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その犬の歩むところ 文春文庫
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 文藝春秋 |
| 発売年月日 | 2017/06/08 |
| JAN | 9784167908775 |
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その犬の歩むところ
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その犬の歩むところ
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商品レビュー
3.8
42件のお客様レビュー
無償の愛と優しさが犬の形をしてやってきて、ともに歩き始めた。 ボストン・テランの二冊目。 傷ついて息も絶え絶えの老犬がたどり着いたのは古い「セント・ピーターズ・モーテル」だった。そこには夫と愛犬を事故で亡くしたアンナがいた。 アンナは人生に深く痛めつけられ、かつての無邪気さなどと...
無償の愛と優しさが犬の形をしてやってきて、ともに歩き始めた。 ボストン・テランの二冊目。 傷ついて息も絶え絶えの老犬がたどり着いたのは古い「セント・ピーターズ・モーテル」だった。そこには夫と愛犬を事故で亡くしたアンナがいた。 アンナは人生に深く痛めつけられ、かつての無邪気さなどとっくに失い、目的のない旅をしていた。辿り着いたモーテルの老婆から家と母親をもらった。老婆は石にただ「母」と彫ってほしいと言いこの世から去っていった。アンナは傷ついてやってくる犬を集め始めた。 傷ついた老犬は犬の匂いを感じてモーテルにたどり着いた。アンナは首輪からその犬がギヴという名だと知る。そこには盲目の犬エンジェルがいた。そこでギヴは妻と子供を持った。生まれた子供は7匹で末っ子だけが男の子だった。 ギヴはギヴの流儀を我が子に教えた。知識と知恵を、さらに生まれたときから伝わり流れている生存のための極意を。 或る夜、老ギヴは決然と迷いなくアンナに別れを告げた。アンナは石にギヴの名前を掘っているときに決めた――あの子犬も父親と同じ名で呼ぼうと。 モーテルに兄弟が来た。兄はジェム弟はイアンといいギタリストだった。彼らはセッションやバンドに加わってきたが、ベガスで遊びすぎ借金や契約を踏みつぶして逃げてきていたのだ、アンナは兄はろくでなしだと思った。気の優しい弟はギヴと気が合った。兄は夜盗みに入って失敗し機嫌が悪かった。翌日アンナが留守の間に忍び込み日記を盗み見た。そこには弟には才能があると書かれていた。 出発の時兄はギヴを車に乗せて連れ出した。 ふたりはダラスに着いた。ロスで知り合ったストーナーのところにいて、オーディションに受かるために猛練習をしていた。しかしオーナーは二人を受け入れてくれなかった。ジェムは日記の言葉が頭を離れず荒れていた。弟は街で知り合ったルーシーのことで頭がいっぱいだった。 兄は止めても夜の仕事に出て行った。イアンはルーシーにギヴは盗んだ犬だと打ち明けた。 ギヴにはちゃんとわかってるんだよ。 「きみの愛は正しい愛で……そのちがいっていうのは……」彼は上体を前に倒すと、考えながら両手を広く広げた。「正しい愛とほとんど正しい愛の違いっていうのは……そう……完璧な和音(コード)と……ゴミみたいな音との違いだよ」 イアンはギヴを通して自分自身を見た。 ジェムはギヴを殴りつけ心の底の少しの恥を歪んだ喜びで押さえつけた。 惨めな人生を目いっぱい長びかせれば、みじめさなんてそのうち消えてなくなるかもしれない、だろ? ルーシーとの約束の場所にイアンは来なかった。 ここまでがギヴの旅の始まり。 二年後、海兵隊に志願して帰還したディーン・ヒコックとギヴの出会いの話になる。 9・11で姉をなくし戦友の死にざまを見ながら生き残り、虚無満載で走っていた車の前をよれよれのギヴが歩いていた。 ディーンは救急に連絡し、犬と共に治療を受けた。それからはこの犬が彼を癒し、周りを癒し慰め時には自己犠牲も顧みず生き抜く様子を読む。 ボストン・テランはその畳みかけるような表現で目的の言葉に導いていく。詩のような言葉が続いてそれを読むのも快い。 出会ったとき逃げようとしたギヴを抱き、彼はギヴの鼻づらを撫で、手を背中に回してその鼓動を感じた。 意志の強いやつ。 彼はマイクロチップに書き込まれた名前と飼い主を知った。ニューオーリンズへ行って飼い主を探そう。 自分と同じ何もかも失ったようなぼろぼろの犬を生き返らそう。 賢く勇気のある犬物語のようで、犬を見ることで心の奥底をのぞいてしまう。それが犬の生き方の反映のように。ボストン・テランの手のうちに落ちる。 ひとのあるべき姿を犬を通して見せる。 ありふれた話のようで、引き込まれて涙さえにじむような美しい話を作り上げている。
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ミステリーって感じではないですね。犬を飼ったことないけど、これを読むと飼ってみたくなりますね。9.11がきっかけで戦地へ行く人の出てくる映画「アメリカン・スナイパー」も観たので、アメリカ人にとっての9.11がどれほどのものかってことが少しわかったかな?
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ボストン・テランはエエはなし書かはるなぁ。 「その犬」の名前はギヴ(give)。人がギヴに寄せる愛や、ギヴが人に感じさせる優しさが通底する、ギヴとギヴに関わる人たちの物語だ。語り手は湾岸戦争の復員海兵隊員で、戦場で追った心の傷をギヴの物語を追体験する中で和らげ、かつての自分...
ボストン・テランはエエはなし書かはるなぁ。 「その犬」の名前はギヴ(give)。人がギヴに寄せる愛や、ギヴが人に感じさせる優しさが通底する、ギヴとギヴに関わる人たちの物語だ。語り手は湾岸戦争の復員海兵隊員で、戦場で追った心の傷をギヴの物語を追体験する中で和らげ、かつての自分を取り戻してゆく。 アメリカは第2次大戦以降も世界で戦争を続ける好戦国ではあるが、市民生活は至って平穏な面を見せる。本書は古き良きアメリカの善意に包まれていて、悪意の現れも一部あるが、全体に古いアメリカ映画を観ているような気分に浸れる。最近のアメリカ大統領が振っている旗印に反吐が出る思いを感じるなか、包容力あるアメリカの復興を願わずにはいられない。
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