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夜毎に石の橋の下で
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商品詳細
| 内容紹介 | |
|---|---|
| 販売会社/発売会社 | 国書刊行会 |
| 発売年月日 | 2012/07/25 |
| JAN | 9784336055170 |
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商品レビュー
4.5
13件のお客様レビュー
中世プラハを舞台としたロマネスク小説 古典と思いきや、戦後発表された作品 独立しても面白い一編一編が繋がることでまた面白さ、奥深さを増す
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ルドルフⅡ世治世下のプラハ。ペスト禍に襲われ悲しみに暮れるユダヤ人街を訪れた旅芸人二人は、墓地で病死した子どもたちの霊に遭遇し、慌てて高徳のラビの家へ駆け込む。ラビの助言に従い、霊を通じて天使にペストの原因を尋ねると、街に姦通している者がいると告げられるが……。プラハに伝わるさま...
ルドルフⅡ世治世下のプラハ。ペスト禍に襲われ悲しみに暮れるユダヤ人街を訪れた旅芸人二人は、墓地で病死した子どもたちの霊に遭遇し、慌てて高徳のラビの家へ駆け込む。ラビの助言に従い、霊を通じて天使にペストの原因を尋ねると、街に姦通している者がいると告げられるが……。プラハに伝わるさまざまな伝説を幻想的に繋ぎ合わせた歴史小説。 ずっと読みたかったペルッツの長篇。今年ベスト級に面白かった。東欧を舞台にした幻想歴史小説としてはミロラド・パヴィチの『ハザール事典』に並ぶと思うし、エンタメ小説らしい俗っぽさもありながらカレン・ブリクセンを連想させるようなストーリーテリング力があってとにかく上手い。 ホッケの『迷宮としての世界』やエヴァンズの『魔術の王国』によるルドルフ再評価が始まる以前のイメージで組み立てられたルドルフは、確かに民話にでてきそうな愚かな王として戯画化されているものの、魔術師やこの世のものならぬ者たちに翻弄される受け身の狂言回しとしては非常にいい味をだしている。シェイクスピアのハル王子とフォルスタッフを足して2で割った感じの憎みきれない暴君。元宮廷道化師のブロウザが王に殴られ、錬金術師をめぐって対立しながらも、王の死後はあることないこと話して日銭を稼いでいる姿、そしてそこから一瞬廷臣としての矜持を思いだす姿はルドルフという矛盾だらけの存在を映す鏡のようだ。 だが、この小説の主役はルドルフでもマイスルでもなく、天使や魔法が存在する世界でたくさんの迷信に囲まれながらチャキチャキと生活しているプラハの街の人びとだ。軽口に忍ばせた反骨精神と、それでもお上とは上手く付き合っていきますよ、というしたたかさはユダヤ教徒もキリスト教徒も変わらない。相手がルドルフと知らずに政治を批判する画家、少年時代のマイスルから銀貨を取り上げなかった質屋。一番愛着が湧いたのは旅芸人のイェケレとコッペルだ。マイスルへの予言が当たったってことは、コッペルは結局イェケレを看取ることになったのかなぁ。 「薔薇とローズマリー」をめぐるミステリー要素もあるが、読み終えても残る謎がある。ラビはなぜユダヤ教徒ではないルドルフを何度も命の危機から救うのか(腐ってもユダヤ人街の守護者だから?)、老ルドルフはマイスルの名前を忘れてしまっていたのか。こうした曖昧さも人物造形に深みを与えていると思う。 ラビと天使の会話から物語のテーマが「愛」であると明らかにされるが、ここで説かれるのは一瞬で過ぎゆくものに心奪われる〈地上の愛〉である。王とエステルの夢もマイスルの富も、そしてプラハの街も、永遠に比べればすべて過ぎゆくものだが、一瞬で消え去るものだからくだらないと言っていいのか。「天使アサエル」の章では、永遠を生きる天使と刹那の地上に囚われているラビという上下関係が徐々に逆転していく。永遠を目指しているはずなのに人間のサガを愛し、天使に〈地上の愛〉を説くラビは、『テンペスト』のプロスペローやダンセイニの『魔法使いの弟子』の魔術師の系譜に連なる。これはプラハの街に捧げる最高の人間讃歌だろう。
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史実と虚構を綯い交ぜにしながら、 キャラクターに厚手の肉付けを施して物語を組み立てた レオ・ペルッツ(1882-1957)の、 短編連作の形式を取った幻想的な歴史絵巻。 16世紀末プラハのユダヤ人大富豪 モルデカイ・マイスル(1528-1601)は、 いかにして財を成したか、 ...
史実と虚構を綯い交ぜにしながら、 キャラクターに厚手の肉付けを施して物語を組み立てた レオ・ペルッツ(1882-1957)の、 短編連作の形式を取った幻想的な歴史絵巻。 16世紀末プラハのユダヤ人大富豪 モルデカイ・マイスル(1528-1601)は、 いかにして財を成したか、 どれほど若く美しい妻を愛していたか、 彼女が亡くなって深く嘆き悲しんだか――といったことが、 後世の人物によって語られる。 ストーリーはマイスル夫妻と三角関係を形成する、 ボヘミア国王にして神聖ローマ帝国皇帝ルドルフ二世(1552-1612)、 及び皇帝を取り巻く人々の逸話で構成されている。 1589年、秋のプラハのユダヤ人街で ペストが猛威を振るっていたが、 この災いは、ある罪によってもたらされたのだと、 死者の声を通して知ったユダヤ教の高徳のラビこと イェフダ・レーヴ・ベン・ベザレル(1525-1609)は、 石橋の下で絡み合う紅薔薇とローズマリーを引き離した。 だが、ラビは何故、 それらの植物が惨事の元凶の象徴だと知っていたのか……。 この謎が、数々のエピソードが開陳されるにつれて解き明かされていく。 天文学者にして占星術師ヨハネス・ケプラー(1571-1630)に 運勢を見てもらった青年貴族 アルブレヒト・ヴァーツラフ・エウゼビウス・ズ・ヴァルトシュテインの、 運命を変えた一夜の出来事、「ヴァレンシュタインの星」が、 誤解や行き違いが織り成す喜劇の様相だが、 当人は至って真剣――というところが、一層愉快。 短編映画になっても面白そう。 ちなみに、彼のモデルは 三十年戦争(1618-1648)期のボヘミアの傭兵隊長 アルブレヒト・ヴェンツェル・オイゼービウス・フォン・ヴァレンシュタイン (1583-1634)。 彼はハプスブルク家に仕え、ハンガリーでオスマン帝国と戦いつつ、 裕福な未亡人と結婚し、 先立った彼女の遺産を元手に資産を増やして傭兵を集めたが、 ボヘミアの王位を狙っていると疑われ、暗殺されたという。 後代の人々の、主要登場人物たちの素晴らしさも愚かさも ひっくるめて愛おしむような語り口が、胸に沁みた。 既読の小説ではキース・ロバーツ『パヴァーヌ』、 あるいはマンガに喩えると、 萩尾望都『ポーの一族』などのエンディングにも似た、 しんみりした雰囲気が物悲しくも心地よかった。 そして、様々な事件を黙って見守った石の橋は現在、 カレル橋と呼ばれている――。
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