商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 角川書店/角川グループパブリッシング |
| 発売年月日 | 2012/07/25 |
| JAN | 9784041003855 |
- 書籍
- 文庫
続・氷点(下)
商品が入荷した店舗:店
店頭で購入可能な商品の入荷情報となります
ご来店の際には売り切れの場合もございます
オンラインストア上の価格と店頭価格は異なります
お電話やお問い合わせフォームでの在庫確認、お客様宅への発送やお取り置き・お取り寄せは行っておりません
値下げ前価格について
本価格は現中古販売価格の「値下げ前価格」となります。
直近約1か月間、値下げ前価格での販売実績があるものだけ表示しております。
続・氷点(下)
¥704
在庫なし
商品レビュー
4.1
86件のお客様レビュー
人の心はなんと移ろいやすいことか 自分を正当化するとき、自分に正義を感じている時、誰かを見下しているという言葉にグサリ 自分の非を認めたと思って改めようとしている時、都合よく相手もそうであると思っている自分はなんて好都合なんだろうと思った 罪と罰って簡単に使われる言葉だけれ...
人の心はなんと移ろいやすいことか 自分を正当化するとき、自分に正義を感じている時、誰かを見下しているという言葉にグサリ 自分の非を認めたと思って改めようとしている時、都合よく相手もそうであると思っている自分はなんて好都合なんだろうと思った 罪と罰って簡単に使われる言葉だけれど真っ当な罰はなくて結局は自己正当化でしかない 罪をハッキリと許す権威が欲しい 宗教が存在する心理だと感じた 好きは感情だが、愛は意思 完全には理解できていないけれど深く心に残る表現だった
Posted by 
陽子はふと、目の前の氷原を、恵子がうつむきながら遠ざかって行くような錯覚をおぼえた。 うつむいたまま、雪道を去って行った恵子は、泣いていたのかも知れない。 「あなたがたの中で、罪のない者が、まず石を投げうちなさい」と聖書はいう。 陽子は静さめた流氷原を凝視した。この流氷のように、...
陽子はふと、目の前の氷原を、恵子がうつむきながら遠ざかって行くような錯覚をおぼえた。 うつむいたまま、雪道を去って行った恵子は、泣いていたのかも知れない。 「あなたがたの中で、罪のない者が、まず石を投げうちなさい」と聖書はいう。 陽子は静さめた流氷原を凝視した。この流氷のように、自分の心は冷えていたのだろうか。 自分はもっと暖かい人間のはずだった。もっと素直な人間のはずだった。その自分が、一言も発しなかったのだ。自分でも不可解な心情だった。不可解だが、まさしく自分の心は、この海のように冷たく閉ざされていたのかも知れない。 「陽子さん、ゆるして・・・・・・」 その一言に万感の思いがこめられていたはずである。しかし陽子は、素気なくその場を立ち去ったのだ。それは、石を投げ打つよりも冷酷な仕打ちではなかったか。 そのような非情さが、一瞬に生ずるわけはない。自分の心の底には、いつからかそれはひそんでいたのだ。 陽子は、小学校一年生の時、夏枝に首をしめられたことがあった。中学の卒業式には、用意した皆評を白紙にすりかえられた。そのことを、陽子は決して人には告げなかった。 ただひたすら、石にかじりついてもひねくれまい、母のような女になるまいと思って、生きてきた。が、それは常に、自分を母より正しいとすることであった。相手より自分が正しいとする時、果して人間はあたたかな思いやりを持てるものだろうか。自分を正しいと思うことによって、いつしか人を見下げる冷たさが、心の中に育ってきたのではないか。 (原罪!) 陽子は、ふと啓造から聞いた言葉を思い出した。ようやく、自分の心の底にひそむ醜さが、きびしい大氷原を前にして、はじめてわかったような気がした。 石を投げ打つ資格は、一人イエスにはあったにちがいない。だがイエスは、姦淫の女を石で打たなかった。イエスはただあたたかくゆるしただけだった。陽子はそのことを思い返さずにはいられなかった。 (しかし、なぜっ..・・・・) なぜイエスはゆるしたのであろう。罪は、たとえ人間の命をもってしても、根本的につくない得ないものだからでもあろうか。確かに罪とは、ゆるされる以外にどうしようないものなのかも知れない。 流氷の上の空が、ひとところばら色にあかねしている。最天の日のあかねを、陽子は珍らしく思った。 不吉なほどに着ざめた流氷の原に、陽子はじっと目を向けていた。ゴメが二、三羽、氷原に触れんばかりに低く飛んで行く。 陽子は三年前、 「罪をハッキリとゆるす権威あるものがほしい」と、遺書に書いたはずだった。 死を前にして抱いたあの真実の自分の願いが、いま、にわかにここに甦えったような気がした。人間同士のゆるしには、恐らく完全を求めることはできないであろう。許したつもりが、いつまた憎しみが頭をもたげてくるかわからない。それは、啓造と夏枝の姿を見ていても、わかるような気がした。そのような不完全なゆるしに、真の解決があるとは思えなかった。 宿の前に、車のドアがバタンと音を立てた。目をやると、流氷をめる二人の若い男女のうしろ姿が見えた。陽子はハッとした。徹と順子の後姿に似ている。 (まさか、おにいさんが…・・・・・) 順子と二人で来るはずはないと思いながらも、陽子は窓をあけた。冷たい風が、暖かい部屋に流れこんだ。青年がふり返った。徹に似た顔の輪かくだが、色の黒い青年だった。陽子は静かに窓を閉めた。
Posted by 
ようやく読み終えた。 面白かったけど、なぜか、自分がこの世界からようやく解放されたという安堵に似たものすら感じた。 下巻でやっと陽子くんのターンになった、と思えるほど上巻では影が薄かった。 作中、一個一個のエピソードは小さなもので、でも人が体験や人とのコミニュケーションを通し...
ようやく読み終えた。 面白かったけど、なぜか、自分がこの世界からようやく解放されたという安堵に似たものすら感じた。 下巻でやっと陽子くんのターンになった、と思えるほど上巻では影が薄かった。 作中、一個一個のエピソードは小さなもので、でも人が体験や人とのコミニュケーションを通して少しずつ変化し、影響しあっていく様子を積み重ねるシステムが印象に残った。 下巻ではラストの盛り上がりシーン以外では、陽子の下宿生活や高木と啓造の京都旅行が読んでいて楽しかった。 しかしさあ。達雄やばいよね? 母親を偶像視している激しい青年、ってもうバケモノじゃないですか。 この子が物語を引っ掻き回さないと話が進まないから仕方ないけど、出るたびにヒヤヒヤしてストレスだったなあ。 イナズ⚪︎イレブンばりに交通事故の多い社会。 みんな、車には気をつけようね。 ラストに向けて、陽子が母親を許せるのか、というテーマは興味が持てたけど、どの男と結ばれるのかは、なんだか読んでいて不快だった。 別に陽子が必ずしも結婚する必要はなくない?←今の感覚ではこの感想になる。 夏枝が徹と陽子をくっつけたがっているのも気持ち悪い。 だって長く一緒の家に暮らした兄妹なのに恋愛感情を持つのも疑問だし(荻原規子かーい)、それを母親が応援するのが意味不明だ。 下巻で良かったことは ・由佳子が自力で新しい世界に行ったこと ・啓造が教会通いをはじめたこと ・あの終わり方 ですね。 悪役たる村井に特に罰がくだらないのはなんともイラっとするなあ。 順子、三井弥吉、それぞれに気づきと許しがある。この世はなんとも複雑。
Posted by 
