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本を読むときに何が起きているのか ことばとビジュアルの間、目と頭の間
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | フイルムアート社 |
発売年月日 | 2015/06/01 |
JAN | 9784845914524 |
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本を読むときに何が起きているのか
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商品レビュー
3.6
36件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
カリスマ装丁家による「「文学XデザインX現象学」の探求の書物(帯より)」 とはいっても難しい内容ではなく、警察の似顔絵ソフトによるアンナ・カレーニナの似顔絵が載せてあったり音符が出てきたりと、面白い試みがされている。 登場人物は暗号である。そして物語は省略によってより豊かになる。(P31) 私は著者と同じ考えで、作品内で人物があまりきっちりと描写されると想像の幅が狭くなるので曖昧なほうが好みですが、若い人にはイラスト入りのほうがいいんだろうなぁ…。 年齢を重ねて若い頃の読書とは変わってきたことの答えも書かれていて「それはそう」と感じました。 川という言葉は、(中略)この言葉にはあらゆる川だけでなく、すべての私の川を含んでいるということだ。(P302) 私にとっての「川」は幼い時よりも今はもっと広がりを持った言葉になっているし、さらに様々な体験をして言葉を広げていきたいな。 『アンナ・カレーニナ』「灯台へ』『白鯨』あたりを既読の人はより面白く読める本だと思います。私は『アンナ・カレーニナ』だけ既読で理解が追い付かない箇所がありました。 **************************************** 本というものが映画やテレビと言ったものからは得られない唯一無二の喜びを与えてくれるから、人は本を読むのだ。(P192) つまり、時に我々は見たくないのだ。(P192) 言葉が効果的なのは、その中に何かを含んでいるからではなく、読者の中に蓄積された経験の鍵を開けることができるという潜在的な可能性があるからだ。(P302)
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「小説における登場人物の顔や声は、誰のものなのか?」この本を読まなければ一生思い出すこともなかったであろう、本当に些細な疑問である。言葉の向こう、言葉が指す何かを見通す、読書という行為。やはり面白い。
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本を読むときに、頭の中で何が起こっているのか。 本書を読むと、この日常的な行為が、実はとても複雑な、混沌とした、まだ明確には分かっていない動作の集合体であることに気付かされます。また、様々なメディアが溢れる中、改めて「読む」という行為を捉え直す機会になりました。 特に腑に落ち...
本を読むときに、頭の中で何が起こっているのか。 本書を読むと、この日常的な行為が、実はとても複雑な、混沌とした、まだ明確には分かっていない動作の集合体であることに気付かされます。また、様々なメディアが溢れる中、改めて「読む」という行為を捉え直す機会になりました。 特に腑に落ちたのが、 脳の外にある情報は、どれだけ整理されたものであっても、脳にとっては「ろ過されていない暗号化された信号」であり、読者は「作家の世界観をできるだけ自分たちの中に飲み込んで、私たちの思考の中にある蒸留機の中で、その素材を自分たち自身の世界と混合し、組み合わせ、何か唯一独特のものに変質させる」。これが読書であり、「本を読むことは、読者が世界を知るためのこの手順の反映」であるという流れです(P402)。 昨今、複雑な内容を分かりやすく解説する映像、MRなどなど、様々なメディアが進化しています。ただ、本を読むことは、世界を理解するためのトレーニングとして、未だ、そして今後も重要な位置を占めるのかも?と感じました。 それから、内容に加えて、ブックデザイナーが制作されてただけあって、デザインが面白い。読書の過程で頭の中で発生しているであろうことを、視覚的に描こうと試みが素晴らしいと思いました。 おそらく一読して把握することは難しい内容。自分にとって、本書は時間を空けて、何度も噛み締めるように読みたい本になりました。
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