商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2017/05/01 |
JAN | 9784102200919 |
- 書籍
- 文庫
卵を産めない郭公
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卵を産めない郭公
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商品レビュー
3.3
10件のお客様レビュー
パソコンも携帯電話もない時代、 1960年代前半のアメリカ東部の学生街を舞台にした物語。 ベトナム戦争以前のお話ですから、 学生運動やカウンターカルチャーが起こるのはまだ少し先。 主人公は優等生タイプの男子学生と、 けして美人とはいえないエキセントリックな女子学生。 ふたりは別々...
パソコンも携帯電話もない時代、 1960年代前半のアメリカ東部の学生街を舞台にした物語。 ベトナム戦争以前のお話ですから、 学生運動やカウンターカルチャーが起こるのはまだ少し先。 主人公は優等生タイプの男子学生と、 けして美人とはいえないエキセントリックな女子学生。 ふたりは別々の大学に通う恋人同士なのですが、 男子学生は彼女の言動に振りまわされてばかり。 でも、物語の終盤に差し掛かると、 その突飛な言動は、 彼女がその胸の奥に 生き辛さを秘めているからだとわかってきます。 けっきょく、恋人にも理解されないとあきらめ、 彼女は大学を中退してひとり故郷へ帰ります。 はじめは裕福な家庭に育った子供たちの ハチャメチャな学生生活を 描いているだけのように思えましたが、 読み進むにつれ、 ふたりの抱える孤独感がひしひしと伝わってきて、 読後には、ほろ苦い余韻を味わうことができました。 この小説は 1969年にアメリカで映画化され、 日本では「くちづけ」というタイトルで上映されたようです。 ライザ・ミネリが主人公の女子大生を演じて アカデミー主演女優賞にノミネートされたみたいです。 彼女のファニーフェイス加減が 原作のイメージにぴったりだったのかもしれませんネ。 ちなみに、ライザ・ミネリにとってこの作品が初主演映画、 アラン・J・パクラ監督にとってもデビュー作だったそうです。 べそかきアルルカンの詩的日常 http://blog.goo.ne.jp/b-arlequin/ べそかきアルルカンの“スケッチブックを小脇に抱え” http://blog.goo.ne.jp/besokaki-a べそかきアルルカンの“銀幕の向こうがわ” http://booklog.jp/users/besokaki-arlequin2
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山崎まどかさんの本で映画化タイトルの「くちづけ」として知ってて読んでみたかったんだけど、まさか村上春樹が新訳を出していたとは!突っ込みどころはあれど甘く痛ましい青春小説で好きだった。巻末の村上柴田対談も面白い。
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読み応えがあるクレイジー青春小説。今まで読んだ青春小説の中でも群を抜いて荒々しく不安定。それでいて無敵ってこういうことなんだなあと微笑ましくなるようなカップルのお話。 意味が分からない箇所がところどころ出てきます。(大半は本当に意味なんてものなかった) 失恋したときなんかに読むと...
読み応えがあるクレイジー青春小説。今まで読んだ青春小説の中でも群を抜いて荒々しく不安定。それでいて無敵ってこういうことなんだなあと微笑ましくなるようなカップルのお話。 意味が分からない箇所がところどころ出てきます。(大半は本当に意味なんてものなかった) 失恋したときなんかに読むと元気になりそう。 真面目な少年はどんどんクレイジーな青年になり、ネジが飛んでる少女はそのままネジを飛ばし続け女性になっていく。プーキーのまともな一面というか冷静に現実を見つめている描写もあって、いつの時代も女性の方が現実的なんだなとその逞しさについにやけてしまった。 お風呂で擦りむいた傷がヒリヒリとしみるような甘酸っぱい1組のカップルの恋愛を垣間見させてもらいました。将来なんて言葉だけの空想上のものだと本気で思っている大学生だからこそのファンタジー。原文より村上春樹の訳の方がイキイキしているらしいので、日本人でよかった。
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