茶の本 全文をとことん読みやすくしました！ (いつか読んでみたかった日本の名著シリーズ7

岡倉天心(著者), 夏川賀央(訳者)

• 販売会社／発売会社: 致知出版社
• 発売年月日: 2014/04/17
• JAN: 9784800910370

商品レビュー

2023/10/06

茶の本3冊目（笑）

現代語訳なのでわかりやすいけど、英文をそのまま訳した日本語の言い回しで、肝心の内容は角川の新訳の方が印象に残ったなぁ

そっちの新訳の方をもう一回読もうかな。

2020/10/18

茶道は、不完全な物を崇拝し
至上の美を追求する宗教

✏︎岡倉天心がボストンでの生活を通じて、日本の茶の文化を世界に伝えるために書いた本。原文は英語。
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✏︎西洋における完璧な美を芸術とする考え方と、東洋における不完全な物から美を追求する姿勢を芸術と捉える考え方の違いが印象的でした。
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✏︎利休が育てた美しい朝顔の花畑を秀吉が見にくる際に、利休は一輪の朝顔を除き、全てを刈り取ってしまった。秀吉は、一輪の美しい朝顔をもとに、秀吉自身の心で朝顔を楽しんだ。
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✏︎不完全なものから何かを成し遂げようという姿勢を学び、何気ない慌ただしい日常の風景からも、美しさや儚さを感じることのできる余裕のある人間なりたいと思います。

✏︎茶道は、「至上の美を追求する宗教」
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✏︎茶道は本質的に「不完全なもの」を崇拝する。それは、私たちが「完成されないもの」と自覚する人生において、それでも「実現可能な何かを成し遂げよう」というはかない試みを続ける存在だから。
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✏︎中国において、少なくとも4〜5世紀には、お茶は普通に愛飲される飲み物になっていた。そのご、中国国内で理想のお茶を求めて壮大な文化が繁栄していたものの、13世紀にモンゴル民族に征服され、元となったことで、茶の文化が途絶えてしまった。
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✏︎しかし、日本においては、飛鳥時代792年に聖武天皇がお茶を振る舞って以来、他の国に征服されることはなく、茶の文化が生き続けてきた。よって、茶の文化の理想の頂点は、何と言っても日本における茶の湯文化の中にある
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✏︎道教の「道」は「時間の流れ」のこと。「道」は宇宙的な変化の精神であり、そのもの自体が常に新しい形を作って生まれ変わろうとする、永遠の成長を示す。
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✏︎茶道のあらゆる理想は、人生のもっとも小さな出来事にも偉大な概念を見出さそうとする、禅の思想が生み出したもの。
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✏︎道教が茶道の美の理想の根底を作り、禅はそれに理想を与えた。
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✏︎私たちの心は、芸術家たちが色を乗せるキャンバス。芸術作品は私たち自身であり、私たち自身が芸術作品。芸術作品の価値は私たち自身の中にある。
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✏︎茶人は、「芸術は、それを自身の生き方に反映させる人によってのみ、理解できるものだ」と考え、自分が一つの美的な存在になるよう、厳しく自己を律していた。

2019/02/23

英語のまま読んでみたいな。1906年に岡倉天心の書いた本。ひしひしと東洋の文化への理解や関心が無かった時代への彼の怒りを感じる。今の時代では、伝わってきているよ、良かったね天心さん。
最近茶道を習いはじめて改めて読んでみた。学ぶより体験するほうが感じることは多いけど、改めて文章から感じたのは、儚く脆く苦しい世の中を、昔の人たちも、小さなオアシスをつくり、創造性想像力を発揮して、美しさと愛を追求しながら生きようとしてたんだなと。生きるための芸術。必要なのは物じゃない頭脳でもない。美を愛を生を楽しむ心だ。