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かつては岸 エクス・リブリス
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かつては岸 エクス・リブリス

ポール・ユーン(著者), 藤井光(訳者)

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かつては岸 エクス・リブリス

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 白水社
発売年月日 2014/06/27
JAN 9784560090343

かつては岸

¥2,530

商品レビュー

4.2

7件のお客様レビュー

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2018/03/08

韓国南部の架空の島、「ソラ」を舞台とした連作集。 著者はニューヨーク生まれの韓国系アメリカ人である。 島はおそらく、済州島をモデルとしていると思われる。 登場人物たちの人生の背景として、朝鮮戦争や「えひめ丸」の事故、移民や占領統治といった現実の事件が描き出されもする。 だがそれ...

韓国南部の架空の島、「ソラ」を舞台とした連作集。 著者はニューヨーク生まれの韓国系アメリカ人である。 島はおそらく、済州島をモデルとしていると思われる。 登場人物たちの人生の背景として、朝鮮戦争や「えひめ丸」の事故、移民や占領統治といった現実の事件が描き出されもする。 だがそれらは、いずれも、事実を丹念に追う重厚な筆致ではない。 素早いタッチの水彩画のような、あるいは海に浮かぶ蜃気楼のような、美しいけれども、あわあわとした、どこかつかみ所のない世界である。 描かれる人々は、死や別れ、障害や孤独など、それぞれに重いものを抱える。誰も彼も、一様に寡黙で内省的である。 多くは、我と彼の思いは行き違う。どぎつい悪意も鋭すぎる憎しみもないけれども、思いはすれ違い、人々は漂い続ける。 アメリカ人未亡人と半島出身のウェイターを描く表題作「かつては岸」。米軍軍事演習の事故に巻き込まれたらしい息子を捜す老夫婦の物語「残骸につつまれて」。ベテランの海女と日本人移民の少年の交流を描く「彼らに聞かれないように」。 人生の一コマをフレームに切り取ったような詩的な8編のうち、1編を挙げるとすれば、「わたしはクスノキの上」だろうか。妻を突然亡くした初老の男。娘のミーナは比較的遅くできた子でまだ8歳だ。一家は広い牧場を切り盛りし、ミーナも動物とふれあう毎日を楽しんでいたが、母の死でそんな暮らしも立ちゆかなくなった。牧場を売ろうと決めた男。一方で、ミーナは母の死を受け入れきれず、幻を見、森をさまよう。 幼い子供の抱える切なさにはどこか、空想がもたらす救いも混じる。よかれと思った道を選びながら心許なさに男は悩む。そんな2人の対比が鮮やかである。 生きていくことはときに淋しく悲しいことだ。けれど同時に美しい。 そんな人々の営みが蜃気楼のような島に浮かぶ。

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2017/02/10

韓国系アメリカ作家の作品。舞台は韓国南部の架空の島で、アメリカ人も登場しますが、むしろ日本人の方がはるかにたくさん出てきます。どの作品も、ちょっとした心の闇とまではいかない、モヤモヤとしたものを抱えた登場人物がそれをうまく解消できず、生活にも影響を及ぼしてしまうという感じの作品で...

韓国系アメリカ作家の作品。舞台は韓国南部の架空の島で、アメリカ人も登場しますが、むしろ日本人の方がはるかにたくさん出てきます。どの作品も、ちょっとした心の闇とまではいかない、モヤモヤとしたものを抱えた登場人物がそれをうまく解消できず、生活にも影響を及ぼしてしまうという感じの作品です。表面は静かですが、その下にドロドロとしたものが渦巻いていて、読後に何か引っかかるものを残します。

Posted by ブクログ

2015/01/31

日本人が書いたわけでもないのに日本で起こった出来事が連想させられる本。 1つ印象に残っている話は、昔馴染みの男と再会して一緒になろうと思っていたら、金品を盗まれたという話。オチが残酷。 それにしても風景の描写がすごかった。なんであんなに書けるんだ?

Posted by ブクログ

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