商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 幻冬舎 |
発売年月日 | 2015/07/01 |
JAN | 9784344423749 |
- 書籍
- 文庫
歓喜の仔
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歓喜の仔
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商品レビュー
3.5
21件のお客様レビュー
久しぶりの天童荒太の本。 この人の作品は、ひとつひとつにもの凄く力が入っていて、じっくり創作、制作されているので、バンバン創刊されるわけではない。 以前に読んだのが、「悼む人」 直木賞作品で、映画にもなったけど、私は全然共感できなかった。 つまり面白くなかった。 それに比べて...
久しぶりの天童荒太の本。 この人の作品は、ひとつひとつにもの凄く力が入っていて、じっくり創作、制作されているので、バンバン創刊されるわけではない。 以前に読んだのが、「悼む人」 直木賞作品で、映画にもなったけど、私は全然共感できなかった。 つまり面白くなかった。 それに比べて、この「歓喜の仔」は面白かった。 面白いといっても、もの凄く暗く、重く、救いようのないストーリーなんだけどね。 高校生、小学生、幼稚園の3人の子供が主人公。 多大な借金を背負った父親は借金取り(ようはやくざ)に追い詰められ失踪。 母親も精神を患い自ら窓から転落し植物状態に。 家族を養うために長男は高校を中退し、早朝から深夜まで働きづめ。 その給料は借金の方にほとんど持っていかれ、生きていくため借金取りのやくざに言われるまま、覚せい剤の調合を小学生の弟とやらされる。 小学生の弟は、植物状態の母親をアパートで介護し、同時に妹の面倒を見る。 幼稚園の妹は、母親が倒れてからおかしな行動を取るようになってしまう。 兄弟3人と父親、母親の5人の物語が断片的に綴られていく。 その中で長男は、自分の中に同様な境遇を持った戦場で暮らす少年のストーリーを展開し、自分と重ね合わせていく。 やくざのような人間達と付き合い、騙し、騙されが当たり前の生活の中で、最後には兄弟達が信頼しあって、これからも生きようとしていく。 かなり好みが分かれると思うけど、「永遠の仔」とともに、この本もかなりお勧めです。
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- ネタバレ
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家族に何かしらの問題があったと思われる環境で生活する3人の兄弟妹の話である。 この3人の兄弟と妹に、救いが訪れることは絶対にないと思わせられるストーリーの展開に終始読んでいてつらかった。 かすかな希望を残して物語は幕を閉じたように思えるが、3人にはこれからつらく険しい道のりが待ち受けていることは確実であり、手放しには喜べない。
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父は借金を残して失踪、母は心を失って寝たきり、残された三兄妹。そんな状態でも借金取りは容赦なく返済を迫り、長男と次男は覚醒剤の袋詰めという内職をやらされることになる。長男はその筋の人たちに利用されるが自分の頭で考えて行動し、次男は家族を守るために秘密を必死で守る。末の妹はまだ幼稚...
父は借金を残して失踪、母は心を失って寝たきり、残された三兄妹。そんな状態でも借金取りは容赦なく返済を迫り、長男と次男は覚醒剤の袋詰めという内職をやらされることになる。長男はその筋の人たちに利用されるが自分の頭で考えて行動し、次男は家族を守るために秘密を必死で守る。末の妹はまだ幼稚園ながらも自分が良いと判断したことを行動に移していく。 それぞれが大事なものを守るため、必死で行きていく話。 物理的には幸せにならないが精神的な幸せにすがって兄妹が生きていく話という印象。兄妹それぞれが大事と思える人と出会って彼らとの絆を守りつつ根底では家族がしっかり結びついているみたいな感じ。 読解力がいまいちなせいか、言いたいことにインパクトがなく、ただ長いだけのように感じた。
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