商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 合同出版 |
発売年月日 | 2014/06/12 |
JAN | 9784772611466 |
- 書籍
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不安障害の子どもたち
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不安障害の子どもたち
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3.5
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扱われているのは分離不安障害、パニック障害、広場恐怖と特定の恐怖症、社交恐怖、全般性不安障害、PTSDについて。診断の基準(WHOのICD-10とアメリカ精神医学会のDSM-5)と原因、治療、家庭や学校に求められる配慮などが示されている。 このシリーズの「自傷・自殺する子ども...
扱われているのは分離不安障害、パニック障害、広場恐怖と特定の恐怖症、社交恐怖、全般性不安障害、PTSDについて。診断の基準(WHOのICD-10とアメリカ精神医学会のDSM-5)と原因、治療、家庭や学校に求められる配慮などが示されている。 このシリーズの「自傷・自殺する子どもたち」が割と読みやすかったので、このシリーズの別の本、ということで読んでみた。不安障害というのは何か将来に対する不安とか、鬱みたいな感じではなく、何か特定の状況やモノについて必要以上に怖がる、というのが読んだ後のおれのイメージで、高所恐怖症みたいな「恐怖症」も不安障害、ということらしい。 以下は気になった部分のメモ。まずさっき書いた「恐怖症」は、「家族性が指摘されているもの」(p.60)があって、「本人がもつ生物学的な脆弱性」(p.61)というものがあるらしい。生物学的な脆弱性、って結構シビアな言葉だなと思った。「発達が進んでいくと、かつての恐怖を上手く処理できるようになる代わりに、発達の段階に見合った次の恐怖が現れます。恐怖をもち、それを克服する経過が、子どもにとって成長促進的に働く側面もあるといえるでしょう。2歳児の大半に見られる音への恐怖は、6歳でほぼ消失し、空想上の恐怖に移行するとされ、6歳までの子どもの半数以上に見られる動物恐怖や暗闇恐怖は、15歳児ではほとんど認められない」(p.61)のだそうだ。だから子どもには「自然な」恐怖症というのがあるということで、確かにおれも暗いところは怖かったかも。動物恐怖ってあるんだ、と思った。「長上恐怖」(p.72)って何だろう、と思って調べたら、たぶん年長者が怖い、ってこと?「恐怖症は正常な発達過程でも見られ、多くは自然に解消されていきます。しかし、恐怖症の子どもは、たとえ表面上は元気でも内向的なタイプが多いとされており、恐怖によって非常につらく、孤独な体験をしていると想像されます。」(p.66)、ということだから、周りの理解が必要で、「発達段階にそぐわない場合や回避行動が固定化した場合は、専門家への相談を検討してもよいでしょう。」(p.68)ということだそうだ。周囲の理解、という意味では「不安障害全般に共通していえることですが、親子の相互作用によって子どもの不安がさらに高まったり、固定化することがあることが指摘されています。たとえば(1)親の過保護によって子どもの回避行動が固定化する、(2)厳格すぎる養育が子どもを不安にさせる、(3)子どもの不安を和らげるようなかかわりができず、さらに子どもの不安が強まる」(p.85)ということだから、バランスを取るのが難しい。「広場恐怖」ってagoraphobiaとか言って、日本語よりも英語を先に知ったが、この本を読むまでは何のことなのかひとつも分からなかった。「広場恐怖は、その名称に反するようですが、広場のみでおこるものではありません。家以外の、安全な場所にすぐ逃げられないような状況で、恐怖に襲われるものをいいます。」(p.50)ということだから、例えば人混みが怖い、とかエレベーターが怖いというのも広場恐怖、と言うのだろうか。あと社交恐怖、のところで「シゾイドパーソナリティ障害」(p.76)と書いてあるところがあって、これは対人関係を持とうとしない、という障害らしい。でこれと社交恐怖とは違う、という話だった。あと言葉の問題としては「侵入的に思い出される」(p.115)というのはたぶん初めて聞いたけど、分かりやすい表現だなと思った。「不快な記憶や考えが、本人の意志に反して、日常において頻繁に思い起こされ、それ以外のことが考えられなくなってしまうこと。」(同)ということで、こういうことって障害とかじゃなくても結構あるんじゃないかなあと思う。急に嫌な記憶が蘇ってくる、というのをしょっちゅう経験するおれって何なんだろう、と思う。自然なことなのかな?最後に、PTSDの治療のところで、「少々特殊ですが、効果が認められている治療法の1つに眼球運動をしながら心的外傷となったできごとを想起させる眼球運動脱感作療法と呼ばれる治療もあります。」(p.121)というのが驚いた。どんな治療なんだろうか? ということだから、まずこういう症状で孤独に感じる子どもがいるのだということを知ることと、周囲の理解について考えるという意味で、p.85に書いてあったような陥りやすい悪循環にならないように接する、ということがおれにとっては一番大きかったかなと思う。(23/04)
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本書は複数の児童精神科医らが執筆に携わった「子どものこころの発達を知るシリーズ」として現在までに21冊発刊されているうちの一冊。 巻頭の監修者の言葉が、本シリーズの在り方を端的に説明しているので引用する。 「親、教師、地域の保健福祉の担当者、そしてプライマリケアを担う小児科医を...
本書は複数の児童精神科医らが執筆に携わった「子どものこころの発達を知るシリーズ」として現在までに21冊発刊されているうちの一冊。 巻頭の監修者の言葉が、本シリーズの在り方を端的に説明しているので引用する。 「親、教師、地域の保健福祉の担当者、そしてプライマリケアを担う小児科医をはじめとする子どもの心の健康を身近で支え、子どもの心の諸問題に最初にかかわることになる大人たちに、精神疾患やその関連領域の問題に関するバランスのよい情報を提供する目的」 上記のように、バランスよくコンパクトに尚且つわかりやすく、症状や原因、治療法、されるべき配慮や具体的症例など、必要最小限の情報が集められており、それぞれのテーマの全体像を網羅的に知るにはもってこい。 子どもの発達に関して多少の予備知識があったほうがわかりやすいかもしれないが、全くの初心者でも心配せずに読める良書。 他にも「虐待」「アスペルガー症候群」「自閉症」「チック障害」「うつ病」「知的障害」「虐待」「ひきこもり」などなど、アメリカのDSM-Vに合わせて分類や名称が変わってしまったものもあるが、発達や心の諸問題に関連のある様々な症状がテーマになって発刊されているので、大いに活用できるのではないだろうか。 機会があれば、その他のテーマもぜひ手にしてみたい。
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近藤 直司 (著) 分離不安障害、パニック障害、心的外傷後ストレス障害などをとりあげる。児童・青年精神医学の立場から、不安や恐怖に苦しむ子どもたちとその家族を支援するために必要な知見について、わかりやすく解説する。
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