繊細に描いていたのだと感じられた。 そんな中で最後まで関わってくるのが、幽霊屋敷と噂される建物に住んでいた、母娘の奇妙な物語であり、そこで起こることに関して、非現実的と思われるものを含ませながらも現実的な親子愛へと至らせる展開には、母と娘との関係性の執着心と慈愛心との境目が曖昧であるような錯覚を抱かせて、一歩間違えれば、どちらにも転ぶような怖さもひしひしと感じられた、そこには愛情というものの様々な形のあり方を知りながらも、それがお互いにとって幸せなのかどうかは、また別なのだということも痛感させられた、親子問題の難しさなのかもしれない。
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毎度のジャケ買いヒグチユウコさん ジャンルは児童書? 思春期の娘が母親に思う微妙な心理 段々歳とると 許せるようになったり 苦労が分かるようになったり その前段階の若い気持ち ブックオフにて取り寄せ
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幼なじみの志保と美月。幽霊屋敷探検を発端に、屋敷の持ち主のミニチュア作家・繭さんと出会い、不思議な出来事に巻き込まれていく。志保、美月、繭…。娘たちとそれぞれの母。母娘だからこその葛藤と成長。それぞれの主張とそれぞれの想い。難しい。母は娘でもあり娘はいずれ母にもなる。それでも永遠...
幼なじみの志保と美月。幽霊屋敷探検を発端に、屋敷の持ち主のミニチュア作家・繭さんと出会い、不思議な出来事に巻き込まれていく。志保、美月、繭…。娘たちとそれぞれの母。母娘だからこその葛藤と成長。それぞれの主張とそれぞれの想い。難しい。母は娘でもあり娘はいずれ母にもなる。それでも永遠に難しい。物理的に近いから余計に心理的には遠くなる。美月の母が繭に放つ言葉がとても響いた。なんだかんだあっても結局続いていくのが母娘関係。志保と美月の友情がとても良かったし、そこに絡んでくる男性陣もさりげなく良かった。新しい時代の母娘の物語。おもしろかった。
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