商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
発売年月日 | 2017/09/30 |
JAN | 9784163907154 |
- 書籍
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13・67
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商品レビュー
4.5
115件のお客様レビュー
中華警察ミステリとのことだが、キャラのふりがなが章の最初しかついておらず、途中で登場人物の名前が読めなくなって挫折
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
香港警察の中で「名探偵」と呼ばれた警察官クワンの伝記とも言えるミステリー小説。6つの短編は、2013年から1967年に時代を遡る形で書かれていて、それぞれが香港という都市にとって大きな転換点になった時代の事件を描いている。一つひとつの物語は、あくまでクワンとその教え子のローが犯人のトリックを暴くミステリー小説なのだけれども、物語の端々に香港という街の、時代時代の空気感が漂う。汚職が横行し、腐敗した警察組織の中で、あくまで市民を守る警察官としての正義を貫くため、グレーゾーンの捜査をするクワンが、単純にかっこいい。 一番印象的だったのは、やっぱり最後の「借りた時間に」だった。 王冠棠は、たまたま隣室の左派運動家による爆破事件の計画を知ってしまう。アチャと呼んでいた若かりし日のクワンにその話をした王は、クワンとともに爆破事件を解決する。見事、香港警察庁長官の暗殺を食い止めることに成功するが、クワンが上官のある命令に従ったことで、幼い子どもが爆破に巻き込まれて死亡してしまう。 上官の命令に従ったクワンに王が言う。 「『香港警察の威厳』だかなんだか知らないが、あなたはそのために自分の命を惜しまず、一号車の爆発物を解体した。ところが、昨日、ふたりの無辜の子供たちが、あなたのせいで命を落とした。あなたが守りたいのはいったい、警察の看板なのか? それとも市民の安全なのか? あなたが忠誠を尽くすのはイギリス植民地政府なのか、それとも香港市民なのか?」私は淡々として訊いた。「あなたはどうして、警察官になったのか?」 クワンにそう問い詰めた王冠棠は、その後、「黒と白のあいだの真実」で兄殺しの罪を犯し、クワンの弟子ローによって逮捕されることになる。「あなたはどうして、警察官になったのか?」という言葉は、「警察官」を別の仕事に入れ替えれば、誰にでも当てはまる言葉だと思う。組織の中で、仕事がルーティン化していく中で、初志を抱き続けるのは難しい。だからこそ、たとえ違法ギリギリのやり方であっても、無私の精神で香港市民のために警察官としてあるべき正義を貫くクワンは、かっこいい。
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いやあおもしろい。おもしろすぎ。 香港が舞台の警察小説短編集。2013年から1967年に向かって時間が遡っていく形式。どの物語も意外性があって、捜査官のクワンが天才すぎて、でもって話は充実しすぎて、おなかいっぱい。 香港の地理はまったく分からないけど、それでも十分に楽しめました。
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