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赤毛のゾラ(上) 福音館文庫 物語
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商品詳細
内容紹介 | |
---|---|
販売会社/発売会社 | 福音館書店 |
発売年月日 | 2016/11/10 |
JAN | 9784834083064 |
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赤毛のゾラ(上)
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商品レビュー
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「1940年ごろのクロアチア、アドリア海に面した港街セニュ。街に住む12歳の少年ブランコは、母親を亡くし、天涯孤独の身となる。ゆく当てもなく途方に暮れ、空腹に耐えかねたブランコは、落ちていた魚を拾ったために捕まり、投獄されてしまう。一部始終を見ていた赤毛の少女ゾラは、仲間のみなし...
「1940年ごろのクロアチア、アドリア海に面した港街セニュ。街に住む12歳の少年ブランコは、母親を亡くし、天涯孤独の身となる。ゆく当てもなく途方に暮れ、空腹に耐えかねたブランコは、落ちていた魚を拾ったために捕まり、投獄されてしまう。一部始終を見ていた赤毛の少女ゾラは、仲間のみなしごたちとともにブランコを牢屋から救い出す。『長くつ下のピッピ』のモデルとされ、ヨーロッパの少年少女に愛されてきた冒険物語。」
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1940年頃、クロアチアの港町セニュに暮らす貧しい12歳の少年ブランコは、母を亡くし孤児となった。空腹の彼は落ちていた魚を拾ったことで泥棒として捕らえられるが、赤毛のゾラと名乗る少女が脱獄を手助けし、他3人の孤児の少年とともに彼を仲間に迎え入れる。古城ネハイ城を隠れ家に「ウスコックの戦士」を自称ししたたかに生きる彼らだが、ある事件を契機に市長や警察から追われることになる。 お金や身寄りはなくても元気いっぱいに力強く生きる少年少女と、彼らを疎んじたり、彼らに共感して協力したりする、周囲の人々の姿を描く。 孤児となってしまったブランコを、ゾラが助け仲間に入れたことは救いだが、それにしても彼らの置かれた状況があまりにひどく、胸が痛んだ。 それに負けず彼らの行いもひどいもので、生きるために必要な盗みに加えて、友人をいじめた中学生に一人一人復讐していくとか、市長への贈りものの大マグロを死んだ犬にすり替えてしまうとか。 保護してもらえない子どもが、いかに逸脱した行動をとるものか、と、この点からも読むのが辛かった。 救いは、彼らを対等に扱い、最後には大演説をして彼らの将来を開いた漁師のゴリアンじいさんや、オオヤマネコから助けたポラチェク夫婦、パンを分けたり匿ったりしたチュルチン。 彼らの温かい保護が結果的に彼らの言動を穏やかにし、治安維持にも役立つと教えてくれる。 また、漁場や魚の販売を巡る水産会社と漁師とのやり取りは、持つ者と持たざる者との不公平競争について考えさせる。 ホテルオーナー・マルチェリンの「金持ちの子が貧しい子になにをしてもいいなんて道理が立たないことを、うちの息子もそろそろ気づいていいころだ。そうすれば、うちが貧しい人たちのおかげでやっていけてるってわかるでしょうから」の意見がこれを象徴する。 少し荒っぽいけど、若いエネルギーと、それを見守る愛情をたくさん感じることができる。 中学生対象本の候補だが、高学年で十分。
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