商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 早川書房 |
| 発売年月日 | 2014/12/05 |
| JAN | 9784150701512 |
- 書籍
- 文庫
災厄の町 新訳版
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災厄の町 新訳版
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商品レビュー
3.9
44件のお客様レビュー
たぶん初クイーン。他のシリーズ作品を読んでいない(記憶に無い)ので、これが「シリーズ最高傑作」と言われても比較しようがないのだけど、シンプルなトリックかつ人間心理の深層がよく描かれていて、確かに面白かった。エラリー・クイーン氏のチャラすぎる描写だけはマイナスポイントにせざるを得な...
たぶん初クイーン。他のシリーズ作品を読んでいない(記憶に無い)ので、これが「シリーズ最高傑作」と言われても比較しようがないのだけど、シンプルなトリックかつ人間心理の深層がよく描かれていて、確かに面白かった。エラリー・クイーン氏のチャラすぎる描写だけはマイナスポイントにせざるを得ないけど、時代を感じさせない古典ミステリの傑作だと思う。 作品の主題とは少しずれるけど、村八分とか空気を読むとかの言葉に代表されるように、集団同調圧力が強いのは日本特有の現象なのかと思っていたんだけど、本作を読んでいてアメリカでもあんまり変わらないんだなというのが個人的に印象深かった。
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結婚したばかりのノーラが、「夫のジムが自分を毒殺しようとしているのでは?」と疑念を抱くところから始まる。 実際ノーラは毒の症状でずっと体調が悪いのだが、新年を迎えるパーティーの中、ノーラのグラスを奪い取ったローズマリー(夫の姉)が毒で死亡し、グラスを用意していたジムが疑われる。 ジムの無実を信じるノーラの家族たちだが、この町の人達にはこの一家を敵とみなすような態度をとられ、それでもあきらめずに戦う。主人公のエラリーも見捨てずに家族に寄り添う。 ノーラとジムのことは悲しい結末だけど、ノーラの赤ちゃんは生まれ、パットとカートの手で幸せになるように育てられていくだろう。真実は知らせず、きっと墓場まで持って行く。それがこの子のためと信じて。
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主人公は国名シリーズと同じくエラリー・クイーンで、作家で警視の息子という設定は共通している。だがこちらのエラリーは、皮肉屋で理屈っぽい国名シリーズのエラリーとは異なり感情豊かで思いやりがあり、ロマンチスト。さらには武闘派でもある。だからこそ、残酷な運命に翻弄される一家の悲しみがエラリーを通してダイレクトに伝わってくる。 舞台となるライツヴィルはセント・メアリ・ミードのような、隠し事など決してできない小さな町。町の名士であるライト家をめぐる騒動は、ローマン・ホリデーよろしくあっという間に拡散する。口さがない人々はただ陰口を叩くだけでは飽き足らず、それが正義とばかりにまるで集団ヒステリーか魔女狩りのごとく一家を迫害する。ライト家に世話になるエラリーは当然一家のために戦うが、アウトサイダーであるエラリーもその迫害にさらされ、疑惑を持たれてしまう。町の人々に後ろ指を指されることで、一家はジムの無実を証明するために一致団結する。 最終的にエラリーは事件の真相に辿り着くものの、とてもではないが晴れやかな結末とは言い難い。娘を失い、それでも娘の忘れ形見である孫を育て上げることを使命として生きていこうとするジョンとハーマイオニー夫妻、自らの運命を受け入れて口を閉ざすジム、真相を胸の奥にしまい込み生きていくことになるパットとカートがあまりにも不憫。パットをカートに託し、静かに退場するエラリーは哀愁すら漂っている。 陽気な登場人物も多く、パットとのロマンスもあるにもかかわらず全編を通してまるで靄がかかったように薄暗く夢の中の世界のよう。約500ページの長編ということもあり、自分自身もライツヴィルの町にいるような気持ちになる。 国名シリーズよりも人間ドラマに重きを置いた作品なので、本格好きの読書には少し物足りないのかなと思うが、クリスティ好きの私には最後まで楽しく読むことができた。
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