進化の教科書(第1巻) 進化の歴史 ブルーバックス

カール・ジンマー(著者), ダグラス・J.エムレン(著者), 更科功(訳者), 石川牧子(訳者), 国友良樹(訳者)

• 販売会社／発売会社: 講談社
• 発売年月日: 2016/11/01
• JAN: 9784062579902

商品レビュー

2025/02/23

おもろそうなので軽い気持ちで借りてきましたが素晴らしい内容となかなかの歯応え（難易度）。これは図書館で2週間だけ借りて一度きり読むような類のものではなく買って何度も読むべきものですね。（といいつつ買わない）

各章の終わりに簡単なクイズが待ってます。
知らずに第1章を読み終えた私は「えっ、聞いてない」となりましたが一応トライ。正解率は3-4割？
これじゃ全く読んでないのと一緒じゃんよと、2章からはもう少し真剣に読んだところ残りのクイズはほぼほぼ正解となりました。よかた。こうやって内容確認のチェックをしてくれるのはありがたかったです。（誰も見てないんだけど自尊心のために覚えながら読もうという気になりました。章終わりのテストをクリアするために。）

2章でしたかね。キリンが6種だと初めて知りました。（Wikiでは1→6→4→3となってるような気もしますが）模様は。。。確かにアミメキリンは明らかに違うなとは思うものの残りは個体差にしか見えない。でもいくら私には同じに見えたところで、自然界だと交配が起きないとな。（動物園では交配）ならばやはり彼らは「俺とあいつは違ぇから」と避けてるってことですね。同じに見えるけど別種なんだ。
グラデーションだけど。

最も私好みだったのは4章。
損失回避、プロスペクト理論は投資に関する本でも「人間って損失に関してめっちゃバイアスあんで。自覚しぃや。（損を過大評価するから精神安定を考えた上で長期投資に臨むんやで）」と　繰り返し語られることが多いが、オマキザル実験でも同じように見られたと。へー。人とオマキザルの共通先祖が3500万年前頃に生きていたのだから、我々の不合理な損失回避行動もそれくらいの歴史あると予測されてる。
じゃあもう自分でどうこう出来るレベルじゃなくない？逃れらんねぇじゃん。

アメリカの有名大学で教科書として使用されている内容を抜粋して3冊にまとめたらしいけど、こんなにも分かりやすく（難解だけど）丁寧に万人向けの本を作り出せるのにキリスト教もしっかり根付いてんだよねぇあの国。（たまに優秀な科学者でありながら敬虔なキリスト教徒とか見かけますがあれってどういうことなんですかね。毎度毎度思いますけどイエスも別に病人治したり水の上歩いたり水をワインに変えたりしなくていいから太陽系の惑星の順番を太陽を中心に正確な直径比率で書くとか、アノマロカリスやハルキゲニアの絵を描くとか、クマノミ描いて男と女の間に双方向矢印（男女の垣根なんて移動すんのよ）書くとか、そういうことしてくれてればさすがに他の宗教も一発KOだったのにねぇ。まぁ無理だけど。知らなかっただろうから。）
不思議な国だなぁ。でも白人達が自我のジレンマに最も苦しんでるのかもね。

2023/05/14

アメリカの大学で使われている教科書を、少し縮めて章立てを並び替えて三分冊にしている。サイエンスライターのカール・ジンマーが執筆に加わっているのがおもしろい。中身はたしかに教科書らしい構成と書きぶりなのだが、読み物としても楽しめるバランス。

「種」概念というやつが意外と曖昧であることを知った。キリンなんてキリンにしか見えないが、実は6つの異なる種から成るという説もあるそうだ。

進化のタペストリーを引きのアングルで捉える大進化。

2021/08/16

「進化」については、誰もがなんとなく分かったような気になっていて、それでいて困った誤解も非常に多い分野でもあります。きっちりと学ぶ必要が出たときには、最初に頑張って読む本としては、現時点では一番お勧めの本でといえそうです。
ただし、サラッと読んで理解できるタイプの本ではなく、それなりに根気が必要です。