最後の詩集 の商品レビュー
前半のシチリア、イタリアへの旅の断片に立ち上がる失われたものへの慈しみの眼差し、シチリアへ行ってみたくなります。 後半のエッセイ6編「日々を楽しむ」も挿絵とともにほっこりします。
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あまり詩は読まないので、良し悪しの判断ができず。 後半の日々を楽しむ、というコラムは楽しく読めた。 その一つの「ネムルこと」から ネルムには色々な漢字がある 睡る うつくしく、余計なものがない 眠る 目覚めるまでの中断、休止 寝る 夢魔に侵されて寝伏しする 瞑る 死に至る 言葉...
あまり詩は読まないので、良し悪しの判断ができず。 後半の日々を楽しむ、というコラムは楽しく読めた。 その一つの「ネムルこと」から ネルムには色々な漢字がある 睡る うつくしく、余計なものがない 眠る 目覚めるまでの中断、休止 寝る 夢魔に侵されて寝伏しする 瞑る 死に至る 言葉への細かい解釈が伝わってくる。
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2回続けて読んで、詩を味わい、楽しめた。そして、2回と言わず、何度も読み返したいと思う詩集。 「シシリアン・ブルー」と題した詩 どこまでも、どこまでも 空。どこまでも、どこまでも海。 どこまでも、どこまでも 海から走ってくる光。 遠く、空の青、海の青のかさなり。 ...
2回続けて読んで、詩を味わい、楽しめた。そして、2回と言わず、何度も読み返したいと思う詩集。 「シシリアン・ブルー」と題した詩 どこまでも、どこまでも 空。どこまでも、どこまでも海。 どこまでも、どこまでも 海から走ってくる光。 遠く、空の青、海の青のかさなり。 散乱する透明な水の、 微粒子の色。晴れあがった 朝の波の色。空色。水色。 こんな出だしで始まるこの詩。 青い海、青い空が浮かび上がってくる。 そこに感じるのは静寂。 そんな、この詩の締めくくりは・・・ 三千年の歴史だって一日に如かない。 朝から夕方までそして夜まで、 人は、一日一日を生きて、 いつかいなくなるのだ。 ただ、青い世界を 後にのこして。 寂しさを感じるものの、潔さも感じる。 最後に収められている詩が「One day」 人生がよい一日でありますように との言葉で締めくくられている。 「今日が」ではなく、「人生が」。 人生は一日一日の積み重ね。 冒頭の「シシリアン・ブルー」との呼応が素晴らしいなと感じた。
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死を明確に意識していたであろう名詩人が最後の日々に綴った、イメージに富む明晰な言葉たち。 詩篇の一つ一つどれもが生のすばらしさ、この世界とそれを彩る自然の美しさを慈しむかのようだった。 すばらしい詩集だ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
2015年刊。 好きなところを抜粋。 「シシリアン・ブルー」 どこまで空なのか、どこから海なのか。 見えるすべて青。すべてちがう青。 藍、はなだ、紺、瑠璃、すべてが、 永遠と混ざりあっている。 「詩って何だと思う?」 一日をはじめるのに必要なのは、 朝のコーヒーの匂いと、詩だ。 思うに、歳をとるにつれ 人に必要なものはふたつ、 歩くこと、そして詩だ。 「One day」 本の森のなかに何がある? 何もなかったとその人は呟いた 構わないじゃないかと太陽は言った Forever and a day 一日のおまけ付きの永遠 永遠のおまけである 一日のための本 人生がよい一日でありますように
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長田弘 「 最後の詩集 」 薄い本だが 3つの世界を楽しめる構成。最初は 境界線の曖昧な世界観(生と死、海の青さと空の青さ、文明と自然)を感じる詩、2つ目は 生き方を問う詩、3つ目は 著者の明るさを示すエッセイ 境界線の曖昧な世界観 *海の青さ、空の青さ(セレスト)→異色だが同...
長田弘 「 最後の詩集 」 薄い本だが 3つの世界を楽しめる構成。最初は 境界線の曖昧な世界観(生と死、海の青さと空の青さ、文明と自然)を感じる詩、2つ目は 生き方を問う詩、3つ目は 著者の明るさを示すエッセイ 境界線の曖昧な世界観 *海の青さ、空の青さ(セレスト)→異色だが同色 *墓地の死と自分の生→区別できない世界 *文明と自然物 中盤の詩は 生き方を問うている。平易な文の中に 深い哲学 後半のエッセイは 著者の天性の明るさ、ストレスフリーな生き方
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