商品詳細
内容紹介 | |
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販売会社/発売会社 | 新潮社 |
発売年月日 | 1968/09/15 |
JAN | 9784101030067 |
- 書籍
- 文庫
灰色の月・万暦赤絵
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灰色の月・万暦赤絵
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商品レビュー
4.3
4件のお客様レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「池の縁」が収録されているじゃないか。昨年の12月に喫茶店でZがおすすめしてその場で読ませてくれたやつだ。あのとき確か店のおじいさんに本のことについて色々訊ねられた。はて、なんの小説についてだったか、すっかり忘れてしまっている。 「池の縁」ほかいくつかの作品に息子・直吉が登場しており、不思議と読み出した時点で愛着を持っていた。七歳ほどの幼い少年で出てくるたびに可愛らしい。 「灰色の月」「兎」あたりをいちばん面白く読んだだろうか。「灰色の月」は電車の一瞬間を捉えた作品で、小さな体験を作家の眼と文章の力で作品へと押し上げた名品であると思う。 「兎」は志賀直哉の生き物への愛着が作品を通して伝わってきて読み心地がよい。こういう愛着を他の作品でも書いていた作家だった気がするが、別の作家と勘違いしているかもしれない。なんにせよおもしろかった。 読みながら安岡章太郎の「兎」が思い浮かんだが、あれとはずいぶんちがう。安岡の作品に出てくる兎には生き物の臭さみたいなものが漂っていて、こちらの兎は純粋に可愛がる対象として描かれている。兎が家に住んでいるという状況は頭に思い浮かべるとなんだか高揚する。 「自転車」という作品を読んでいるときに随筆と小説のちがいがもう分からなくなった。もしかしたらそこまで区分分けしなくてもいいものなのかもしれない。
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自転車のエピソードで好きなのがあったなとうろ覚えで再読。 合う合わないもありそうだが、昔の文体なのにあまり気にせず読めてしまうのは凄いことだと思う。 日常の小さい話が多いのに文学作品として読めるのは、さすが文豪。
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好きだなあとしみじみ思います。文体が。優しさが、明るさが、にじみ出ています。 「絶対的な自我肯定」というのは、生まれつきなのか、努力で勝ち得たものなのか、わからないけど、尊敬するほか、ないです。表紙のまなざし、こんな目をいつかしてみたい。
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