商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 講談社 |
発売年月日 | 2016/06/20 |
JAN | 9784062940368 |
- 書籍
- 文庫
風は青海を渡るのか?
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風は青海を渡るのか?
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商品レビュー
3.8
72件のお客様レビュー
Wシリーズ3作目。見え隠れするマガタシキ博士の存在。人の寿命が100年以上の世界。技術の進化。義体ではなく新細胞で老化を先送りにした世界。ただ、そこには新生児はうまれにくい事実があり、ゆるやかな老いがあるだけ。ウォーカロンという人工細胞で作られた生命体は存在している。人間との差は...
Wシリーズ3作目。見え隠れするマガタシキ博士の存在。人の寿命が100年以上の世界。技術の進化。義体ではなく新細胞で老化を先送りにした世界。ただ、そこには新生児はうまれにくい事実があり、ゆるやかな老いがあるだけ。ウォーカロンという人工細胞で作られた生命体は存在している。人間との差はほとんどないとはいうが、全体でリンクされているとは語られる。圧倒的な世界観で、人の変わらなさと社会の変容とウォーカロンのかかわりとがないまぜになって、どこに連れて行かれるのだろうかという楽しみと不安がないまぜになる。
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p46 「目にすれば失い、口にすれば果てる」 p119 「だいたい、そういった分野では、一人で活動できない。何人かで協力し合う場合が多い。自然に、そんな中からリーダが生まれる、というわけ」 p134 もはやせまい窓からキーツの部屋をのぞきこむ観光客はいなかったし、詩人の末期の眼に映った最後の光景を見ようともしなかった。 p200 ウォーカロンは、全体でリンクしています。 p249 「私はどこから来たのか、私は何者か。私はどこに行くのか?」 引用は、アルフレッド・ベスターの『虎よ、虎よ!』。 シリーズ3作目。まだ近い未来の展開中という感じ。何かで書いていましたが、シリーズものは最初はつまらなく書くと(もちろんその中にもいくつかの優れた部分があるのでしょうが)。徐々に世界は明るみに、またストーリーのテンポと構成もエンタメに振り切るのかなと想像。だいたい半分(5作?)行ったところからギアが上がるのを期待。ウグイとのやりとりもほぼサービスのようなもの。 本シリーズ、ただの幻想小説として読めない。優れた研究者、作家、語弊はあるけど頭の良い人。だからその世界情勢や人との関係やテクノロジーの数々は自分の見ることのない未来のように思えてならない。 数年か数十年のラグはあるものの言ったこと、思ったことがだいたい当たる著者のことだから適当に書いているわけではなさそう。 攻殻の『機械たちの時間』を彷彿する。すべてのAIやアンドロイドが意識を共有する未来。素敵。と無責任に思える時代に今私はいる。
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