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イグノランス 無知こそ科学の原動力
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 東京化学同人 |
発売年月日 | 2014/03/01 |
JAN | 9784807908486 |
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イグノランス
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商品レビュー
5
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※このレビューにはネタバレを含みます
大学院生の嘆き「自分たちは良いように利用されている」「自分には興味のない、重要と思えない課題を強制されている」といった話は、海の向こうでもよくある話らしい。 『何が分かっていないのか』 『解るべき事柄はその問いで本当に掴めるのか』 そうした問いの立て方が重要であり、さらに『暗い部屋に黒猫は居なかった』という結果が返ってきたとしても、その『データから解る無知(まだ知らない領域)のカタチ』を資産とせよ。 こうした態度は、理学・数学のみならず人文系にも重要な科学的態度といえる。 本書を読んで改めて、整理された思いだ。内容がUSAの科学者事例にだけだとしても、何の不都合もない。 躊躇せず、星5つをつける。 後半の対談にあるように、日本の学術研究は『できあがった体系に則ってその中でインパクトファクターのある学術雑誌に論文を投稿するのがいいことになっている』(P212、8-9行。佐倉氏の発言)。 ただ、対談相手が茂木健一郎氏の如く「軽快に」発言する学者というのは考え物である。 本書『イグノランス』末節でファイアスタインが謙虚に認めた事実。 すなわち、学者といえど 「他分野については一般人と同レベルに知らない」 のだ。その謙虚さは、「軽快に」というか「軽率に」発言することを慎む方向に働くはずだが、ハテ、茂木氏の発言は……、と首をかしげざるを得ないためである。 科学者が 「何が分かっていない事柄であるか」 より、 「何が分かっているのか」 を語りたがる。 聴衆や一般人も、「何が分かったのか」を知りたがる。 報道/広報メディアの姿勢もこの循環を強化する方向に動いている。むしろ「よく分かってないけど、科学者の話からウケそうな部分を切り取る」方向に悪化している。例えば放射線の話ひとつを挙げても、文科省が無料公開した『小学生のための放射線副読本』レベルすら理解していない。 どこかで悪循環から離脱するには、誰かが『イグノランス』を読み、基本は同じ、だが今言わないと図書館の肥やしになる『知識を共有』してゆくしかない。 学部一年生の基礎読本どころか、小中学生のうちから読んでおく(末尾の対談はまぁお好みで)ことをお勧めしたい名著である。
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