商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 岩波書店 |
| 発売年月日 | 2017/09/01 |
| JAN | 9784000612173 |
- 書籍
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私たちの星で
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商品レビュー
4.6
22件のお客様レビュー
友人のレビューを読んで即購入した本。 梨木さんと師岡さんの書簡を通じて、とっても共感できる部分、こんな見方もあったんだなとハッとさせらた部分、難しくてもっと勉強して分かるようになりたいと思った部分、色々とあった。 特に好きだったのは 文化と個人の関係性や、白とも黒とも二極化させな...
友人のレビューを読んで即購入した本。 梨木さんと師岡さんの書簡を通じて、とっても共感できる部分、こんな見方もあったんだなとハッとさせらた部分、難しくてもっと勉強して分かるようになりたいと思った部分、色々とあった。 特に好きだったのは 文化と個人の関係性や、白とも黒とも二極化させない考え方について話されていたところ。 師岡さんが個人としてイスラム教の原風景は文字から温かみを感じた。 全体的にもう一回じっくり調べながら読み直したい。 師岡さんが体験談を通じて自分のことを謙遜?しているのに対し、梨木さんのポジティブな捉え方や洞察力がとても素敵だった。あとがきも面白くて、そこで書いてあったが書簡を通じて普段ネガティブなことを考えがちな師岡さんがポジティブになっていた。 よい方悪い方と両方を行き来しながら世界は進んでいる。その混ざり合った延長上に自分達は存在している。 寛容を磨く、異なるものをまずは受け入れること、それが行き過ぎたナショナリズムの抑止力になると信じたい。
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「アラビア語のかたち」の著者である師岡カリーマ・エルサムニーさんに興味が湧いたので、著書を調べてみたら出てきたのがこの本、「私たちの星で」。作家の梨木香歩さんと、師岡カリーマ・エルサムニーさんの往復書簡をまとめたもの。 本書の中に書いてあったことによると、「図書」という雑誌での...
「アラビア語のかたち」の著者である師岡カリーマ・エルサムニーさんに興味が湧いたので、著書を調べてみたら出てきたのがこの本、「私たちの星で」。作家の梨木香歩さんと、師岡カリーマ・エルサムニーさんの往復書簡をまとめたもの。 本書の中に書いてあったことによると、「図書」という雑誌での連載を打診された梨木香歩さんが、その当時世界的に問題になっていたムスリム・バッシングに、何か自分にできることはないだろうか、と考えて、イスラームについてもっと知りたい、ということで、師岡カリーマさんとの往復書簡というアイデアを出してもらった、という経緯で始まった連載だったとのこと。 最初は知り合いではなかった2人の往復書簡。 確かに、最初の1、2通は、ちょっと探り探りな感じも見受けられて、「あぁ、そうだった、私は往復書簡という形式の本が苦手だったんだー」と、本を閉じそうになったのですが、読んでいくうちに、ぐいぐいと惹きつけられていきました。 日本人の母親とエジプト人の父親を持つカリーマさんは、日本で生まれてエジプトで育ったとのこと。そもそも、エジプトが「アラブ圏」であるという認識があまりなかった私にその事実を教えてくれました(いやぁ、知識のレベルが低くて申し訳ない…)。 世界のいろいろなところを駆け回っているカリーマさんの、経験談や、文化に対する解像度が、とてもとてもとても勉強になりました。 いちばん興味を惹かれたエピソードは、カリーマさんがNYで民泊をした時の家主さんとの関わりの話。家主さんは作家であるアメリカ人女性。家に到着して、自己紹介をして、その時に、カリーマさんがアラブ人ムスリマであることがわかったら、家主さんがすぐに自分はユダヤ人であることを明言してくれた、という話。それは、アラブ諸国とイスラエル(ユダヤ人)は衝突をしているけれど、「私たちは仲良くしようね」という含みを持つ立場表明なのだそうだ。 日本にいるとあまり馴染みのないシーンだけれど、人種の坩堝であるアメリカでは、そりゃぁアラブ系もいればユダヤ系もいる。その中で、そんなふうな文化が生まれているんだなぁ、と、全然知らないことを教えてもらえました。 私には知らないことが多すぎるなぁーと思いながら、とてもとても興味深い話をたくさん聞けた本でした。
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美しい文章とはまさにこういうもの。知性、感性、教養、経験。それらを通して世界を見る二人の視点のなんと奥深いことか。世界に寛容を。こんな時代だからこそ。
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