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最後の詩集
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最後の詩集

長田弘(著者)

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最後の詩集

1,980

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 みすず書房
発売年月日 2015/07/01
JAN 9784622079323

最後の詩集

¥1,980

商品レビュー

4.1

9件のお客様レビュー

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2026/06/03

詩の仕事は、農耕の仕事と同じだ。 詩人は、古来、霞を食べて 感受性の畑を耕すことをなりわいとする 言葉の農夫だったのだから。 ほかに、何の理由が必要だろうか。 こんな言葉があった。 詩集を読むと、「ああ、そんな風に世界を見ている人もいるのか」と思ったりする。 自分...

詩の仕事は、農耕の仕事と同じだ。 詩人は、古来、霞を食べて 感受性の畑を耕すことをなりわいとする 言葉の農夫だったのだから。 ほかに、何の理由が必要だろうか。 こんな言葉があった。 詩集を読むと、「ああ、そんな風に世界を見ている人もいるのか」と思ったりする。 自分の世界の見え方は、自分だけのものであって、他人とは違うのだ。 だから争ったり、嬉しかったりする。 こんなことも言っていた。 大きな金木犀を見るたびに考える。 行為じゃない。生の自由は存在なんだと。 人生を渡っていくのは大変なことのように思えるが、実はそんなものではなく、もっと気楽に、緩く考えてもいいのかもしれないな、とこの詩集を読んで思った。

Posted by ブクログ

2025/02/05

長田弘さんの詩集ですね。 2015年の5月に亡くなって、その年の7月に発行された、文字通り「最後の詩集」です。  15篇の詩と6篇のエッセイが綴られています。  エッセイは、イラストレーターの大橋歩さんの可愛らしい絵が飾られていて、愉しい絵本のようでした。      『冬の金木...

長田弘さんの詩集ですね。 2015年の5月に亡くなって、その年の7月に発行された、文字通り「最後の詩集」です。  15篇の詩と6篇のエッセイが綴られています。  エッセイは、イラストレーターの大橋歩さんの可愛らしい絵が飾られていて、愉しい絵本のようでした。      『冬の金木犀』  秋、人をふと立ち止まらせる  甘いつよい香りを放つ  金色の小さな花々が散って  金色の雪片のように降り積もると、  静かな緑の沈黙の長くつづく  金木犀の日々がはじまる。  金木犀は、実を結ばぬ木なのだ。  実を結ばぬ木にとって、  未来は達成ではない。  冬から春、そして夏へ、  光をあつめ、影を畳んで、  ひたすら緑の充実を生きる、  葉の繁り、重なり。つややかな  大きな金木犀を見るたびに考える。  行為じゃない。生の自由は存在なんだと。      『ハッシャバイ』  昔ずっと昔ずっとずっと昔  お月さまがまだ果物だった頃  神さまは熟したお月さまを摘んで  世界の外れにある大きな戸棚に  仕舞ってからぐっすり眠った  世界は眠ったみんな眠った  おやすみなさいと闇が言った  おやすみなさいとしじまが言った  ハッシャバイ(静かに眠れ)  人生は何でできている?  二十四節気八十回と  おおよそ一千個の満月と  三万回のおやすみなさい  そうした僅かな真実で     『One day』  昔ずっと昔ずっとずっと昔  朝早く一人静かに起きて  本をひらく人がいた頃  その一人のために  太陽はのぼってきて  世界を明るくしたのだ  茜さす昼までじっと  紙の上の文字を辿って  変わらぬ千年の悲しみを知る  昔とは今のことである  黄金の徒労のほかに  本の森のなかに何がある?  何もなかったとその人は呟いた  構わないじゃないかと太陽は言った  Forever and day  一日おまけ付きの永遠  永遠のおまけである  一日のための本  人生がよい一日でありますように  静かに人生を見つめる詩人の心情がつづられているのを、ゆっくりと味わいながら噛み締めました。  『とりとめもない、ささやかな、お気に入りのリスト(音楽家)。しかし、よき人生なんて、もともととりとめもない、ささやかな、お気に入りの人生にすぎないのではないだろうか。』と、エッセイでかたられています。  子供たちにも、詩の魅力を教えてくれた、長田弘さんの人生がとりとめもないとは、思えませんが!

Posted by ブクログ

2024/07/25
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

長田弘さんの詩集3冊目 『カタコンベで考えたこと』から 誰一人、生きていない。 けれども、誰一人、死んでいない。 (中略) 数千の、むくろの、 時の波紋のような、静寂。 激情はない。恐怖も。追憶も。 『アレッツォへ』より 生きられた人生の後に、 人が遺せるのはきれいな無だけ。 時の総てが過ぎ去っても、 なおのこる、軽やかでいて 濃い空の青だけだ。 長田弘さんの晩年の作品集。 死の予感なのか、死を見つめ、真実を探し 詩とともに最後の生を生きている。 後半のエッセイは明るくかつ趣がある。

Posted by ブクログ

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