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大不況には本を読む 河出文庫
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大不況には本を読む 河出文庫

橋本治(著者)

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大不況には本を読む 河出文庫

704

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 河出書房新社
発売年月日 2015/06/01
JAN 9784309413792

大不況には本を読む

¥704

商品レビュー

4

8件のお客様レビュー

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2022/10/21

2009年の中公新書ラクレ版から13年後の景気回復の道筋が見いだせない今、この本を読むことは意味のあることだと思った。経済学者や為政者に言わせれば実現は難しいことなのかもしれないが、国会の議論などではもっとこの本に見られるような率直な議論がされるべきではないかと感じた。

Posted by ブクログ

2022/09/26

そもそも本書は2009年6月に中公新書ラクレとして刊行されたものを2015年に文庫化したもの。 取り上げている『大不況』は2008年秋から連鎖的に勃発した未曾有の金融危機・リーマンショックを軸に扱っており、およそ13年前に執筆された内容ながらもコロナ禍およびロシアによるウクライナ...

そもそも本書は2009年6月に中公新書ラクレとして刊行されたものを2015年に文庫化したもの。 取り上げている『大不況』は2008年秋から連鎖的に勃発した未曾有の金融危機・リーマンショックを軸に扱っており、およそ13年前に執筆された内容ながらもコロナ禍およびロシアによるウクライナ侵攻下の世界という’今’を生きる私達、わけても生まれながらにして『不況』しか経験していない若い世代にこそ読まれるベき一冊であると感じた。 まず第一に、本書は「『大不況の最中に本を読んで、景気を回復させよう』という種類のものではない」(p195)し、「本を読むことの徳」(p146、150)を滔々と説くものでもないし、「これを読めばOKという本なんかない」(p224)と回答している。 もっと『不況』という状態の事を総括的に捉え直し、「この大不況が収束したらどう生きるのか」(p87、88)、つまり「『どのレベル』に届いたら『景気は回復した』になるのか」(p80)を、’景気悪いなぁ’と漫然とボヤくだけではなくて、目安なりをしっかりと自らの頭で考えましょう、という旨を示している。 一方で、バブル景気の頃にただ戻れば良いかといえばそうではなくて、「みんなが金持ちになって『金持ちばっかり』になってしまった時だって、経済は動かないかもしれ」(p162)ず、「豊かになっても経済はそうたやすく循環するものでもない」(p167)という状態を、かつての日本は既に経験している。 それが即ち「一億総中流」を達成した1980年前後の「飽食の時代」であり、戦後復興を経てひたすら働き、貯蓄して貯め込んでもまだ働いてモノを作り続けた真面目な日本人は1985年にアメリカからの干渉を受けた際にこれまた真面目に応じた。これが「プラザ合意」であり、日本国内の内需を刺激してアメリカ製品・金融商品をこれでもかと買いこみ、結果バブルが膨れ上がり、まさに’泡沫の夢’の如くに弾け飛んで「失われた30年」時代になだれ込んで行く…のである。 不況の収束を考える際には「『我々はこの先どうあればいいのか?』を考えることこそ」(p188)が不可欠であり、つまりは「自分達のあり方」(同)、「人のあり方」(p12)を見つめ直す事であり、即ち「『今までのあり方』を振り返」(p233)るとは『本を読む』行為に繋がってゆくのである…という寸法である(意訳)。 何も本を読むだけが唯一の選択肢というつもりは私には無いが、「『過去』を拒絶」(p234)って結構割と現代社会を鋭く突いた一節ではあると感じている。 ’新しい価値観’や’アップデートされた社会’みたいなメッセージは耳触り良く聞こえるし、大事だと思うけど視線が未来に’しか’向いていないって事は「未来に備える経験値となる過去」(p236)を蔑ろにしている事であり「『壁にぶつかってしまった現在の先にある未来』を考える力」(同)を養う事が出来ず、結果何も考えない・考えられない…という先細った袋小路に迷い込んでしまう恐れを孕んでいると思う。 ’見たいものだけ見る’’考えたいことだけ考える’’聞きたいことだけ聞く’というのでは真に豊かな人生を送れよう筈もなく、だからこそ私は『本を読む』ことを続けていきたいと気持ちを新たにした次第でありました。 1刷 2022.9.26

Posted by ブクログ

2019/11/28

かつて「出版は不況に強い」といわれていたのですが、その後の不況のなかでは出版業界は振るわず、逆に「活字離れ」が問題だという嘆きの声が多く聞かれるようになりました。本書は、この事実についての考察を皮切りに、経済的な思考の「外」は、どこにあるのかということが追求されていきます。 戦...

かつて「出版は不況に強い」といわれていたのですが、その後の不況のなかでは出版業界は振るわず、逆に「活字離れ」が問題だという嘆きの声が多く聞かれるようになりました。本書は、この事実についての考察を皮切りに、経済的な思考の「外」は、どこにあるのかということが追求されていきます。 戦後の日本は、欲望は開放されてしかるべきだという発想に基づいて発展してきました。その後、バブルの崩壊を経験した日本は、「欲望は自分で抑えるもの」だという発想に舵を切ることもできたはずだと著者は指摘します。そうした発想の転換をおこなえなかったことが、経済的な思考の「外」に対して目を閉ざす結果につながったというのが、おそらく著者が本書で述べていることではないかと理解しました。 その上で著者は、経済的な思考の「外」に気づくためのリハビリテーションとして、「本を読む」ことを勧めています。ただし著者は、なにを読むべきなのかということを読者に向けて親切に教えるようなことはありません。むしろ、これまで日本が歩んできた発想の枠組みが行き詰まったことが明らかになったいまこそ、一人一人が「本を読む」ことでみずから考えなければならないというのが著者の主張なのであって、「で、どんな本を読めばいいでしょうか?」と質問するひとは、著者の主張を理解していないというべきなのでしょう。 議論の内容は、これまでの著者の主張のくり返しもまま見られるものの、おおむねおもしろく読むことができました。ただ、とくに前半に現代の経済状況について延々と議論がつづく割には、最初から結論が見えているような印象もあります。

Posted by ブクログ

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