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借りの哲学 atプラス叢書
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 太田出版 |
発売年月日 | 2014/02/28 |
JAN | 9784778313937 |
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借りの哲学
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借りの哲学
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商品レビュー
4.4
10件のお客様レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
誰もが日常的に周囲の人とやり取りしている「貸し借り」の感覚。著者は資本主義社会においては、お金ですべてが清算できるようになった反面、お金がなければ自律できず、社会や制度、人間関係に頼る「借り」でも解決できなくなっているため、信頼や相互扶助意識で社会が成立していた時代の「借り」の概念を復活させる必要があるのではないか、とまず問題提起する。 その後はシェイクスピア『ヴェニスの商人』、マルセル・モース『贈与論』、ニーチェ『道徳の系譜』などを用いつつ、交換や贈与や借りといった概念について、その時代や著作における理解を整理していく。 著者は、現在の世界は借り(相互扶助)ではなく等価交換(負債)の概念で動いているが、これは負債を返せない限り、負い目とマイナスを背負い続けることになるため、国家が「生きていくための最低限の負担」を貧困層に対して肩代わりすることで、貧困層は受けた「借り」を返し、再び社会に組み込まれることができるようになる、と主張する。個人対個人の関係と考えがちな「借り」の概念を、国家対個人でも成立させられると考えているのは面白い。 著者は最後に、「等価交換は一対一の関係しか作らず、将来、関わっていく未知の人々には貢献しない。借りを受けた人が、他者に何かを与えていけばいい。前の世代からの借りを、価値を加えて次の世代に渡していく。そのような、「与えてくれた人に返さなくてもいい借り」をシステムの中心に据えていく必要がある」と述べて、この本の結論としている。そのような関係性が成立しているのは、現代では親と子の関係ぐらい。経済主眼の資本主義システムそのものはこの先も不変だと思われる中、世界そのものが持続していくためには、確かに著者が言うような「借り」の復権が必要なのかもしれない、と感じた。
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貸し借り▶等価交換が金融資本主義になり、負債になった。 等価交換があれば、関係性が続く。人は一人で自律して生きることはできず、人は関係性の中で生きられる。 借りが負債になったことで、奴隷関係になるようになった。 そして人は、社会システムのパーツとなって組み込まれるようになった。顕...
貸し借り▶等価交換が金融資本主義になり、負債になった。 等価交換があれば、関係性が続く。人は一人で自律して生きることはできず、人は関係性の中で生きられる。 借りが負債になったことで、奴隷関係になるようになった。 そして人は、社会システムのパーツとなって組み込まれるようになった。顕著な例はただ株の売買をして金銭を稼ぐデイトレーダーである。 人は愛と感謝を忘れずにいれば、返す借りと返さなくてよい借りが判断、選択できる。人との関係性の中で、選択すれば良い。 そうすうることで、人は自由になることができる。 そういう借りに基づく社会システムが必要である。 本書は金融資本主義を激しく避難し、借りに基づく新しい社会システムが必要であると警鐘を鳴らしている。 ただ、新しい社会システムが何か、がもっと知りたい。
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まず、哲学の本なのにこれだけ分かりやすいのにちょっと感動しました。 これからは共感と思いやりの世界、それは恩送りがキーと思っており、「借り」の概念を考察し論理を発展させていく本書の内容は素晴らしいの一言です。 封建主義から資本主義へ、そして次の段階へと進む流れが理解できます。...
まず、哲学の本なのにこれだけ分かりやすいのにちょっと感動しました。 これからは共感と思いやりの世界、それは恩送りがキーと思っており、「借り」の概念を考察し論理を発展させていく本書の内容は素晴らしいの一言です。 封建主義から資本主義へ、そして次の段階へと進む流れが理解できます。どうやれば実現できるのか、読後みんなが考えるべきテーマです。
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