外資系金融の終わり 年収5000万円トレーダーの悩ましき日々

藤沢数希【著】

• 販売会社／発売会社: ダイヤモンド社
• 発売年月日: 2012/09/15
• JAN: 9784478020890

商品レビュー

2025/06/09

　外資系投資銀行勤務を経験している投資の専門家による巨大金融コングロマリットに関する本。グローバル資本主義経済を動かしている外資系投資銀行やヘッジファンドについて詳しく述べているが、リーマンショック前後が舞台となっており、今となっては新たな知識はあまり得られなかった。

「基本的に投資銀行＝証券会社だ。そして証券会社と銀行は同じではない。銀行は預金を集めたり、中央銀行から直接金を借りたりすることができるが、証券会社はできない。証券会社の本来の仕事は仲介業で、自らはリスクを取らず、多くの個人や企業に金を貸し出しているわけでも、預金を集めているわけでもないので、つぶれても経済全体への影響はない。しかし、預金を集めて、多くの個人や企業に金を貸し出している銀行がつぶれるとやばいので、大きい銀行はつぶれそうになると税金で救済される（リーマンショックでは、米政府が証券会社（投資銀行）を救済したことを著者は批判している）」p106
「ユーロ危機は、ギリシアやスペインのような二級国家がユーロから離脱するか、ドイツの莫大な経常黒字をギリシアやスペインに移転させるしか解決法がないことがわかる」p168
「（ボーナスの分割払いによる人材流出防止）未払いのボーナスのあるトレーダーは会社に残ろうとするし、このトレーダーを引き抜くには通常の条件にプラスして未払いボーナス分を保証しないといけなくなる」p192

2023/12/31

10年以上前に書かれた本だが、ギリシャ政府破綻の件など知らないことを知ることができた。そして著者のいう、これからは大企業から個人の時代というのも今まさに進んできていて当たってる〜っ

2022/08/28

金融ってよくわかんない、という人にもわかりやすい書き方になっていると思う。
スケールのでかいカネの話と、贅を尽くした例のショボさが外資系金融のトレーダーは総じてケチ、という話ときちんと整合してて良い。

大きすぎて潰せない、だから機能によって切り分けるべきという主張はスッキリ明確。