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赤毛のゾラ(上) 福音館文庫 物語
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 福音館書店 |
| 発売年月日 | 2016/11/10 |
| JAN | 9784834083064 |
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赤毛のゾラ(上)
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赤毛のゾラ(上)
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商品レビュー
4.5
2件のお客様レビュー
こどもたち、生きろ、生きろ、たくましく! 孤児の登場するかつての児童文学の定石をふまへつつ、しっかりとこどもたちを主人公にすゑた娯楽小説の名作だと思った。 赤毛のアンではない。「赤毛のゾラ」だ。「長くつ下のピッピ」に影響をあたへたらしく、まったく存在を知らなかった。「魔女の宅...
こどもたち、生きろ、生きろ、たくましく! 孤児の登場するかつての児童文学の定石をふまへつつ、しっかりとこどもたちを主人公にすゑた娯楽小説の名作だと思った。 赤毛のアンではない。「赤毛のゾラ」だ。「長くつ下のピッピ」に影響をあたへたらしく、まったく存在を知らなかった。「魔女の宅急便」を買はうとして、となりのこの本にぴんときた。 クロアチアを舞台にした有名な児童文学で、ドイツ人のクルト・ヘルト(Kurt Kläber)は「赤いゾラとその一味」(Die rote Zora und ihre Bande)といふ題名をつけてゐる。英語版では、「ウスコック城ののけ者たち」(The Outsiders of Uskoken Castle)で知られる。 訳文から、ながれるやうにとびだす植物のなまへ、鳥のなまへ、自然のけしきがあらはれて、都会では体験することのない空気にさそはれた。 主人公・ブランコの母が死ぬかなしさからはじまる物語も、はらんな冒険をへて帰還する。 うでっぷしの強い女の子のゾラといっしょに、他の仲間には内緒で城をあがる。コウモリの間を抜けた先で、階段のすきまにチョウゲンボウのひなが見えて、いとしく思ふ場面。ウスコックのてっぺんからながめた景色が手にとるやうに伝はってくる。こころがあたたかくなる。 ブランコとゾラ、そしておじいさんが舟に乗って漁に出る光景。そのシーンはいつまでも忘れないとおもふ。 西村ツチカ氏の絵は、ぼくら大人だけでなく、こどもの想像力をかきたてる。ぴったりのおくりものだ。ディケンズの「荒涼館」のさしえをおもひうかべた。なによりゾラの造形が淡白な線によってかたちづくられて、かはいいのだ。
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- ネタバレ
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1940年頃、クロアチアの港町セニュに暮らす貧しい12歳の少年ブランコは、母を亡くし孤児となった。空腹の彼は落ちていた魚を拾ったことで泥棒として捕らえられるが、赤毛のゾラと名乗る少女が脱獄を手助けし、他3人の孤児の少年とともに彼を仲間に迎え入れる。古城ネハイ城を隠れ家に「ウスコックの戦士」を自称ししたたかに生きる彼らだが、ある事件を契機に市長や警察から追われることになる。 お金や身寄りはなくても元気いっぱいに力強く生きる少年少女と、彼らを疎んじたり、彼らに共感して協力したりする、周囲の人々の姿を描く。 孤児となってしまったブランコを、ゾラが助け仲間に入れたことは救いだが、それにしても彼らの置かれた状況があまりにひどく、胸が痛んだ。 それに負けず彼らの行いもひどいもので、生きるために必要な盗みに加えて、友人をいじめた中学生に一人一人復讐していくとか、市長への贈りものの大マグロを死んだ犬にすり替えてしまうとか。 保護してもらえない子どもが、いかに逸脱した行動をとるものか、と、この点からも読むのが辛かった。 救いは、彼らを対等に扱い、最後には大演説をして彼らの将来を開いた漁師のゴリアンじいさんや、オオヤマネコから助けたポラチェク夫婦、パンを分けたり匿ったりしたチュルチン。 彼らの温かい保護が結果的に彼らの言動を穏やかにし、治安維持にも役立つと教えてくれる。 また、漁場や魚の販売を巡る水産会社と漁師とのやり取りは、持つ者と持たざる者との不公平競争について考えさせる。 ホテルオーナー・マルチェリンの「金持ちの子が貧しい子になにをしてもいいなんて道理が立たないことを、うちの息子もそろそろ気づいていいころだ。そうすれば、うちが貧しい人たちのおかげでやっていけてるってわかるでしょうから」の意見がこれを象徴する。 少し荒っぽいけど、若いエネルギーと、それを見守る愛情をたくさん感じることができる。 中学生対象本の候補だが、高学年で十分。
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