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仏典はどう漢訳されたのか スートラが経典になるとき
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仏典はどう漢訳されたのか スートラが経典になるとき

船山徹(著者)

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仏典はどう漢訳されたのか スートラが経典になるとき

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 岩波書店
発売年月日 2013/12/20
JAN 9784000246910

仏典はどう漢訳されたのか

¥3,410

商品レビュー

4.6

6件のお客様レビュー

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2025/03/07

1. 翻訳の歴史的背景 - 長安の翻訳活動: 後秦国の滅亡まで、長安は多くの外国僧侶の到来と訳経事業で賑わっていた。 - 羅什の影響: 羅什の没後、長安での訳経が途絶え、訳経の中心が南朝に移行した。 - 南朝の翻訳者たち: 南朝では、多くの僧侶が翻訳活動を展開し、特に文帝の元嘉年...

1. 翻訳の歴史的背景 - 長安の翻訳活動: 後秦国の滅亡まで、長安は多くの外国僧侶の到来と訳経事業で賑わっていた。 - 羅什の影響: 羅什の没後、長安での訳経が途絶え、訳経の中心が南朝に移行した。 - 南朝の翻訳者たち: 南朝では、多くの僧侶が翻訳活動を展開し、特に文帝の元嘉年間に多くの仏典が翻訳された。 2. 主な翻訳者とその業績 - 仏駄祓陀羅: 華厳経や大般泥酒経など、重要な経典の翻訳を手がけた。 - 法顕との協力: 法顕とともにインドから持ち帰った写本を元に翻訳を行った。 - 他の翻訳者たち: 宝雲、求那祓靡、僧伽祓庶など、さまざまな僧侶が活躍し、多彩なインド仏教文献を中国語に翻訳した。 3. 翻訳の言語的側面 - 語学力: 外国僧侶の中国語の習熟度はさまざまで、通訳なしでのコミュニケーションが可能だった者もいれば、常に通訳を必要とした者もいた。 - 翻訳の難しさ: 難解な教理学の用語の翻訳には、先行訳を参照し、各々の訳語の長所と欠点を知る必要があった。 4. 翻訳と偽作の問題 - 真経と偽経の区別: 真経は原典に基づく翻訳であり、偽経は改編された文献である。偽経の存在は、翻訳の質や信頼性に影響を与えた。 - 具体例: 『成実論』など、一部の翻訳は原典に対して改編が加えられていることがある。 5. 翻訳の方法論 - 共同作業の重要性: 翻訳は複数人による共同作業で行われ、役割分担がなされていた。 - 翻訳観の違い: 翻訳者によって翻訳観が異なり、音訳と意訳のバランスが問題となった。 6. 翻訳の文化的意義 - 仏教語の定義: 漢訳仏典の中で使用される用語は、中国文化における仏教の理解に影響を与えた。 - 現代への影響: 翻訳された経典は、後の中国仏教における思想や実践に深く根付いている。 結論 - 本書では、翻訳に関わった僧侶たちの活動、彼らの翻訳方法、そして翻訳がもたらした文化的影響について詳述されており、中国仏教の発展における翻訳の重要性が強調されている。

Posted by ブクログ

2024/08/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

古代インドの言葉で作られた経典がいかにして中国語に変換されたのか。 普段なかなか考えることすらない「漢訳の過程」ではありますが、いざその実態を見てみるとこれが面白いのなんの!「ほお!そうやってお経が作られていったのか」と驚くこと間違いなしです。これは刺激的です。 中国仏教や日本仏教を考える上でもこの本は大きな示唆を与えてくれる作品です。

Posted by ブクログ

2024/07/02

図書館で借りた。 仏教と聞くと、どうも漢字のイメージがあるのは私だけだろうか?南無阿弥陀仏、南無妙法蓮華経…。しかし、仏教が生まれたのはインド・ネパールあたりだ。それは知っている。知っているけれど、インドに仏教のイメージは無い。(実際に現在のインドに仏教徒は1%も満たないそうだ)...

図書館で借りた。 仏教と聞くと、どうも漢字のイメージがあるのは私だけだろうか?南無阿弥陀仏、南無妙法蓮華経…。しかし、仏教が生まれたのはインド・ネパールあたりだ。それは知っている。知っているけれど、インドに仏教のイメージは無い。(実際に現在のインドに仏教徒は1%も満たないそうだ) そのスッキリしない私が興味を引いたのが本書だ。仏典はインドの言葉で書かれていたはずだし、中国人が漢字に翻訳したものなはずだ。そのプロセスについて分析されているのが、本書だ。 非常に勉強になり、自分の中の世界が広がった気がする。 そもそもサンスクリット語だけではない…ってのは、今の"インド語"を考えれば、そりゃそうだなと思ったし、翻訳の過程で、新しい漢字が生まれたとか、なるほど~と思うことがたくさんあった。翻訳の具体的な方法などは、伝わるもんなんだなぁと驚き。単純な「世界史的な知識」だけではない学びがあったと感じている。

Posted by ブクログ