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ピンポン エクス・リブリス
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ピンポン エクス・リブリス

パク・ミンギュ(著者), 斎藤真理子(訳者)

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ピンポン エクス・リブリス

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 白水社
発売年月日 2017/05/27
JAN 9784560090510

ピンポン

¥2,420

商品レビュー

3.8

15件のお客様レビュー

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2024/04/28

いじめの話は居心地が悪い。 「いじめられる側じゃなくてよかった」という安堵がつい滲んでしまうから。 見て見ぬふりしてきたのかい? そんな大げさな。深刻な話なんてなかったさ 僕は間違ってはいない。 それはそう見たかった通りに、見てきたからにすぎないかもしれないけれども。 本書を...

いじめの話は居心地が悪い。 「いじめられる側じゃなくてよかった」という安堵がつい滲んでしまうから。 見て見ぬふりしてきたのかい? そんな大げさな。深刻な話なんてなかったさ 僕は間違ってはいない。 それはそう見たかった通りに、見てきたからにすぎないかもしれないけれども。 本書を語るには、自分の目線の位置決めが必要だ。どの高さから・どの立ち位置で読むかで、景色はずいぶん変わる。 “ねぇ君、世界はいつもジュースポイントなんだ。この世界の初めから今まで。 誰かが四十万人のユダヤ人を虐殺すると思えば、また誰かが絶滅の危険にしているザトウクジラを保護する。 今この世界のポイントはどうなってるか知ってるかい? 1738345792629921対1738345792629920 間違いなくジュースポイントだ。” “結局はフォームを完成させることだ。絶えずフォームを整え続けるということ。球を送るんじゃない。本当のところはその、整えたフォームを向こうへ届けているんだよ。わかるかい? 卓球において負けるとは結局、相手のフォームが自分のフォームより完成されていたという意味なんだ。” 「人類代表」との壮絶で、しかし退屈極まりない延々と続く緩いラリーの応酬には栄光もドラマもないが、試合終了の時はくる。結果として釘とモアイが獲得した選択権の先に、“高校生なんかになって腐っちゃう”前に二人が選んだものが世界の破滅でも存続でも、どちらであっても、そこに本質が見出せるとは思わない。彼等に委ねればいい。 だからこそ、あとがきが問うことは大事だ。 イデオロギーを戦った訳でも、生き延びた訳でもない、“生を生存と錯覚したまま、本当はただ長く残存しすぎたに過ぎない”、僕という大人は、そんな生をいかに生きるのか? 結局は、釘とアモイの果てしなく続く消耗戦と同じように、腕の角度をきちっと維持したまま流れるようにラケットを正しい位置へと振る回転動作を日々反復していくしかないのだろう。 この一振り一振りのフォームが、僕の意見なんだと呟きながら、傾いた世界をジュースポイントに戻すために。 いつだって世界は僕の一振りにかかっているんだ。

Posted by ブクログ

2022/10/04

訳がこなれていて読みやすく、一気に読んだ。自然と、サリンジャーの「ライ麦畑で捕まえて」と、頭の中で自比較しながら読んでいた。この年頃の生き苦しさを独自の世界観で掘り下げた、読み応えある作品。

Posted by ブクログ

2022/02/23

いじめられっこの釘とモアイが繰り広げる 壮大で奇妙で繊細で魅力的でぶっとんだ作品。 とにかく最後に現れる異常なまでの「ピンポン」に飲まれろ。

Posted by ブクログ

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