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娘と私
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娘と私
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商品レビュー
4.5
13件のお客様レビュー
フランス人の妻に先立たれ、六歳の娘と二人きりで残された著者が、大人になった娘を羽田からフランスへと飛び立つのを見送るまで。 自伝的小説である。 固有名詞などは変えてあるが、そこに描かれた心情は紛れもない真実であろう。 主婦に先立たれ、仕事も駆け出しで収入も乏しく、育児と不慣れな家...
フランス人の妻に先立たれ、六歳の娘と二人きりで残された著者が、大人になった娘を羽田からフランスへと飛び立つのを見送るまで。 自伝的小説である。 固有名詞などは変えてあるが、そこに描かれた心情は紛れもない真実であろう。 主婦に先立たれ、仕事も駆け出しで収入も乏しく、育児と不慣れな家事、しかも子供は病気ばかりする。 ーー仕事に没入できず、神経衰弱になりかかった。父親は事業を愛すると共に、子供を愛したい。どっちが大切というのではない。別のところから出る愛であるーー 今、片親で子供を育てている人にとっての厳しい現実と変わらないだろう。 著者は、極論で「娘のため」に再婚を決意する。 家事の負担は減ったけれど、継母と娘と私の、新たなる日々が始まった。 戦争があり、疎開があり、都落ちと、戦争小説を書いたことにより戦後の処分に気を揉むなど、自分には絶えず不幸が襲いかかるような気がしている。 気がつけば、妻との関係性も変わってきていた。 つくづく、暮らしという毎日の積み重ねによって、人は、家族の関係は、変わっていくものなのだと思う。 娘の結婚式にすでに妻はいない。娘を育て上げた一番の功労者は、ウェディングドレスを見ずに一生を終わってしまった。 失って初めて気づくものもある。 愛情と感謝とともに心の中で、娘の結婚式に妻も列席させた。 その後、著者はあっさりと三度目の結婚をするのだが、この本は、「私の娘を育てるために、一生を送ってしまった」二度目の妻に献げている。
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著者、獅子文六さんは、ウィキペディアによると、次のような方です。 ---引用開始 獅子 文六(しし ぶんろく、1893年(明治26年)7月1日 - 1969年(昭和44年)12月13日)は、日本の小説家、演出家。 ---引用終了 で、本作の内容は、BOOKデータベースに...
著者、獅子文六さんは、ウィキペディアによると、次のような方です。 ---引用開始 獅子 文六(しし ぶんろく、1893年(明治26年)7月1日 - 1969年(昭和44年)12月13日)は、日本の小説家、演出家。 ---引用終了 で、本作の内容は、BOOKデータベースによると、次のとおり。 ---引用開始 文豪、獅子文六が「人間」としても「作家」としても激動の時を過ごした昭和初期から戦後を回想し、深い家族愛から綴られた自伝小説の傑作。亡き妻に捧げられたこの作品は、母を失った病弱の愛娘の成長を見届ける父親としての眼差し、作家としての苦難の時代を支え、継娘を育てあげ世を去った妻への愛、そして、それら全てを受け止める一人の人間の大きな物語である。 ---引用終了 本作は、NHKの朝ドラの第1作になります。 ウィキペディアによると、放映時間等は、1961年4月3日から1962年3月30日まで1年間。月曜日から金曜日8時40分 - 9時の20分番組。
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『砂糖の用い方』に大変感銘を受け、次に読んだ獅子文六。好きだなぁとしみじみ思う。 なんだろう。ユーモアがあり、例えが上手で、戦前戦後の日本を見てないにも関わらず目の前に広がるよう。ちょっとひねくれてて、喜怒哀楽が豊富で人間味のある文章。 長いけど、夢中で読めてしまう。
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