商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 太田出版 |
発売年月日 | 2017/02/01 |
JAN | 9784778315603 |
- 書籍
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裸足で逃げる
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裸足で逃げる
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商品レビュー
4.1
115件のお客様レビュー
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読了。 2年前に上間陽子さんの「海をあげる」を読み、衝撃を受けた。 この本は「海をあげる」よりも前に発表された、沖縄でのフィールドワークの記録となっている。 この本に登場する女性の多くは、未成年のうちに妊娠・出産を経験し、夜の街で働きながらシングルマザーで子育てをしている。 そして、恋人や家族から暴力を受けていた。 適切な教育を受けていれば、ここまでの窮状にならなかったのではないか・・・と感じてしまう部分もあった。 しかし、あとがきに著者が記していた言葉が胸につっかえた。 "当初予定していたよりもずっと多くの時間を彼女たちと過ごすなかで、私もまた、彼女たちと同じような立場に立たされれば、同じように振る舞うのではないかと思っていました。" たしかにそうだ・・・ 自分が同じ境遇なら、同じように判断したのではないか。 無意識のうちに、自分を切り離していた。 男尊女卑の風習 誰にも話を聞いてもらえない 味方をしてくれる人がいない 親族や配偶者から暴力を受ける 自分の居場所がない 自分の力で打開するしかない 「裸足で逃げる」というタイトルが、 彼女たちの身の上を物語っていた。 不安定な家庭環境で育った子どもが未成年で母親となり、夫の協力をえられず結果的にシングルマザーの家庭で子育てをするケースが多く見られた。 それは、居場所の無い未成年の少女たちにとって夜の仕事という受け皿が当然のようにあることと無関係とは思えなかった。 沖縄の事情をよく分かっていないまま始められた全国学力・学習状況調査。 早寝早起き・朝ごはんを推奨すれば子どもの学力が向上するという妄信。 表面的な数字だけ着目して、朝ごはんを食べてこない子どもの生活に目を向けない政策は、沖縄の問題に無関心な日本政府の態度を象徴していたように思う。 著者の上間さんは真摯に少女たちの話を聞き続け、静かに読者に語りかける。 登場する男性側の背景が描かれていないことで、分かりやすい構図で描こうとしているようにも見えたが、 それは“この本の中だけでも、皆がこの子たちの声に耳を傾ける時間があってもいいのではないか〟という著者のメッセージのようにも感じた。 本当に人の話を聞くことは、判断することではないのだと。 発信するための手段ばかりが、増えている気がする。 #裸足で逃げる #上間陽子 #太田出版
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貧困家庭で育つ女の子たちが売春をしたりキャバクラで働きながらなんとか生きている日々を切り取った話。 家族や友達に恵まれてなんとか暮らしていける子もいれば、この先も不安にさせる子もいて、人間関係って大切だと思う。 お友だちのお家で毎日晩御飯をご馳走になってた子がいて、そんな関係があるのは救いだなと思う。
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東京にもありそうな話だが、生ぬるい暑さやドヨーンとした沖縄ならではの雰囲気を感じながら読むと、なんだか気持ちまでドヨーンとした。家庭環境により身体を売ることしかできなかった少女たちだが、中でも1人だけ子育てしながら看護師になった子の話は感動した。
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