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それは私がしたことなのか
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それは私がしたことなのか
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商品レビュー
4.3
5件のお客様レビュー
「手を挙げた」から「手が上がった」を引くと何が残るのか? 「やってしまった事」から「起こった出来事」を引くと何が残るのか? これらを検討しながら人の意識、心についてそのメカニズム(そう呼べるだろうか)を解き明かす。 人の心って印象としては心臓を中心とする胸にあるとするのが一般的だ...
「手を挙げた」から「手が上がった」を引くと何が残るのか? 「やってしまった事」から「起こった出来事」を引くと何が残るのか? これらを検討しながら人の意識、心についてそのメカニズム(そう呼べるだろうか)を解き明かす。 人の心って印象としては心臓を中心とする胸にあるとするのが一般的だけど、科学的には脳にあるわけだし、本書では身体全体にあるとする。違和感あるよね。
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第2章までの行為論の概説は著者の見解ではなく、主要な議論の紹介なのだが、この時点でかなり面白い。後書きにある通り、広く一般に読まれるために文章を工夫されているということのようだが、見事に成功していると感じる。参考文献として挙げられている本を手に取りたくなる。 第3章の行為論と倫...
第2章までの行為論の概説は著者の見解ではなく、主要な議論の紹介なのだが、この時点でかなり面白い。後書きにある通り、広く一般に読まれるために文章を工夫されているということのようだが、見事に成功していると感じる。参考文献として挙げられている本を手に取りたくなる。 第3章の行為論と倫理学のところは、意図だけでなく運に着目した整理がなされ、前章とはガラッと変わったテーマの感を呈する。著者の関心はこの運の方により重きが置かれているように感じる。倫理学が捨象せんとする運と向き合う倫理学にワクワクした。著者の別の著書も読んでみたい。
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現代行為論の成果を著者自身が咀嚼したうえで、著者みずからの意図的行為および意図せざる行為についての考察が展開されている本です。 ギルバート・ライルは『心の概念』において、物心二元論が「カテゴリー・ミステイク」だとする批判をおこないました。そして彼は、傾向性とその発言という枠組み...
現代行為論の成果を著者自身が咀嚼したうえで、著者みずからの意図的行為および意図せざる行為についての考察が展開されている本です。 ギルバート・ライルは『心の概念』において、物心二元論が「カテゴリー・ミステイク」だとする批判をおこないました。そして彼は、傾向性とその発言という枠組みにもとづく行動主義的な理解に到達しました。著者はこうしたライルの仕事を踏まえながらも、アンスコムの反因果説に歩み寄り、意図は観察と解釈によらず主体に知られているという立場を標榜しています。そのうえで、アンスコムの議論に見られる不明瞭な部分を明晰にすることを試み、言語的コミュニケーションの可能性のうちで意図的行為が理解されるという主張をおこないます。 また著者は、意図せざる行為についてのバーナード・ウィリアムズの議論を参照しながら、「責任」という概念についての詳細な分析をおこない、行為論から倫理学へと議論の舞台を移行していきます。そのさいに、行為者的視点と傍観者者的視点の区別を導入することで、悲劇的な出来事に対してわれわれがいだく「割りきれなさ」の由来について考察を展開しています。 著者は「はじめに」で、「本書の本文は、学問としての哲学に関する予備的な知識が全くなくとも読み進められるように、また、最終的には現在の哲学の議論の先端にまで自然に至ることができるように、工夫したつもりである」と述べており、そのことばにたがわず明晰でわかりやすい議論がなされていて、行為論の入門書としての役割を充分に果たしているように思います。
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