商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 京都大学学術出版会 |
| 発売年月日 | 2017/08/10 |
| JAN | 9784814000951 |
- 書籍
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エウテュプロン/ソクラテスの弁明/クリトン
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エウテュプロン/ソクラテスの弁明/クリトン
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商品レビュー
4
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『エウデュプロン』ははじめて読んだ。裁判の手続きから始まり死刑直前の『クルトン』までの流れは面白いな。『ソクラテスの弁明』は何回も読んでいるけど、読むたびに色々考える。ソクラテスの哲学の中でも有名だけど誤解されがちな「無知の知」や「悪法も法」とかの話は読むとやはり良いな。ソクラテスの哲学だけでなく歴史の流れや喜劇作家のアリストファネスとの関係も興味深くてあらためて沢山知りたいことが出来たな。
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プラトンの「ソクラテスの弁明」にはいくつもの翻訳がある。ところが「エウテュプロン」となるとその数は限られている。一世代前のプラトン全集の校訂者バーネットによる「エウテュプロン/ソクラテスの弁明/クリトン」を含むプラトン選集は、最初に読む古典ギリシア語原典の選集として長年親しまれ...
プラトンの「ソクラテスの弁明」にはいくつもの翻訳がある。ところが「エウテュプロン」となるとその数は限られている。一世代前のプラトン全集の校訂者バーネットによる「エウテュプロン/ソクラテスの弁明/クリトン」を含むプラトン選集は、最初に読む古典ギリシア語原典の選集として長年親しまれてきた。その三作品を収録した邦訳はといえば、比較的手に入れやすいものとしては角川文庫の山本光雄訳と岩波プラトン全集の第一巻しかなかった。本書の刊行を以って、満を持して西洋古典叢書から「エウテュプロン」の翻訳を含めたプラトン全集の開口を飾る三作品が翻訳されたことになる。 「ソクラテスの弁明」と「クリトン」に関しては現在ではいくつもの翻訳がある。本書の朴一功訳は、山本光雄訳がそうであったように、できる限りギリシア語の語順に倣って原典と突き合わせて読む読者が理解を深めやすい翻訳となっている。山本訳と新潮文庫版の田中美知太郎訳はバーネットの校訂に従って段落を分けているのだが、本訳書は中公クラシックス版の田中美知太郎訳とほぼ同じ箇所で改行されており、山本訳よりも自然な訳語選びによって、すっと読者が文章を理解できるような配慮がなされている。 本書の特徴は何といっても西洋古典叢書ならではの充実した訳注にある。「ソクラテスの弁明」に関していえば、ソクラテス裁判が一体どのくらいの時間がかかったのか、そして裁判の手続きについての最新の研究に基づく詳細な訳注が印象的である。「クリトン」冒頭の「イリアス」の引用で用いられているプティエという語についての訳注などは、原文を読むときの愉しみを増してくれるものであろう。また「エウテュプロン」の訳注は引用元の簡潔な説明を通して文脈の正確な理解を促しつつも原文のニュアンスを読者に生き生きと伝えてくれるものであり、読者は自ずとギリシア古典の世界へと案内されることであろう。 「エウテュプロン」は初期プラトンに分類されるアポリアで終わる対話篇の一つであるのだが、本書の西尾浩二訳は引用や議論の要点についての細かな訳注とともに、ソクラテスがエウテュプロンと何を論じようとしているのかが生き生きと伝わってくる翻訳である。最終的に結論がない形で切り上げてしまう典型的な初期プラトン対話篇の一つではあるものの、敬虔であることをめぐるやり取りは私たちの言葉の用い方を改めて考えさせてくれるものである。「エウテュプロン」についての解説では「ソクラテス的誤謬」についての学問的な議論も詳述されており、初期プラトン対話篇を読むことの醍醐味を伝えてくれるものである。 「クリトン」には印象的な箇所がある。それは不正を行うことによって損なわれるものは一体何かをソクラテスが問いかけるところである(47d)。そこで「かのもの」という指示代名詞が用いられているのであるが、これは私たちにとって身体と区別される不正をなすことによって害悪を被る「何か」があるのではないかということをクリトンに問いかけるために用いられている言葉である。田中美知太郎訳では明示的には訳し分けられておらず「ところのもの」という関係代名詞のように翻訳されているのであるが、この箇所は対話相手であるクリトンに不正によって害されるものが何であるかを確かめる箇所であるので、朴一功訳はより原文が透かし見える翻訳であると言えよう。(ちなみにこの箇所の指示代名詞は山本訳でも講談社学術文庫の田中享英訳においても訳し分けられている。) 本書はプラトン対話篇の豊かな問いかけを汲み、原文の意味を正確にわかりやすく伝える訳文と読者に寄り添った丁寧な訳注と解説によって、プラトンを代表する古典を隅々まで味わうことができる一冊である。
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