商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 中央公論新社 |
発売年月日 | 2017/09/22 |
JAN | 9784122064522 |
- 書籍
- 文庫
十六夜荘ノート
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十六夜荘ノート
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商品レビュー
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先月末ロンドンで亡くなった大伯母笠原玉青から、都内一等地にある赤い三角屋根の屋敷「十六夜荘」を遺された雄哉。 雄哉は、親戚からは生涯独身の変わり者と噂されていた、ほとんど面識のない大伯母について調べるために、現在シェアハウスとして使われている「十六夜荘」を訪れ、奇妙な住人4人と関...
先月末ロンドンで亡くなった大伯母笠原玉青から、都内一等地にある赤い三角屋根の屋敷「十六夜荘」を遺された雄哉。 雄哉は、親戚からは生涯独身の変わり者と噂されていた、ほとんど面識のない大伯母について調べるために、現在シェアハウスとして使われている「十六夜荘」を訪れ、奇妙な住人4人と関わるようになる。 雄哉が「十六夜荘」の過去を探る現在と、玉青がこの屋敷で家族と、離れのアトリエに集まる画家たちとともに過ごした昭和初期の戦中の頃のことが交互に書かれていて、二つの時代が一つに重なっていくような壮大さを感じさせられます。 屋敷に集まる個性的な人たち、芸術に情熱を燃やす若者たちが、戦争というすさんだ時代にもいたということが瑞々しく感じられ、戦争に翻弄され、身の程知らずと言われようとも凛とした玉青の生きざまが、本当に素晴らしい。 大伯母玉青の家族に対する深い想いと守り抜いたもの、積み上げてきた暮らしという温もりを、後に遺された者は大切にしていきたい。 過去を知らされることによって、自分が今生きていることを充分に嚙みしめられるのではないかと思います。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
前進することだけを考えてきた雄哉が、初めて挫折を味わったことで見えてきた、過去に与えられてきた、いろいろなもの。 戦争という苛酷な状況の中、自らを「身の程知らず」と評した玉青が決して失わず、手放さなかったもの。 まるで目の前で展開されているかのように鮮やかに描かれていた。 戦中~戦後の、目を逸らしたくなるような光景は、その時代に生きた人の弱さや傲慢さをまざまざとつきつけられる。 自分が知っている知識と合わせて考えれば、たしかにそうだったのだろう。でも、そうならざるを得ない状況にあったのも想像にかたくない。 その中で自分の信念を持ち続けられたひとは少なかったと多くはなかったと思う。 兄の一鶴や若き画家たちと生きて再会できるんじゃないかと期待する気持ちもあったけれど、戦争の中ではそれこそファンタジーだ。
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歴史物が苦手なので、あまり読み進まないシーンもありましたが、十六夜荘にまつわるストーリーや、たくさんの人の愛がそこにあってとても感動しました。
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