商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 2016/12/01 |
JAN | 9784101260631 |
- 書籍
- 文庫
日本の身体
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日本の身体
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商品レビュー
4.2
8件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
対立は相似と硬直をもたらし、同化は差異と自由をもたらすっていう本。 正直、文字と少ない写真で身体的な動きを伝えるには限界があるし、対話の部分は凄く興味深い話はたくさんあったけど、精神的な話は実際に体感しないと理解出来ないだろう部分もあった。 ただ、「文庫版のためのあとがき」のp. 321 [もう一つ、これは最近の気づきですが、「対立的なマインド」を持つことが身体運用に及ぼす影響について。]からp. 325の[私はそんなふうに考えています。]までの文章がここ最近読んだ中で一番心動かされたし、ある種の真理だと思った。
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太刀なら太刀の「固有の整理」が、この角度、この方向に動きたい」導線があるのだから、それを妨げないように動く。 試合、順序というのはうまくなるためのスパイス。 グローバリゼーションは度量衡の統一。 どこの筋肉に力が入っているかわかるのは、要するに筋肉に抵抗感があって、自然では...
太刀なら太刀の「固有の整理」が、この角度、この方向に動きたい」導線があるのだから、それを妨げないように動く。 試合、順序というのはうまくなるためのスパイス。 グローバリゼーションは度量衡の統一。 どこの筋肉に力が入っているかわかるのは、要するに筋肉に抵抗感があって、自然ではないということ。 人間の本質は合理的な生き方よりも、自由な生き方を選ぶ点に存在する。 武道は「人間のスケールを超えた自然力・野生の力を、整えられた体をとおして制御する技法」 能では制約があるが、そのような定式性、儀礼性が整っていないところに、超越的なものを覚醒させてはならないという恐れの表現。 シテは身体感度を最大にして、導かれるまま道順をたどり、今いるべきところに立って、なすべきことを成す。 良導体となるのが身体技法に共通した意識。
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茶道、能楽、相撲、あるいは漫画家(井上雄彦!)など、身体動作にこだわりをもった人たちと、合気道家である内田氏との対談集。 私の要約では、「心身を常に快適でいさせるための(日本人ならではの)からだの動かし方」を探ることがテーマ。 私の理解では内田氏の着眼は三つに分けられる、すな...
茶道、能楽、相撲、あるいは漫画家(井上雄彦!)など、身体動作にこだわりをもった人たちと、合気道家である内田氏との対談集。 私の要約では、「心身を常に快適でいさせるための(日本人ならではの)からだの動かし方」を探ることがテーマ。 私の理解では内田氏の着眼は三つに分けられる、すなわち、①美しい所作は周囲の人々に伝わる(同期する)、②無駄のない所作は「快」につながる、③その所作には日本固有のありかたがある。 ①②はわかるんだが、③はいつもの内田節、というか、「日本固有の動き」に割と強引に話を収れんさせている印象なきにしもあらず。 たとえば、日本ならではの周囲との同調は「(西洋的な)オーケストラの指揮者のドライビングとはだいぶ違う」というような発言があったが、そうかな?オケが巨大な有機体になったときの一体感は指揮者の統制の結果だけとは限らない、というのが私の実体験。 それに、日本ならでは、といいつつバスケやラグビーについても言及。それなら、例えばヨガインストラクターと会話しても、ここで論じられているような身体性について共通点が見つかるのではないか?私としては、むしろ日本ローカルではない身体と精神の普遍的関係にこそ関心があるのだが。 といった疑問はありつつも、身体と精神、他者との交歓といったテーマに興味のある人にとっては非常に面白い本。 長くなったが、つよく印象に残った合気道家多田宏先生の発言を最後に引用。 「(昔の道場には)海軍の将官や有名な政治家が多かったですが、その先輩方は別に実用的な格闘技として習っていたわけではないでしょう。とっさの場合の判断力とか、新しい方針の決め方とか、そういう基本的な命の力をつけることが稽古の目的だったと思います」(P121 )。 基本的な命の力。そう、これが欲しいのです。
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