商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 悠書館 |
発売年月日 | 2015/12/01 |
JAN | 9784865820089 |
- 書籍
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やぶにらみ 鳥たちの博物誌
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やぶにらみ 鳥たちの博物誌
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イギリスのノンフィクションが面白い、と先日読んだ本に書いてあったが、まさにそのとおりだ。本書もイギリス原産。 まえがきが泣ける。 英語には鳥にちなんだ表現が多く、語彙を豊かにしている。なのに、現代の平均的な教養人は100年前に比べてこの国の鳥についてはるかに少ない知識しか持っ...
イギリスのノンフィクションが面白い、と先日読んだ本に書いてあったが、まさにそのとおりだ。本書もイギリス原産。 まえがきが泣ける。 英語には鳥にちなんだ表現が多く、語彙を豊かにしている。なのに、現代の平均的な教養人は100年前に比べてこの国の鳥についてはるかに少ない知識しか持っていない。 単語や言い回しに鳥の足跡があるのにそれに気づかない。鳥のさえずりは詩人に賞賛されてきたのに、その声を知らないから文学の鑑賞が難しくなる。鳥のことを忘れるのは、国語や文化から遠ざかることにほかならない、と。 花鳥風月を愛でてきた我が国にも、まさに言えることである。 だが俺様は鳥のこと知ってるもんね〜と読みだしたが、残念ながらか、嬉しい誤算か、知らないネタが満載であった。まあ、国が違うしね、と言い訳。 でも、たとえばヨタカ。歴史上、ヨタカほど怪しまれ、怖がられ、真っ向から悪しざまに言われた鳥は珍しい、と。ヨタカの鳴き声は人間の目玉をすすりこむ音だとか、悪魔のヨタカだとか冥土の鳥だとか。宮沢賢治の「よだかの星」のネタは出てこないが、そうかやっぱりヨタカとはそういう扱いだったのか、名誉回復を図ってあげたいな、などと思う。 絶滅したと思ったら300年後に見つかった種や、あまりにも分類を細分化したために分類的絶滅に追いやられてしまう種。人間ってある意味阿呆だなあ、と思う。文学を楽しむ教養を得る本であったが、近道して文学の結論にたどりついてしまった。 でも目的は文学を味わうためだけではない。やはり、鳥がどう生き、どう人が関わってきたか、そこには叡智もあれば無知もある。だがそれもいい。 一つ一つのコラムは短いけれど、根底に鳥と人類への愛がある、なんていったら褒め過ぎかなあ。でも許して。鳥が好きで本が好きなの。
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