商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 東京創元社 |
発売年月日 | 2016/02/01 |
JAN | 9784488010515 |
- 書籍
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プラハの墓地
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プラハの墓地
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商品レビュー
3.5
29件のお客様レビュー
『シオン賢者の議定書』を小説のプロットに組み込み、歴史的事実と創作を織り交ぜて展開する、歴史小説。更に、主人公が二重人格という設定で、正直言うと、あまり楽しめなかった。ウンバルトエーコの小説は難解で、時代背景への基礎知識が必要だそうで、それが足りなかったという事。反省しなければな...
『シオン賢者の議定書』を小説のプロットに組み込み、歴史的事実と創作を織り交ぜて展開する、歴史小説。更に、主人公が二重人格という設定で、正直言うと、あまり楽しめなかった。ウンバルトエーコの小説は難解で、時代背景への基礎知識が必要だそうで、それが足りなかったという事。反省しなければならない。 例えば、プラハの墓地というタイトル。300年以上もの間、プラハでユダヤ人が死者を埋葬できる唯一の場所であり、15世紀半ばにプラハのユダヤ人地区であるヨゼフォフに設立され、長い年月をかけて約10万人が埋葬されたらしい。そしてプラハのユダヤ人墓地は、歴史上最も有名な反ユダヤ主義的陰謀の一つである「シオンの議定書」が生まれた場所でもあるのだ。 タルムード経典に記載された、選民のユダヤ人が非ユダヤ人(動物)を世界支配するという実現化への方針の道筋の陰謀論。 現代でもこうした陰謀論、プロパガンダやフェイクニュースがインターネット上に蔓延している。本書により、差別のメカニズム、作為に絡め取られる人間の性質を学べたら良かったのだが。虚実、人格の入れ子構造についていけず。
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虚実入り混じった現代の情報過多社会そのもの。映画「幻滅」同様に、フェイクニュースに煽られる人々の様を描いています。人はなぜ破滅をもたらすと分かりきった嘘を信じてしまうのでしょう。世界はシモニーニに溢れています。
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長らく積読していたが、ようやく読み終えた。疲れた。 エーコは、「フーコーの振子」でも陰謀論や狂信者を扱っていたし、「パウドリーノ」では天才的嘘つきを描いていたのだが、ここでは陰謀論の大博覧会の影の主人公を作り上げる。欧州近現代史の大事件の数々が一人の陰気な捏造家によってお膳立てさ...
長らく積読していたが、ようやく読み終えた。疲れた。 エーコは、「フーコーの振子」でも陰謀論や狂信者を扱っていたし、「パウドリーノ」では天才的嘘つきを描いていたのだが、ここでは陰謀論の大博覧会の影の主人公を作り上げる。欧州近現代史の大事件の数々が一人の陰気な捏造家によってお膳立てされていたという具合。 「パウドリーノ」も、フリードリヒバルバロッサは死ぬわ、コンスタンチノープルは陥落するわ、司祭ヨハネの国を目指して大旅行するわ、アサシンは出るわ、何でもありなんだが、読んで楽しく笑える話だった。 こっちは、ずっとどんよりした冬の空の下にいる感じで、気分が晴れるところがない。登場する陰謀論が、いまだに信者を集めているのも、気持ちが晴れない原因。大作だし、緻密な構成だし、凄いことは認める。
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