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有性生殖論 「性」と「死」はなぜ生まれたのか NHKブックス1212
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商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | NHK出版 |
発売年月日 | 2014/01/22 |
JAN | 9784140912126 |
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有性生殖論
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哺乳類、爬虫類、魚類にとどまらず、虫や植物、菌でさえほとんどの種が生殖のための性を持つ。 ではなぜ、生物は細胞分裂ではなく、有性生殖により殖えるようになったのか。 本書は『なぜ生物は殖えるのか』という、ともすれば哲学的ともなる問いの次の一歩『なぜ殖えるために性を獲得したのか』を...
哺乳類、爬虫類、魚類にとどまらず、虫や植物、菌でさえほとんどの種が生殖のための性を持つ。 ではなぜ、生物は細胞分裂ではなく、有性生殖により殖えるようになったのか。 本書は『なぜ生物は殖えるのか』という、ともすれば哲学的ともなる問いの次の一歩『なぜ殖えるために性を獲得したのか』を考え、有性生殖戦略の意味を問う一冊だ。 さて、この問いに対してほとんどの人は『遺伝的多様性のため』と答えるだろうが、多様性のためにとりうる他の戦略と比較した場合、本当に効率が良いのだろうか。 例えば細胞分裂した同一個体が接合する自系接合。単一細胞が減数分裂と受精により個体を増やす自家生殖。無性個体が有性個体を餌として取り込むことで有性化する有性活性化。 ゾウリムシやプラナリアなどの研究から筆者が得た結論とは、突然変異の検証と遺伝的多様化に有利な戦略である同系交配が先行して出現し、その後遺伝的多様性を保ちつつ、表現系の多様性を抑制する異系交配に発達したという進化過程だ。 本書を読むような読者に対しては自明としているからか、劣性遺伝と優性遺伝の進化的な意味について語られないので、例えば劣性ホモが適応的な形質の集団中には優性遺伝子を持つ生物が存在しないなどという違和感を覚える前提もそこそこ出てくるが、本書にはそういった疑問点を楽しめる余地がある。 また、書き口についても柔らかく、作中に自身を登場させ、キャラクターと会話させるような形式はラノベでなくとも痛々しくて見てられないものが多いのだが、本書においては、おそらく一番聞かれたくないような直接的な質問がズバリと的を得ており、著者の真摯な姿勢が伺える。 なぜ人間には性があるのか。なぜ生物は生殖するのか。なぜ生命は生まれ、死ぬのか。 存在を問う量子力学が科学であるように、意味を問う哲学もまた、科学だ。
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