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設計者 新しい韓国の文学06
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設計者 新しい韓国の文学06

キムオンス【著】, オスンヨン【訳】

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設計者 新しい韓国の文学06

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商品詳細

内容紹介
販売会社/発売会社 クオン
発売年月日 2013/04/01
JAN 9784904855164

商品レビュー

4.3

3件のお客様レビュー

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2024/01/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

プロットもセンテンスも面白くて読みやすく、読ませる力があり、550ページを読み終えるのは苦ではなかった。が…ラストは消化不良。尻すぼみというか…。ずっと一定の面白さ、充実度があっただけに、肩すかし。

Posted by ブクログ

2014/11/21

久しぶりに出会った名著である。 先月の韓国文化院 読書討論会の課題図書。 韓国文学を出版しているCuon(http://www.cuon.jp)の本で まずその厚さに驚くが、ページを開いてみれば 行間が広く実に読みやすいことにもっと驚く。 新潮クレストブックスのような紙質も装丁...

久しぶりに出会った名著である。 先月の韓国文化院 読書討論会の課題図書。 韓国文学を出版しているCuon(http://www.cuon.jp)の本で まずその厚さに驚くが、ページを開いてみれば 行間が広く実に読みやすいことにもっと驚く。 新潮クレストブックスのような紙質も装丁もセンスがいい。 それもそのはず。 Cuonの代表取締役 金承福さんも 翻訳のオ・スンヨンさんも 担当編集者の方も みな洗練されたセンスを感じる女性たちであった。 さて本題。 「設計者」の主人公レセン(来世)は暗殺者だ。 「犬の図書館」のタヌキ親父が 修道院前のゴミ箱に捨てられていた彼を拾って育てた。 世の中から忘れ去られたようなその場所で 「設計者」たる誰かからタヌキ親父に 不要になった人間、いることが不都合になった人間を 片付けるよう指令が来る。 レセンが実行する。 レセンはそうやって生きて来た。 学校にも通わず 図書館の本だけを友として。 社会への窓口はそれらの本だけだった。 やがて、彼をとりまく黒い世界に 綻びが生じ始める。 何も考えず、何も感じずに生きて来たレセンが 変わり始める。。。 そんな重たく暗い物語なのだが 冒頭のエピソードの静けさ、美しさに まず心を持って行かれる。 血なまぐさい世界を見つめる レセンの視線が何とも切なく愛おしくなる。 こうした暗殺と暗殺組織はかつて実在したらしく 今も残っているという人もいる。 著者のキム オンス氏はそんな社会 そんな時代への惜別の情を 郷愁と愛情を込めて書いたのかもしれない。 映画化の話があるものの なかなか進行しないのは当然だと思う。 この美しい世界を実写化するのは至難の業だ。 もし中途半端なノアールができあがったら 私が制作者に制裁を加える「設計者」になる。 それほどこの作品が好きだ。

Posted by ブクログ

2013/07/27

ちょっと帯を読んでみると、韓国の作家によるハードボイルド、らしい。 韓国の作家のハードボイルド?ぴんと来ないし全く想像できない、逆に興味がわいてきて読んでみた。 まず題名の設計者について、普通、設計者と聞いて想像するのは、建造物や何か物作りを完成させるために、計画をたてたり図面を...

ちょっと帯を読んでみると、韓国の作家によるハードボイルド、らしい。 韓国の作家のハードボイルド?ぴんと来ないし全く想像できない、逆に興味がわいてきて読んでみた。 まず題名の設計者について、普通、設計者と聞いて想像するのは、建造物や何か物作りを完成させるために、計画をたてたり図面を起こしたり、具体的に指示を出す人の事を思う。 この場合も間違いはないのだが、建物やものを作るのではなく、暗殺の設計をする人、のことである。 この時点で、こういう事が小説の題材になる韓国って怖いなぁ、と思った。 しかも、そういう団体がいくつもあってしのぎを削るというか、抗争が絶えなく、明日は我が身か?と戦々恐々の毎日である。 暗殺者は、設計者に逆らえず、設計されたとおりにただひとりの人間を暗殺する。 その設計者というのは、大学の教授だったり、コンビニの店員だったり、ごく普通にまわりにいる人たちなのだ。 怖い・・・ どこにでも闇社会はあると思うのだが、韓国のそれはずっと深くて暗い感じ。 本編は、設計についてとか暗殺の経緯とかについてではなく、設計者と暗殺者とのやりとり、暗殺者どうしの探り合い、心の葛藤・・・ 主人公の青年は暗殺者、生まれたときから施設で育ち、しかるべき人物に引き取られ、しかるべき暗殺者に仕立て上げられた。その運命は生まれたときから決められていたかのように、素直に受け入れ淡々と暮らしている。 投げやりでもなく、自分の立場をわきまえているこの青年は、大いに好感が持てる。 最後は、この暗黒の世界を変えたいと思う設計者と、クーデターを起こすが、彼にとってはこのクーデターも結局はどうでも良かったのかもしれない。 不思議な読後の作品だった。

Posted by ブクログ

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